森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.07.15
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日本では悪いことをすると、警察に逮捕されます。
そして留置場に入れられ、裁判にかけられます。
裁判では悪事の数々が白日の下にさらされます。
そして犯した罪を償うために刑務所に入れられます。
本人は前科を背負って苦難の人生を生きていかなければなりません。

斉藤光人氏が指摘されているように、どんなに人格者と言われるような人でも内面には卑猥なもの、醜いもの、汚いもの、好色なもの、幼稚なもの、狡猾なもの、自己中心的なものを持っています。
それが悲しいかなこの世に生きている人間の姿です。
しかし一旦重大な事件を起こすと、社会から一発退場されられて、再びひのき舞台に上がることは許されません。
法治国家に住んでいるとそれが最善の解決方法のように思っています。


そして子供を含めたひとりひとりが、その輪の中の人の長所、善行、親切な行為、過去にしたよいことについて話し始め、その人について思い出せることすべてを詳しく語るそうです。
村人はこれ以上ない誠実さと愛を込めて話し、誇張もでっちあげもなく、不誠実な態度や皮肉な態度をとる人もいません。
その人を共同体のメンバーとしていかに尊敬しているか、村人全員が話し終えるまでこの儀式は続き、それは数日間に及ぶこともあるそうです。
そして最後に輪が崩されると、その人を再び部族に迎え入れるお祝いが始まるのだそうです。
(ゆるすということ ジェラルド・G・ジャンポルスキー)

バベンバ族の解決方法は、人間には誰にでも過ちはあるはずだ。
その過ちを白日の下にさらすよりも、許してあげることを大切にしている。
ミスや失敗、不正や事件を起こしても社会から軽蔑され、追放されることはない。
どんなに社会に迷惑をかけても、再び暖かく社会に受け入れてもらえる。
自分の存在価値、能力や長所や強みを活かして再び社会生活を送ることができる。
こういう許容社会ではそもそも悪事を働くという発想は出てこなくなるのではないか。


集談会では、基本的に傾聴、共感、受容の態度を大事にしています。
それに許容の態度も付け加えることを提案します。
そうすれば集談会はもっと居心地がよくなります。

森田理論に「物の性を尽くす」という言葉があります。
これは物だけではありません。

すべてのものには存在価値がある。
その人やその物が持ってる能力や長所や強みを命のある限り活かしきることが大切という考え方です。
この考え方に立つと、一時的に道を踏み外したとしても、それは誰にもあることなので、寛大な気持ちで許容することができるのではないでしょうか。

大阪 通天閣





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Last updated  2023.07.15 06:39:00
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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