小柄男の独白 | ふーるずバー

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2009年05月18日

オレの彼女は大柄な女だ。

お洒落な靴はサイズがあまりないらしく、
いつもスニーカーばかり履いている。

スカートをはく事も滅多にない。

オレとしてはもっとお洒落をしてもらいたい気持ちはあるのだが、
本人があまり気乗りしないなら
無理をしてもらうのは、
こちらとしても気が進まないから、

それよりも、他の小柄な女にはない、
圧倒的な存在感というか、質量感というか、
一種の手応えのようなものがあることが、
与えてくれる満足感の方が、ずっと価値がある。
これは、ややフェティッシュな感覚なのだろうか？

そんなオレは、といえば、
一般的な男性に比べて、驚く程の小柄だ。

成長期に何かあって、成長が止まってしまったのか？
と周囲の人々に心配されるほど、
つまり、哀れみを呼び起こしてしまうほど
小柄なのだ。

足も手も細くて成長期の小学生のような
しなやかな体つきをしている。
それがかえって「子供？」と思われてしまう
原因になっているようだ。

服を買うときは、子供服売り場に行く。

自分で子供らしさを演出して、
ひそかに楽しむこともある。
人が勘違いをするのを、最近では、
楽しむようになってしまった。

コンビニでは、タバコを売ってもらえないし、
お酒を買うのも、年齢確認をされるから、
常に身分証明書を持ってあるいている。
証明書を見せた時の、相手の驚く姿を観察するのを
楽しんでいるのだから、すっかり
性格がゆがんでしまっているのかもしれない。

そんなオレにも、子供が出来るらしい。

いくら大柄な彼女でも、生まれてくる子供は、
さすがに自分よりも小さいだろう。
自分よりも小さい存在には、慣れていない。

正直、子供を見るとライバル意識のようなものが
湧いてくるのであって、可愛いとか慈しもうなんていう
感覚は皆無なのだ。
こんな自分が子供を持つなんて、考えるほど、
訳が分からなくなる。

オレはどうしたらいいんだ。

大きな彼女に子供のようにじゃれつく権利を、
生まれてくる子供と二分しなければならないのか、
いや、全面的にその権利を
委譲しなければならないのかもしれない。

イヤだ、イヤだ、そんなのイヤだ。

これは、オレの人生にとって、
ゆゆしき事態だ。

生まれてくる子供をどうするか、
今は自分でもわからないが、
なんとなく、どうにかしなければならない
気分にとらわれている。

※フィクションです（笑）

松本人志さん、ご結婚おめでとうございます。