つきのわ王国(四畳半分)

つきのわ王国(四畳半分)

「ひだまり」



あたしは猫のようにうずくまり
ただ、その場所を睨むように見つめていた
そこへ行けば、
望むものが手に入ると知っていながら
踏み出せず

ただ。

勇気が無いだけ。

わかってる。
そこは明るくてあたたかくて、優しい場所。
わかってる。

動けばいいのに
動けない。

あたしはここでそんな自分を睨みつつ
行き場の無い苛立ちを
目に宿す

そうやってここまできたんだ。

「そんなに突っ張ってたって、自分が辛いだけだよ?」

いつかあたしの背を優しく押してくれた
誰かの腕が
少しのチカラが
あたしの足を動かした。

あたしは今

この日だまりの中で眠っている

そして

眠ってるあたしを更に見つめている
「あたし」がいるのも

知っている

どうか・・・起こさないで・・・


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「ひだまり」 BY ナッちゃん

何キロも何年ぶんも 離れた場所から それは
ゆっくりとか あるいはすごい勢いか とにかく落ちてきて
地面にたまっている 地球に積もっている

あいたくて一生懸命走ったときの吐息のような
思いがけなく誉められたときのような
昔会ったことのある若さのモドカシサを見たときのような
お布団や お風呂や とにかく いろんなあたたかみ
それに似ている 
…ううん、それが 似ている

あたたかみの オリジナル

きっと太陽 届きたくて急いで息があがったのかも
みんなにありがたがられて嬉しいのかも
いにしえに越えてきた原始を地球に見たのかも
孤独や 寄り添いや 連なりとか とにかくそういうあたたかみ
感じているのかも
…ううん、感じていると思っていたい

そういうやさしくしようとすること ひだまり

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