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『イネが語る日本と中国』4

<『イネが語る日本と中国』4>
図書館に予約していた『イネが語る日本と中国』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。
図書館に予約するには、この種のやや専門的な本が狙い目かもね♪


【イネが語る日本と中国】
イネ

佐藤洋一郎著、農山漁村文化協会、2003年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
1 ジャポニカのイネは中国生まれ/2 黄河と長江ー中国二つの顔/3 イネの遺跡・遺物/4 水稲の誕生/5 中国の稲作風景/6 イネ、日本に至る/7 占城稲のゆくえ/8 現在水稲品種の系譜/9 米の日中比較

<読む前の大使寸評>
図書館に予約して5日後にゲットしたが、この種のやや専門的な本が狙い目かもね♪

<図書館予約:(3/19予約、3/24受取)>

rakuten イネが語る日本と中国


紹興酒

日中のいろんな酒を、見てみましょう。
p196~198
<米の酒いろいろ>
 古くからある米の利用法で忘れてはならないのが酒である。そして日本にも中国にも、米で作った伝統的な酒がある。穀物の酒は、大きく分けると二つにわかれる。種子に蓄えられたでんぷんを何らかな方法で糖に分解してその糖をアルコール発酵させた蒸留酒と、アルコール発酵させたものを蒸留した蒸留酒の二つである。米の酒にもこの二つがあある。

 醸造酒は日本にも中国にも代表的な酒がある。日本の米の醸造酒の代表格はなんといっても清酒である。清酒は醸した酒を絞って上澄みの部分だけを使うことから来る名であるが、過去には醸したままの酒もあった。中国の米の醸造酒の代表は紹興酒である。これはもち米をかもして作った醸造酒で原理的には清酒と同じ製法で造られるが、発酵に使われる酵母菌の違いであの独特の香りと赤い色合いが醸し出される。

 インドシナ山間部の少数民族の人びとの間ではもち米のどぶろくが好まれる。チャンなどと呼ばれる醸造酒がそれで、もち米の玄米か、あるいは籾殻つきの米が瓶の中で発酵させられる。飲むときになると、人びとは瓶に水を注ぎストローをつっこんで、好きなだけ飲むことができる。液体の部分がなくなると新たに水を足して飲み続ける。それは、アルコール分がなくなるまで続けられるという。チャンは今ではラオスなどインドシナの山地部にみられる酒であるが、往時には中国の南西部にもあったであろうと想像される。

 もち米の醸造酒は日本にもある。みりんと、いまではもっぱら桃の節句のころにだけ飲まれる白酒がそれである。みりんや白酒の甘さは、それらがもち米でできていることによる。

 米の酒の中には当然蒸留酒もある。日本では「米焼酎」がそれにあたる。おもしろいことに、中国では蒸留酒は醸造酒より量も種類もずっと多いが、それは米を原料とするものではなく大半がコウリャンを原料とするもの(白酒=ぱいちゅう)である。それは漢字では白酒とは書くが、日本の白酒(しろざけ)とはまったく別物である。

 米の蒸留酒は中国では雲南省など南西部の諸州にあった。それは醸造酒であるチャン同様、今ではラオスなどインドシナ半島に広く認められるものの、中国での分布は大きくはない。ラオスで広く愛飲されるラオ・ラオは、もち米を原料とし、醸造後蒸留して造る蒸留酒で、現地の人々に広く親しまれている。その味や製法、原料は、沖縄の泡盛と瓜二つである。


『イネが語る日本と中国』1
『イネが語る日本と中国』2
『イネが語る日本と中国』3


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