ぎょう乃介雑記

ぎょう乃介雑記

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2006年07月29日
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カテゴリ: 古典日記
さるすべり【猿滑・百日紅】
ミソハギ科の落葉高木。中国南部の原産。
木の肌がなめらかで猿も滑り落ちるというところからついた名前だそうです。
辞書によっては「山香(やまこうばし)」「夏椿」「姫沙羅」「令法(りょうぶ)」の異名ともあります。

古典に現れる「猿」は、
「古事記(上巻)」に
天孫降臨(天照大神の孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が葦原中国(あしはらのなかつくに)を治めるために、高天原(たかまのはら)から筑紫の日向(ひゅうが)の高千穂峰(たかちほのみね)に降りた)の際に、猿田彦神がその道案内をつとめ、のち、伊勢国(三重県)五十鈴川のほとりに鎮座したそうです。

さるだひこ‐の‐かみ【猿田彦神】 (「さるたひこのかみ」とも)
きわめて長身で、鼻が非常に高く恐ろしい顔つきをしていたという。


また、神社の祭礼の時、行列の先導をする者。鼻の高くつき出た天狗の面をかぶり、矛(ほこ)を持つ。天孫降臨の時の故事からおこったそうです。
さらに、傀儡子(くぐつ)、遊女などが福の神としてうやまう、民間信仰の神で、戯技を演じる神として、接客業者などに尊ばれました。赤ら顔で、鼻がひじょうに高い神。

かいらい‐し(クヮイライ‥)【傀儡師】 
人形つかい。古くから存在した一種の放浪生活者で、曲芸、歌舞を業としました。特に、江戸時代、首に人形箱をつるし、その箱をあやつって門(かど)付けをして歩く乞食芸人をいいます。くぐつまわし。

この傀儡師(人形遣)が太夫の語る浄瑠璃と一体化して、人形従瑠璃になっていきます。


「猿」を歌った歌は、「万葉集」巻3に大伴旅人の讃酒歌に、

344「あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む」

訳「何と醜い事よ、利口そうに振舞って、酒を飲めないなんてぬかして、よく見ると小賢しくまるで人まねでもする、猿のようだな」

一説には「賢しら」・・・山上憶良のこと、とする説もありますが、どうでしょう。

 山上憶良臣罷宴歌一首



に引かれ過ぎかも知れません。

もう一つ、「猿」にちなんで・・・

さるがく【猿楽・申楽・散楽】
(「さんがく(散楽)」の変化だそうです。また、「さるめ(猿女)」との関係もあるとする説もあります)
中古から中世にかけて、即興のこっけいな物まね言葉芸のことで、わが国古来のこっけいなわざに、唐から伝わった散楽(さんがく)が加味されてできたもの。散楽が転訛して「猿楽」となりました。


そして後、これが民間に移り、中古から中世にかけて、寺社に所属する職業芸能人が、祭礼の際などにこっけいなわざや曲芸を演ずる芸能となり、中世に入って次第に演劇化し、能と狂言に分化していきます。

「猿」のつく言葉は、本当にたくさんありますね。それだけ「猿」が身近だったのでしょう。
現在でも、日光に行くと気軽に猿と触れ合えます。
どうぞ、スーパーの袋を持って車外に出てみてください。ほら、来ましたきました・・・。





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最終更新日  2006年07月29日 15時59分00秒
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Re:猿とふれあう(07/29)  
大伴旅人の讃酒歌
 万智ちゃんの本 紹介の記事書きかけて 殆ど出来上がり と言うところで 強制終了
 ショックー・・・・・・・・

また 改めて 書きますね ~ 

あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む

おー醜いこと 偉そうにして酒を飲まないヤツを見ると 猿にそっくりじゃん    万智ちゃん訳

日光で おさるさん 見ましたよ ~ (2006年07月29日 18時05分08秒)

Re[1]:猿とふれあう(07/29)  
ぎょう乃介  さん
まっちゃもかさん
>大伴旅人の讃酒歌
> 万智ちゃんの本 紹介の記事書きかけて 殆ど出来上がり と言うところで 強制終了
> ショックー・・・・・・・・

パソコンの強制終了は本当に、悲しいです。
もうちょっとで終わるぞ、という時に限って・・・ (;>_<;) エーン
パソコンが駄々をこねているのでしょう。もう少し一緒に遊んで。
「こんちくしょー、パソの野郎!!」なんて心に思うと、もっと頻繁に強制終了しますよ。
パソコンにも優しくしてあげてくださいね。


>日光で おさるさん 見ましたよ ~
-----
実は、ここだけのお話ですが、私の家の居間にそういう方が・・・ ( -o-)/☆ビシ! ~(#ToT)アウ!
(2006年07月31日 10時43分28秒)

Re:猿とふれあう(07/29)  
弓蔵  さん
初めて二語文以上の言語をあやつったチンパンジーのアイコ。可愛かったなあ。言語を習得するにつれ、表情も生き生きとしてきたように見えました。

猿の声って西部劇のオオカミの遠吠えに似てるそうです。漢詩の世界では、たまらなく哀愁に満ちたものだとか。

そういえば、「断腸の思い」っていうのも猿の母でありました・・・ハハ (2006年08月09日 22時01分22秒)

Re[1]:猿とふれあう(07/29)  
ぎょう乃介  さん
弓蔵さん
-----
「世説新語」の黜免篇の載っている故事だそうです・・・「断腸の思い」

せせつしんご【世説新語】
中国の逸話集。三巻。六朝時代の宋の劉義慶(りゅうぎけい)撰。後漢末から東晋末までの貴族、僧、文人らの逸話を集めたもの。旧名「劉義慶世説」「世説新書」。世説。

「断腸」は万葉集の中にも使われています。


大宰帥大伴卿報凶問歌一首

禍故重疊 凶問累集 永懐崩心之悲 獨流断腸之泣 但依兩君大助傾命纔継耳

巻5 793「世間は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり」

   神龜五年六月二十三日

禍故重畳(かさな)り 凶問累(しき)りに集まる 永(ひたぶる)に心を崩す悲しみを懐き 独り腸を断つ泣(なみだ)を流す 但両君の大助に依りて傾命纔(わづか)に継ぐのみ

序文訳「わざわいが度重なるので、凶問(弔問)も引きも切らず集ってくる。すっかり悲し心もちになり、独り断腸の涙を流している。ただ朝廷から遣わされた使者の弔慰に慰められ、老いて残り少ない命を繋いでいる。」

歌訳「世の中は空しいものだとわかっていても、こうも次々と思い知らされてしまうと、なおいっそう深い悲しみにうちひしがれるのです」

妻を亡くした旅人を弔慰する使者が朝廷から派遣された時の歌でしょうか。
また、「累集」とは、同じ頃に弟の「大伴宿奈麻呂」が亡くなったことなどと思われます。

(2006年08月10日 09時51分21秒)

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