4.理科だよ~ん


 水の電気分解の実験。

・電流が流れやすくするため、うすい水酸化ナトリウム水溶液を使う。
・陰極に水素、陽極に酸素が発生する。
・体積の比は、水素:酸素=2:1
・化学反応式は・・・

ヲイ、チョット待て。 こんなこと覚えてどうすんだ?  そもそも、この実験は何のために行うんだ?

「水が水素と酸素からできていることを確かめるため」と答えたお気楽なアナタ!! 理科勉強するのやめなさい。この先、いくら理科(高校へ行くと、物理・化学・生物・地学に分かれる)やっても面白くもなんともないし、 単なる苦痛、または、受験の道具に終わるのが関の山さ。

世界で初めて水の電気分解をやった人を想像してみてくれ。そして、 彼が何のためにこんなことをやったのか考えてくれ。

彼は、疑問に思ったんだよ、あることを・・・。「水って、何からできてるんだろう?」ってね。

普通、こんなこと考えるかぁ?  水は水に決まってんじゃん。 この人、水を「バラそう」としたんだぜ。 どうすればよいかも分からずに・・・。ましてや、水が何からできているか、なんて予想をたてられるかなぁ?

とにかく、彼は、色々な方法を試してみた。思いついたのは「電気ショック」。けど、水に電流は流れなかった。困った。よし、何か混ぜてやれ。食塩か何かから始めたんだろうが、中にはアブナイ薬品もあったんだろうね。水酸化ナトリウムもその一つ。濃い水溶液は皮膚や衣類を侵す。けど、これだと電流が流れるから、薄いのでやってみたら・・・。

バチッ!! っという音。恐る恐るH字形ガラス管を見ると、気体が?!

なんじゃ、こりゃ~。水をバラしたら、気体になっちまったみたいだぞ。どーなってんの?

何だ、この気体は? よし、正体を確かめてみよう。
よく見ると、陰極側と陽極側とでは体積が違うな・・・。


 これって、筆者がデッチ上げたストーリーだから、事実とは違うかも知れん。けど、世界最初の水の電気分解実験者の ワクワク感 が、少しでも伝わっただろうか?

諸君は、最初に実験(観察)があって、次にその結果・考察があると思ってるんじゃないかな? しかし、これは大きな誤解だ。そもそも実験とは、「実際はどうなのか試すこと」だ。いきなり試すわけねーだろ!! 何のための実験かも分からず、結果だけを覚えてどこが楽しいんだ!? すべての実験・観察は、

1.何を調べるために、何を知りたくてこの実験を行ったのか?( 疑問
2.それに関する自分の予想( 仮説
3.仮説が正しいかどうか確かめてみる( 実験
4.その結果、わかったこと( 考察

の4段階に分けて考えるべきなのだ。

 繰り返す。実験というのは、自らの疑問点や仮説を確かめるための最もわくわくする瞬間なのに、単なる「おべんきょーの一環」に成り下がってはいないか? 実験に至るプロセスが大事なハズなのに・・・。

 諸君にお願いしたい。今後、何らかの形で理科の実験・観察を見かけたら、

「世界で初めてこれをやった人は、何を知りたかったんだろう、何に疑問を持ったんだろう?」

を、自分なりに考えてみてくれ。すると、道はおのずから開けてくる。


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