GOlaW(裏口)

2007/11/19
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 だから、気付けなかった。
 目の前の陥穽に。


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 まず最初に、感想が遅れまくったことをお詫びします。
 二週間遅れとなりますが、香取君ゲスト回の『ガリレオ』の感想を書き始めようと思います。

 最初に、長文であることをご容赦ください。

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 最初に『壊死る』というサブタイトルを聞いた時、猪管理人は思わず吠えました。
「うっしっ!
 工学・物理学が苦手な私でも、生物系ならばそれなりに得意っ!」

 …SF小説を書いている人間の台詞ではない(自己ツッコミ)。

 でも『生物学者の倫理』だとか、『狂った生物学者』だとか、そういう理論を小説に組み込むのが大好きなのは事実ですしね。
(例えば、第五話の『カフェイン』のくだりに、『ネオフィリンの開発経緯』をすぐに連想したりする人間なんです。


 そんな理由で、今回のお話は特にワクワクしながら待つこととなり。
 研究室に二年間在籍していた(大学院)の人間にとって、胸に触れる回になったのです。

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 このドラマ版『ガリレオ』、現実の組織と比べて考証したりしたら負けです(←待て)。
 むしろ、
「ありえるかぁぁっ、こんなことっ!!」
とツッコんで楽しむのが正しいと思われます。

 同じドラマでも、『警視庁鑑識班』シリーズ(日テレ系)や『法医学教室の事件ファイル』シリーズ(テレビ朝日系)、『科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)といった、
“実在の特殊捜査員による、特殊な捜査。そして刑事課とプライドをぶつからせ、協力する”
という人気シリーズがあります。
 これらを見慣れていると、どうしても『これは許せんっ!』という部分だとかが出ちゃうわけですよ。
(痣にこだわるのは、監察医の仕事ですし)

 でも、そんな部分だけにこだわっていたら、面白くもなんともありません。
 むしろこんな『トンデモ』世界のツッコミどころと、『超常現象』の謎解きを楽しむのが一番ですよね。

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 研究室の気苦労。

>「先生みたいに好きなことばっかりやっているわけにはいきませんから!」
 薫の言葉を聞いた時、私は

と思いました(←過剰表現)。

 第二話でも『一部が嘘だったからと言って、すべてを嘘と思い込む女』の時点で、かなり引きましたが、彼女は怖いほどに短絡的なんですよ。
 田上とは違う意味で、人間的に幼いんですよね。
 今回は上司からも
>「お前、物事を表面しか見ねぇなぁ」
と言われてましたしね。

 むろん、薫はその時は疲れ果てており、視野も相当に狭まっていたわけですけどね(人間は疲れると、思考が短絡的・かつ狭量に傾きやすい)。


 薫が思っているほど、研究室の仕事は楽しいとは限りません。
 それは教授であればなおさらでしょう。


 自分が好きなことを仕事にするには、『仕事としての責任と努力』を果たさなくてはいけません。
 湯川が言ったような、講義に試験・論文のチェックや部下の推薦・勧誘なども仕事です。
 他にも、教授になると『学会の地元誘致や会場整備、スポンサーとの交渉』、『大学内での役職・会議』、『共同研究のための交渉』、『プロジェクトの指導のために、省庁との交渉』、『担当科目における国家試験対策』…etc.と、山のような雑務も増えます。

 私の院生時代の監督教授も、そして知人やその友人達も、その『責任』を果たすことを誇らしく語っていました。
 そんな姿が、本当にかっこよかったのです。


 世の中は広いので、まれに「こんなのは教授の仕事じゃない」と投げ出す教授もいるらしいです。
 ただそう言った教授の場合、『常識知らず』と大学内や学会内でも孤立しているらしく、学生にも同業者にも悪評が広まるそうです(業界は狭いですしね)。
 結果的に研究室に学生も来なくなり、運営が難しくなるんですね。

 つまり、『責任を果たさず、口だけ文句を言っている人』は、たとえ素晴らしい論文を書こうとも、居場所がなくなるのです。
 そして『教授』とは、『それらの雑務も果たせるだけの、能力を持っている』と認められた人間に対して与えられるものでもあるのです。

 湯川はそれを知っているからこそ、ちゃんと責任を果たしているのです。

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 田上の幼さ。

>「子供の頃、僕、アニメオタクだったんです」
 その言葉を聞いた途端、
「己は世界中の正常なアニメファンに喧嘩を売ったなっ!?」
と思い、かちんときました(←過剰表現Part2)。

 普通の神経をしている人間ならばアニメを見ても
「軍需ならもうかるかも」
と思う前に
「戦争って空しいよな。一度起こると泥沼だな」
と思うんです。

 これはつまり、
『子供の頃から、彼には道徳観が欠如していた(サイコパスだった)』
ということを示しています。

 だからこそ、『平和賞を作り、ダイナマイトを発明したことへの贖罪を果たそうとしたノーベルの想い』をずたずたに踏みにじる台詞が吐けるわけです。


 …しかし。
 この台詞だけを聞くと、下手な人だと
「アニメを見る人間は、サイコパスになりやすい」
と勘違いされかねない(汗)。
 脚本家さん、もう少し気を使って本を書いてくださいよ(滝汗)。

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『デカ・ブルー』チーム、始動

>「頼みたいことがあるんだ」
 湯川の願いにより、いきなり『学生IT調査隊』が結成されることに(汗)。
 …って、それは 警察のハイテク対策課とか、情報ネットワーク対策室のお仕事 ですからっ(汗)。
(『科捜研の女』でも、大活躍されていた部署ですね)

 そのメンバーの一人が、村瀬(第三話で、弥生(広末涼子)の弟)です。
 彼の役者さんは以前、『特捜戦隊デカレンジャー』で『エリート宇宙警察官・デカブルー(特技・コンピュータ)』を演じていられた方です。

 そんな宇宙警察に率いられたチームは、見事に『田上のHP』を見つけ出すことに。


 『科学捜査研究所』と化している研究所は、とうとう『ハイテク対策課』にまでなりました(おひっ)。
 …って、今回は警察がまったく捜査してませんよ!?

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>「科学者なら研究テーマに対して誠実に取り組むべき」

 研究畑の人ならば、その言葉に胸を突かれる部分があるのではないでしょうか。
 田上が行っていたのは『実験』ではありません。好奇心を満たすためだけの『児戯』です。

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1.実験目的を忘れている。

 田上が名目上、行っているのは『自然死に見せかける兵器』です。
 その場合、『自然死に見せかける』という目的を達成するには、『いかなる痕跡も残さない』という目標が必要になります。

 この段階で、湯川が指摘したのは『痣という痕跡』です。
 これがある時点で、『目標を達していない』といえます。
 本来ならば、この時点で、その欠点に気づき、それを改良することが必要なのです。

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2.実験という行為に対する、無駄なく、正確な実験

 世の中には『臨床試験』や『動物実験』があります。
 それらでなくとも、『実験』と名がつく行為の場合、実行に移す前に
“手法が実験の目的を実証するのに最適であるのか”
を検証する必要があります。

 実験に掛ける期間、労力、試薬などの無駄を省くことはとても重要なことです。それだけ早く、真実の証明に近づくからです。
 複数ある統計の証明方法も、手段によってどれを選択するかが非常に重要になります。
 無駄もなく、必要を満たすだけの実験、及び評価方法に裏打ちされた論文は、それだけ信憑性も高いと判断されるからです。

 田上の行っていたことは、単なる行き当たりばったりの行動です。
 そこには、“手法に対する検討”もなにもありません。

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 しかし、田上はそれを無視し、実験という名の愚行に走りました。
 理由はただ一つ、『研究者となるには幼すぎる思考の持ち主』だからです。

 彼は、目的そのものよりも、自分が考えたものが動くということの方が大切だったからです。
 だからこそ、『痣と事件の関連性など、誰も分からない』という詭弁を持って、自分自身をだましました。そして、とにかく人を殺してみたのです。
 そして、その行為そのものを楽しんでいたにすぎません。

 そんな行き当たりばったりの趣味人を呼ぶような、そんな酔狂な研究室はありません。
 予算の無駄である以上に、研究室の効率を落とすことになるからです。

 誠意をもって上梓された論文だけが、信頼性の高い論文雑誌に取り上げられ、評価される。
 湯川のいるのは、そんな世界なのです。

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 田上の卒業論文。

 上記の理由により、“論文の評価が高い理由は『田上の実力』ではない”と考えるべきでしょう。
 彼を指導した教授や講師による、適切な指導と監督が成せるものです。
 彼一人ではろくな論文にならなかったでしょう。

 それすらも見抜いたからこそ、湯川は彼に対する評価を思いっきり下げたのです。

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 田上を演じる香取君。

 香取君の演技、すごく良かったです。
 田上のあらゆる意味での幼さや、表面だけの人当たりの良さが良くわかりました。

 サービスシーンにはスタッフに感謝です。
 でも、一番の見どころは『田上が幼いプライドをずたずたにされるシーン』でしょうか。
 カタルシスにこそ、悪役の魅力があるんですよね。





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Last updated  2007/11/19 09:14:07 PM
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