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2010.08.11
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あれはまだ僕が、4,5歳の頃の話です。今日みたいな暑い夏の日でした。

幼稚園の遠足で行った阪神パーク。

楽しいはずの遠足なのに、覚えているのは、ただその一瞬だけです。

子供の僕にとっては、それ程に恐ろしく悲しい出来事だったのです・・・

その一瞬は、僕たちが象の柵の前で休憩している時に訪れました。

なんの前触れもなく。

時計の針はもうすぐ正午になろとしています。

そこには、ばらばらに動物を見ていた園児達が、一緒にお弁当を食べる為に集まり始めていました。

いち早く集合場所に到着した僕は、歩き疲れたのと空腹の為、柵の下に座り込んでいました。

お弁当の入ったカバンを横に置いて。

暫くすると、辺りに微かなどよめきが。

顔をあげると、皆が一方向を凝視しています。

私もその方向を見ようと振り返ると、そこには一頭の象が。

その象は、一心不乱に何かを踏み潰している最中。

そして、納得がいったのか、やおら長い鼻でそれを掴むと口の中へ。

食べてしまいました。

疲れと空腹で朦朧とする中、今しがた象が踏んでいた物が頭に張り付いて消えません。

   

   僕は、あれを知っている・・・

身体中の感覚が警報を鳴らし始めました。

急いで左手を伸ばします。指先に触れるはずのカバンを探して。

しかし、そこにあるのはただの空間。

   カバンが無い・・・

僕は振り返り、象のお腹を眺めました。

夏の強烈な陽射しを浴びて陽炎が立つ中、そのお腹は微かに膨らんでいるように見えました。

もしかしたら、それは僕の涙のせいだったのかもしれません。

今日もいい天気!弁当を盗られない様に一日頑張りましょう!






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最終更新日  2010.08.11 08:52:25 コメントを書く


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