GOlaW(裏口)

2008/03/17
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「僕の正義だ」
 乾いた愛情は、大義名分とともに外道に染まる。


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◆ Kiss & Tell

「あんた、日曜九時のドラマだよ? そんな顔しなくても大丈夫だって」

 三話連続でビデオを見た後、知人と食事に出ました。
 その『仁義なき戦い』のあらすじを解説したところ。

 …相手からの第一声は、上の一言でした。

 確かに第八話のクライマックスでさめざめと泣いた後。その余韻は消えていなかったようです。

 優しさとは裏腹な残酷さ――そう、『Kiss&Tell(裏切り)』の罪と、それでも消えぬ愛を感じて。

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◆ 法倫の暴走

 第8話の法倫の行動に絶句した人は多いと思います。


>「僕の正義」

 そう、それは彼にしか通用しない、非道徳的・非倫理的な『独善』。
 『薔薇の無い花屋』で院長がしたのと同じ、えげつなき復讐。


 彼にはもともと、『自分の心情、権利にしか視界がいかない』、『自分の非は他人に転嫁する』ところがありました。
 彼は『法を犯していない=罪ではない』と信じており、『法と正義は別物である』という真理に気づいていません。
 それが暴走すれば、『合法の下の非情』をも行えます。

 以上の理由から彼は、『人命救助』の大義名分を手に入れることで、他者を傷つけることも恐れなくなったのです。


 …彼の思考回路、実は少しだけ理解できます。
 私にも同じ思考で暴走した記憶がありますから(滝汗)。
 ただ私の時は同級生に釘を刺されたり、苦言を言われたりして、少しずつ自覚を促されました。ネットを始めた最初期にも、釘を刺される出来事に出合いました。
 だから、これが『絶対にしてはいけないこと、自分が特に陥りやすい思考であること』を、常に肝に銘じるようになりました。



 それは肉親憎悪の部分もありますが、自戒でもあるからです。

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◆ すべてを奪われる恐怖

 『職を、子供を、全てを奪われ、愛情を踏みにじられる』
 それは、『薔薇の無い花屋』で英治が陥った状況でもあり――律子に待っていたはずの未来。

 そして、自衛する彼女を待っていたのは周囲の無理解です。


 『完全な存在肯定』が、相手への最大級の癒しならば。その真逆ほど、相手の心を蝕むものはありません。
 それ以上の重罪が、世の中にあるでしょうか。

 自分を『子供を産む道具』にして、使い捨てようとしたこと。
 それが未遂であろうとなかろうと、許せる筈が無い。

 いえ、その『恐怖』を上回るほどの信頼と愛を、彼女は見いだせなかっただけなのです。

 寒空の中、『母子へのいたわり』を口にする前に、『自己弁護』しか出てこない姿は、いっそ哀れでしかなく。
 捕まる時ですら『自己弁護』しか口にせず、『彼女への謝罪』が一言も出なかった姿に信頼など見いだせるはずがありません。

 彼女が彼の元に戻る時―――それは、法倫が律子に『演技ではない、いたわりの姿』を見せたときだけです。

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◆ うたかたの夢

 彼は9か月の間、理想的な夫を演じてきました。
 演じられるのならば、なぜこの三年間、それができなかったのでしょうか?

 彼は、本当は三年間の間も、律子とうまくやっていくことができたはずのです。その努力を相手に押し付けてきただけなのだと、私は感じました。


 8か月の長い演技は、彼の中に何も残さなかったとは思いません。
 演じること―演技療法―とは、その役柄の心を追体験することです。その心を、自分の中に生まれさせることです。

 最後に法倫は、「子供が欲しいだけなんだ」と自分から言います。
 それは、『自分に本来の目的を言い聞かせなければ、忘れてしまいそう』だったからではないでしょうか。
 小川の言い分が、実は核心を突いていたからこそ、そう反論してしまったのだと思います。

 8か月は、法倫にとっても無意味ではなかったと思うのです。

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◆ 小川&猪木ペア

 そんな中、この二人のカップルはまさに癒しどころです。
>「見た目、おっさんだろ!?」
 などなど、『あくまでギャグとしてのカップル』というのが前面にあるので、こちらも安心して笑えます。
 このカップルは無事にくっついてもらいたいです。

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◆ 最終回に向けて

 私は法倫・律子のカップルは似た者同士でお似合いだと思うのです。
 だからこそ、二人には成長してもらいたいのです。

 『法は正義じゃない』
 『自分のやり方だけが、正解じゃない』
 この二つを受け入れ、相手の弱さや強さをあるがまま愛せるようになれば――これほどの最強カップルはないと、信じたいです。

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 人一人の人生を、ずたずたに切りさこうとしたこと。
 それは、決して消えない罪だ。





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Last updated  2008/03/17 06:40:33 PM
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