刹那と永遠 - Moment and eternity -

刹那と永遠 - Moment and eternity -

2005.02.07
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演目は「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」(シアターコクーン・蜷川幸雄演出)。

hakapyonはこの芝居を2回見る予定です。
今回は1回目。2階席C列からの観劇です。
役者さんの細かい表情などはあまりはっきり見えなかったのですが、蜷川流・舞台演出の妙を存分に愉しませてもらいました。

hakapyonは蜷川演出初体験なのですが・・・
いやあああ、凄い。素晴らしい。
幻想的な美しさに圧倒されました。
想像力を描きたてるシンプルな(しかも劇的な)舞台装置。

照明の妖艶さ。
「音」の衝撃。
好きです。かなりhakapypn好みです。

特に舞台の中央にでんとそびえる、あの「大階段」!!
見ているだけで震え上がる、怖いくらいのど迫力です!
そしてもちろんこの階段の上も「舞台」となる訳ですから、
通常の舞台よりも役者さんの演じ場が多くなり、それが芝居に広がりや奥行きを感じさせました。

あそこをまったく足元を見ずに最上段から上り下りする役者さんたち!スゴイです~!!尊敬っ(@@
観客はそれを見ながらハラハラドキドキ・・・心臓に悪いですよまったく^^;

階段上の演出でさらに面白かったのが、
斬られた役者さんたちが、暗転するまでそのまま階段にへばりついている姿。その「へばりつき具合」が悲惨なおかつコミカルで絵的にとても面白かった。(中央で演じられているお芝居そっちのけで見事な「へばりつき具合」に見とれてしまいました)



ストーリーは、ちょっと難しいかも。
(hakapyonは事前に戯曲を読んでいたのでなんとかわかりましたが)騙しあい、裏の裏を読む・・・ある意味「カメレオンズ・リップ」以上のコン・ゲームです。

ひとつの伝説を永遠に生かすために、若い命を刹那に散らせて行く・・・

戯曲を読んだときにはあまり感じませんでしたが、今回役者さんが演じている「将門」からはなんとなく70年代の香りがしました。

学生運動、浅間山荘事件、連合赤軍、全共闘・・・


将門伝説という矢を、時代さえも飛び越えてより遠くに放つためには、将門本人をも含めた多くの命のほとばしりが必要だったのでしょう。

理想を掲げた若さが生み出すテロ行為。
歴史は繰り返す、ともいえるのかもしれません。

1幕が終った時点で既に「うわあ、これ面白い!」とhakapyonの胸の振り子はRINGONと揺れたのでありますが
2幕がさらに凄かった~

三郎・桔梗・ゆき女、そして将門・・・
この4人の思惑と愛憎が次々に独白されていきます。

彼らは衣装の色で自身を象徴しています。
冷静沈着な策士・三郎は知性の「青」。
誇り高き桔梗の高貴な「紫」。
情念と肉体のみに生きるゆき女の妖艶な「赤」。
そして高邁な理想と無垢な狂気の挟間に揺れる「落ちたカリスマ」将門の「白」。

白は「理想」を表す色です。
と同時に「無垢(ピュア)」「生まれ変わる」「クリア」というイメージもあります。

堤将門の狂気は、あくまでも無垢な、子供のような狂気でした。
愛嬌たっぷりの表情がくるくる変わり、母に抱かれて安心して眠る、幼子のような無邪気な狂気。
・・・そう、狂ってもなおのびやかで「邪気が無い」のがこの人の個性です。

「高邁な理想」というカリスマ的意味と、「無垢」で「無邪気」という意味の二面性を併せ持った「白」。この「狂おしの」堤将門にふさわしい色だと思います。

だから、将門の狂気が取り払われ、正気にもどるシーンで現れた「圧倒的な白」に、hakapyonはくらくらと目がくらみ、鳥肌が立ちました。

白という色のまぶしさとパワーと美しさ。
その白を背負った威厳のある将門の立ち姿。

それに前々からhakapyonは、堤さんを色に例えれば「白」だと思っていたから、白い光の中に堤将門が立つ姿を観たときにはまるで自分の心象風景を観ているようでもう感無量でした。

そして・・・
圧倒的な白の中にたつ、威厳に満ちた正気の将門が素晴らしかったのはもちろん、無垢な狂気の中で無邪気に笑い、驚き、暖かい肌に身を埋める狂おしの将門もまた、いとおしかったのも事実です。

2回目が今から愉しみでなりません^^
(しかも今度は前方だ~!!)

ちなみに、ストレートプレイ初観賞・Mちゃんの観劇後の感想は

「女優は娼婦。観客の前ですべてをさらけ出す度量が無ければ舞台には立てない」
「プロ意識が凄い!プレッシャーも愉しみながら超えられる人たちの集まりだね」
「カーテンコールでにこりともしない堤真一に、観客や舞台に対する真摯さを感じた」

というものでした。納得。









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最終更新日  2005.02.08 14:12:18 コメント(4) | コメントを書く


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