酔眼教師の乱雑日記

混沌たる社会への旅立ち

送る言葉を書く時期になりましたが、今年ほど気持ちが沈んだ状態で書くのは初めてです。15期生の皆さんが船出しようとする社会の将来が混沌としているのです。
 清水寺管長が揮毫した2008年の一文字は「変」でありました。あらゆる分野で「変化」が起こっています、変化は決して悪いことではありませんし、変化がなければ社会の進化や進歩はありませんが、その変化の方向が問題なのである。
 私たちは様々な環境と中で生きています、常に環境は変化するものだとは自覚していますが、今の環境変化は我々の想定からかけ離れたものであります、それも、人々の生活にマイナスの影響をもたらす変化なのです。
例えば、サブプライムローン問題を起因とする世界経済の状況は金融恐慌と言ってもよい状況です、新しい金融システムとしてもてはやされた制度(金儲け第一主義)も米国における住宅ローンの破綻という1つの出来事の綻びが地球全体の経済に波及したものであります、経済(金融)がグローバル化していることを思い知らされました。
 また、日本においても、世界的な金融恐慌による経済の低迷により、営利を第一主義とする大企業は派遣労働者切りに走り、現在十万人近い人が路頭に迷っています。しかし、小泉政権下で改正された労働者派遣法は、当時としては、大量に存在した失業者救済の政策として効果をあげましたが、その結果、就業構造は大きく変化しました。過去に有効であった政策も、よりグローバルな環境変化によって、結果的に、社会問題になるのです。
 ここに意思決定の難しさがあります。今の意思決定の結果がでるのは未来です、未来の環境変化を予見し、意思決定をすることには困難を伴いますが、意思決定はしなければなりません。
 卒業される皆さんは、直接にまた間接に自分を取り巻く環境は常に変化することを基本認識として、社会の動向を注視し、社会の動向を読み取り、自ら決めた人生の目的(大夢)を実現するための意思決定と行動をとってください。
卒業生の皆さんは最悪の環境状況の中で社会に羽ばたかれます。しかし、環境が悪いことを言い訳にしないでください、自らの人生の「大夢」への道を歩んでください。
 ただ、夢を描くためには、努力が必要です。裏打ちのない「夢」は空想です。
 自分で出来る「努力」についてのアドバイスをします。それは、月に3冊の本を読むことです。その3冊ですが、1冊は「ベストセラー」と言われている本、これはその時代を反映しているものです(時代と環境変化の認識)。1冊は自分の仕事に関係する本です。会社の中でも色々な職種につくでしょうが、その時の自分の仕事に関係した本を読んでください(夢の実現への糧の獲得)。最後は、自分の趣味に関する本です。人生は仕事だけでもありません、人間の幅を広げるのは、趣味だと思います(人生を実り多く)。今まで、月に3冊の本を読んでいましたか、仕事に就くと時間は制約されます、その中で、月に3冊、年で36冊、10年で360冊、30年で1080冊、読むと読まないでは、大変な人間の幅の「差」になり、夢が実現できるか否かです、努力してください。

 大学という学び舎で、縁あって出会い、二年半ともに学び遊びました。君たちが「大夢」を心に描き、社会に飛翔されることを期待し、幸い多い人生を送られることを祈念して、贈る言葉とします。


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