森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.03.11
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カテゴリ: 行動のポイント
この言葉は達磨大師の仏性論に出ているという。
「故に至人は、その前を謀(はか)らず、その後ろを慮(おもんばか)らず、念念道に帰す」

森田先生は次のように説明されている。
至人、すなわち達人で悟った人は、金をなくしたとかいって、以前のことの繰り言をいったり、「来年のことをいうと鬼が笑う」というように、当てにもならぬ未来のことを空想するようなことをしない。ただ念念道に帰して、そのときどきの現在に対して、全力を尽くすというくらいのことであろうと思うのである。
(森田全集 第5巻 385ページ)

誰でも過去のミスや失敗、不祥事等を思い出して後悔することがあります。
そして自己嫌悪、自己否定で苦しむことがあります。
最悪、それらが夢にまで出るようになります。
生きることが苦しくなり、投げやりになってしまいます。

結果がどう出るか分からないのに、失敗した時のこと、最悪の状況を想定して、手を出すことをためらうようになります。

隠居仕事に日を送るというふうの境遇に身をおくときには、結局、自分の欲望は思い切り難いものであるから、アアこの身体が病気でなければという「前を謀る」心と、したいことができないで残念だという「後に慮る」の心が起こって、絶えず繰り言が心のうちに巣食うようになるのである。
(森田全集 第5巻 167ページ)

こうならないために森田先生は「現在になりきる」ことが大切だと言われています。過去のことを後悔し、未来のことを思い悩むよりも、 今の生の欲望に乗り切る ようにすることが肝心ということです。

今取り組むべきこと、やるべき課題や目標を明確にするということです。
その流れに乗って生活していると後悔や取り越し苦労は少なくなります。

そのためには一つには規則正しい生活習慣を作り上げることが大切です。
毎日同じ時間に起床する。その後は習慣化された行動にしたがって、毎日決まったことをこなしていく。
この次に何をしようかと考える必要もなく、淡々と手足が動いていく。
この時大脳の前頭前野はお休みしています。


さらに習慣化された行動に取り組むときに、問題点、課題、改善点、改良点、楽しみ、喜びを見つけだそうという気持ちを持っていると「現在になりきる」ことができます。
気づきや発見、工夫やアイデアが次から次に生まれてきます。
行動に弾みがついてやりがいが生まれます。
これは森田でいう形から入るということになります。





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Last updated  2024.03.11 06:33:34
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