第１２回 ロンドンの地下鉄
とりあえず、キョドリながら座席に座る。この地下鉄は市街地に行くということだったが、このまま乗っていて目的の駅に着くのだろうか？どんどん不安におそわれる。「これはどうにかしなければ。」私は隣の若い男性に目的地（ユーストン駅）の地図を見せ、「ここに行きたい」というと、若い男性は地図を指しながら「そこならグリーンパークで乗り換えないといけないね」と言った。
さて、電車はグリーンパークに着き、半信半疑の私は男性の顔をのぞき込みながらその場に座っていると、「早く降りなさい。」という合図をした。うながされるがままに、私はそこで乗り換え無事にユーストン駅に着いた。真夜中の薄暗いユーストン駅は、ホームレスの人や酔っぱらった人がたくさんいた。その駅構内をスーツケースを引っ張りながら歩いた。怖くて仕方がなかった。「ホテルはここから近いはずなんだけど。」
© Rakuten Group, Inc.
