森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.12.21
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カテゴリ: 最新の脳科学
皆さん、こんな経験はありませんか。

ドライブしている時にCDを流しているとします。
それがお気に入りのCDで何回も繰り返して聴いている場合、ある曲が終わったときに次の曲を口ずさんでいることがあります。
意識していないにもかかわらず、間違いなく次の曲を正確に予測しているのです。
脳のどこにそのような仕組みが備わっているのか気になります。

楽器の演奏の場合も同じことです。
私はアルトサックスの演奏をすることがありますが、同じ曲を何百回も繰り返していると、楽譜は必要なくなります。
手先が自動的に正確にリズムを刻んでくれます。
余計なことを考えないで無心の状態の時が正確に演奏ができるのです。


無意識の行動は脳の運動野、側頭葉に蓄えられた記憶から直接指示が出されていると聞きました。
無意識というこの脳の働きは、自覚はできませんが大変重要な役割を果してくれています。

ここで肝心なことは前頭前野から指示命令が出されているわけではないということです。
前頭前野は不安や心配があるときに、それを解消する時に盛んに活動します。
そして過去の経験などと照らし合わせて、最善の対策を提示する役割を持っています。
迷っているとき、不安な時、原因が分からない時に前頭前野がフル回転してくれることはとても大切なことです。

しかしいざ本番に入っているときに、前頭前野で余計なことを考えていると、練習で身に着けたパフェ―マンスが発揮できなくなってしまいます。
人前で恥をかきたくない、称賛を浴びたいなどという不安があるとき前頭前野が出てきます。

規則正しい生活、ルーティン作業を確立した人は無意識の脳がフル回転していると思われます。
習慣化された行動が流れ作業のようによどみなく次々と続いていきます。

その時は前頭前野は休んでいるのでしょうか。

例えば会社に行くとき、戸締り、ガス、電気のスイッチなどの確認は誰でもしています。
つまり不安が湧き上がってくると、いったんそこに注意や意識を向けています。
安全が確認できれば、その注意や意識はすぐに離れていきます。

基本的生活は無意識的行動によって淡々と流れているのです。
そこに気になることが発生すると、適度に前頭前野が働いて処理している。


車の運転をする人はよくお分かりだろうと思いますが、交差点で右折する時は歩行者や対向車の動きに細心の注意を払っています。
無事に交差点を通過して、直線道路に戻るとほぼ無意識運転に戻っています。

私たちの生活は規則正しい無意識的なルーティンワークを確立することがとても大切だと思います。
この次に何をしようかなどと考えながら生活している人は、絶えず前頭前野を使って生活していることになります。

小説家の帚木蓬生氏は5分以上考えると脳が傷むといわれています。
ですから悩みや心配は、5分以上頭の中でひねくり回してはいけない。
お勧めしたいのは陶芸家の河井寛次郎氏が実践されている「手考足考」です。
(生きる力 森田正馬の15の提言 帚木蓬生 朝日新聞出版 34、45、61ページ)





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Last updated  2023.12.21 10:19:40
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