ミュンヘンのパッチワークファミリー

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離婚?! その前に


ドイツでの離婚は、日本と違って、めんどうです。
離婚届に判を押して、役所に提出して、はい終わり、とは行きません。

時間とお金がかかります。それに、精神力も。
途中でうんざりすることもあります。
これを耐え抜く強い心が必要とされます。

まず、時間についてですが、現行のドイツの法律では、最低一年間の別居生活を経た後、家庭裁判所で認められてようやく離婚が成立します。
きっちり一年で別れられる人はけっこう少ないのでは?
実際には、子供の親権、財産分与の問題、年金の計算等、事務処理の必要な事柄が山のようにありますので、そのどれかでつまずいたり、争ったりしていると、期限はどんどんずれこんでいきます。

お金も、弁護士費用、家庭裁判所の費用、Notar(日本でいう行政書士のような仕事をする)の費用などなど、双方それぞれ約1500ユーロ(金額は、財産の多少によって変わってきますが、少なくなることは、今後ないでしょう)以上払うことになるでしょう。(この金額は、その年のいわゆる税金申告で考慮されますが、実際、これでいくら節税になるのか・・・。)

ということがらを考慮したうえで、突発的な判断は避けるべきでしょう。

いよいよ本格的になってきたら、やはり弁護士さんが必要になってきますが、
まだそれほどでもない、離婚した方がいいのか、どうやったら離婚できるのか、どうしよう、とゆれている段階でしたら、自分とパートナーの気持ちを確認するために、いわゆるEheberatung(直訳すれば、結婚相談所ですが、日本の結婚相談所とはむしろ逆の意味合いを持つのがおもしろいですね)に行きましょう。

ドイツには、カトリック・プロテスタント双方の教会系の結婚相談所、宗教に寄らず、中立的な組織(たとえば、「PRO FAMILIA プロ・ファミリア」)の結婚相談所など、いろいろあります。
Psychologe、心理学の資格のある相談員が面談してくれて、現在の問題を中立的にみて、解決策を考えてくれます。

私は、もともと仏教徒だし、教会系に行ってもなんだなー、と思いましたので、全国組織のプロ・ファミリアに参りました。当時、通っていた脱毛サロンのマダムが、別のお客さんがそこへ行って満足だったらしい、と、教えてくれたからです。
電話で予約をとった時は、「あら、ちょうどキャンセルがあったところよ。では、何月何日の何時に、Frau Thungenのお部屋で」という感じでラッキーでした。普通は、何週間も先まで予約でいっぱいだとのこと。

さて、いよいよ当日です。私の担当をしてくれるのは、どんな鬼瓦のようなご面相をした、がっしりしたドイツ婦人かと想像していました(なんだか、ドイツ人の心理学者っていうと、そんなイメージありません?)ところ、実際にお会いしたフラウ・テュンゲンは、長く波打つ赤褐色の髪をした、瞳の大きな美しい方で、びっくりしました。

このプロ・ファミリアは、全国組織ですので、大都市にはオフィスがあります。(どこにあるのか、今度調べますね、すみません)それ以外の組織がよければ、自分の近所にどんな組織があるか調べて、電話で予約を取ります。

一番いいのは、夫婦そろってこの相談所に行くのがいいのですが、だいたい、離婚問題が出ているぐらいですから、むずかしいでしょう。
相手側が同行するのを拒否する、まあ、拒否だけならかわいいもんですが、怒る、そんな相談所に行くなんてあなたには/きみには悪魔が取り付いているに違いない、等の的外れな言動でもって非難する、などの、思いもよらない反応がかえってくるかもしれませんが、ここでひるまないで下さい。あなたの行動は正しいのです。
こういう場合は、とりあえず、初回の相談には一人で行きましょう。

で、この一回の相談で、あなたの気持ちが落ち着き、それ以上離婚を考えなくなれば、それにこしたことはありません。

逆に、この一回目の相談で、相談員の人から、「あらー、それなら離婚も無理ないわねー」と、離婚当確の判定をされてしまうこともあります。
(以下、随時更新予定)


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