森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.11.27
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私の父親は仕事での人間関係で躓き、私が物心ついたころから昼間から酒を飲んで酔っ払っておりました。
そのうちアルコール中毒になり肝臓を壊して入退院を繰り返していました。
52歳のときに突然心不全で帰らぬ人となりました。

私は父親から父親らしいことをしたもらった記憶がありません。
運動会、授業参観日などに1回も来たことはありません。
家族で一緒にどこかに出かけたという記憶もありません。
基本的には子どもの教育には関心がなかったのでしょう。
子どもがどんなことに困っているのか。どんな素質があるのか。
どんなことに興味や関心があるのかについては無関心でした。

私はピンチの時は相談に乗ってほしかったのですが叶いませんでした。
男の生き方を教えてほしい気持ちがありましたが叶いませんでした。
育児放棄という状態でした。
反対に私がやることなすことに、叱責、非難、否定、暴言を吐くことは日常茶飯事でした。毎日が憂うつでした。
私は父親を軽蔑するとともに、いつも避けていました。
親父との関係がその後の私の人生にマイナスの影響を与えたと思います。

私の頭の中ではどんなことを考えていたのか。
少しでも父親の気に障るようなことをしてはいけない。
そうしないと罵詈雑言で責められる。とにかく父親から離れていれば安全だ。
行動などでつけ入る口を与えないように細心の注意を払うようになりました。
そして褒められるようなことをしないと父親は決して自分を認めてくれないという気持ちが強くなりました。


まず何かあった時の後ろ盾がないので臆病者になります。
なんとか重い腰をあげて挑戦しても、一旦躓くとすぐに挫折してしまいます。
子どもの私は家を追い出されたら生きていくことはできません。
父親の生きざまに絶望しながらも、父親を頼って細々と生きていくしかありません。不安や恐怖に取りつかれて、精神的な自立が遅れました。

対人関係では、人への信頼感を持つことができなくなりました。

人に頼ったり、人の好意にすがることは考えられないことです。
人と仲良くして、みんなで楽しい時を過ごすということは避けるようになりました。それよりは一人で過ごすほうがよほど精神的に楽なのです。

そういう傾向は大人になってますます強くなっていきました。
社会人になると、他人から危害を加えられないよう細心の注意を払うようになりました。
自分の気持、感情、本音、意向、欲求などを押さえつけて、相手に媚びるようになりました。
自己防衛的な人間に親しく近づいてくる人は少ないです。しだいに孤立してゆきました。
本音を無視して、他人の思惑に振り回される生活は針の筵に座らせられているようなものです。

そういう私に救いの手が差しのべられました。
それは森田理論と生活の発見会と集談会に出会ったことです。
集談会は同じような悩みで苦しんでいる人が、自分の苦しみを聞いて共感してくれるのですから居心地がよかったです。
その中でも森田理論に詳しく、森田を生活の中に応用されている先輩がおられました。私は運よく心の安全基地、困ったときに身をよせることができる母港を見つけることができました。
あれから37年、森田の自助組織に出会っていなかったらと思うとぞっとします。

それから私は集談会の世話活動にずっと関わってきました。
世話活動は自己中心的な生き方を見直すきっかけになりました。
対人恐怖の人は他人やペットや植物の世話活動をすることが癒し効果になります。
また一人一芸を身に着けて、老人ホームや地域のイベントなどでのボランティア活動にも取り組むようになりました。
見ていただく皆さんに喜んでいただくとともに、仲間との貴重な人間関係が広がりました。これは対立関係のない楽しくて安心感のある心温まる交流ができます。
それ以外にも、メダカの世話、草花の世話、庭木や果樹や自家用野菜の手入れなどに積極的に取り組んでいます。
他人の役に立つ活動が私の心の痛みを多少なりとも癒しているのだと感じております。以前は長生きしても虚しいだけだと考えていましたが、今ではできるだけ長生きをして人生を楽しみたい。
人の役に立つことをしたいという気持ちが出てきました。





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Last updated  2023.11.27 09:18:55
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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