へいへいホー、へい・ほう・コン(2)




○ ある数aの平方根とは … 2乗するとaになる数

○ 正の数aの平方根(2乗するとaになる数)は、プラスとマイナスの2つがある。



 自然数1の平方根をクリア。次は自然数2の番だ。
・2の平方根 ・・・ 2乗すると2になる数

 男は困った。2乗すると2になる数といわれても、すぐに思い浮かばないからだ。1を2乗すると1、2を2乗すると4になってしまう。

 仕方なく、地道な探求に乗り出すことにした。2の平方根(2乗すると2になる数)は、1と4の間に存在するに違いない。1.5はどうか・・・。1.5×1.5=2.25。少し大きかったようだ。
     1.4なら・・・・・・・、1.4×1.4=1.96。だいぶ近づいたが、2ではない。
1.41でやってみよう・・・。

 このとき、男は悟った。「ダメだ。この作業には終わりがない・・・」。2乗すれば2になる数に限りなく近づけても、小数で表すことは永久に不可能だ。分数にしようとしても、割り算をしているわけではないので、それもできない。
 男の顔に大きな失望と落胆の色が浮かんだ。

 「無理だ。私には、この数を表現することができない・・・」「無理な数・・・」「無理数・・・」

 ここまで考えたとき、男の頭に閃光が走った。

 「そうだ。今までの数で表そうとするから、無理が生じるんだ。無理な数、このような数を『無理数』と名付けよう!」

 男は発想を転換した。小数や分数で表せないのだから、何か別の表現方法を考えようと。最初に、文字を使ってみようと思った。しかし、その考えは、すぐにゴミ箱行きとなった。3の平方根(2乗すると3になる数)、5の平方根、6の平方根・・・。値が求められそうもない数はいくらでも存在する。これでは文字の数が足りなくなるではないか。第一、文字を使ったら、元の数が何だったのか見えてこない。困った。

 仕方がない。3の平方根を表すには、やはり数「3」は使おう。ただし、このままではダメだから、何かくっつけてやろう。どんな形がよいか? 男が思いついたのは「√」という形。これを「3」の上にかぶせたらどうか。

 この記号は「root(ルート)」と名付けられた。rootは「根(ね)」という意味だが、数学的には「根(こん)、何かの元になるもの」という意味合いで使われる。

 こうして、3の平方根、√3と-√3が産声をあげた。


○ 正の数aの平方根(2乗するとaになる数)は、+√aと-√a の2つがある。


つづく


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