陽だまりブログ　　

6回目の流産

6回目の流産は、5回目から半年程してからの事だ。

この頃、うちは、家を新築する事となり、
その忙しさで、わたしも気が紛れていた。

新築する1番の理由は、当時住んでいたマンションは、
間取り的に、赤ちゃんを育てるのには適していなかった。
赤ちゃんが、来ると言う事を前提で、住居を建てる事にしたのだ。
しかし、この事が、後々私を苦しめる事となるのだが・・・

その頃、病院でも、検査をしようと言う事になり、
民間の病院と言う事もあったと思うし、
1番は、医師事態が、どうにかなるだろうと安易に考えていたのだと思う。
ホルモンの値の検査と、糖尿病の気がないかと負荷を掛けた検査をした。
しかし、どの検査も正常範囲内で、医師は首を傾げた。
糖尿病の検査結果が、正常範囲内であるが若干高めだと言う事で、
血糖値を下げる薬が出された。
医師事態もこの治療に関しては、とても曖昧だった。
「本当は、血糖値が、高いと妊娠事態がしにくいんだよね・・・
　でも、ちゃんと妊娠しているしね・・・
　取り合えず、この薬を飲んでみようか。」と言う話だった。

住宅が、完成し、引越しの準備をしようとしている頃の妊娠だった。
新しい家で、子育てが出来る事をとても喜んだ。
この子が、来てくれる事を思い、建てた家だ、
こんなに早く来てくれるなんて・・・とても嬉しかった。
家庭の中でのいろいろなストレスも解消に向かっていた為、
今度は、きっと大丈夫！と思っていた。

住宅の引渡しの日が決まり、引越しの日取りを決めた。
その頃に、病院では、心拍が確認され、
血糖値を下げる薬を毎日服用していた。

しかし、引越しの日が近づいた頃、
私は、疲れからか風邪の様な症状が出始めダウンしてしまった。
そんな矢先、住宅の内装がまだ完了しておらず、
引渡しの日を延ばして欲しいとの話が出て来た。
私も、動ける状態ではなかった為、了承し、
1週間後に引越しとなった。
引越しの事に追われながらも、重い物は極力持たない様にしたり、
出来るだけ横になる様に気をつけながらだった。
荷物を新居に移してからは、お腹の子の事を考え、
ゆっくり荷解きをしようと思っていた。

しかし、不吉な下腹部の鈍い痛みが、やはりある・・・
でも、医師は、そんな事は無いと言っていたし、
流産の原因もそのせいでは無いときっぱり言っていた。
ストレスが原因ではないかと、質問した時にも、
ストレスで流産する事は、有り得ないと言われた。
そういうものなのか・・・？

5回目の時に、きっぱりと下腹部痛を否定されたので、
不安ではあったが、病院に行く事を躊躇った。
引越しの後片付けに追われ、気にしない様にした。

心拍確認から、4週間後の9週目に入った頃、病院に行った。
心拍が、停止していた・・・・
まただ・・・
どうしてなんだろう・・・
医師は、否定したが、私は、ストレスが大きな原因になっていると思っていた。
そのストレスも遥かに軽減されていたはずなのに・・・どうして・・・

どうしていいのか、分からなかった。
何をどう考えればいいのかさえ分からなかった。

貴方を迎える為に作った家なのよ・・・
どうして行ってしまうの・・・？
私は、貴方と過ごす事がとても楽しみで、
貴方と過ごす日々を毎日、心待ちにしていたのに・・・
お願いだから、行かないで・・・お願い・・・戻って来て・・・

心の行き場を探し、PCでサイトを彷徨った。
ある、サイトにたどり着いた。
多くの流産をした人たちが、掲示板に書き込みをしていた。
私も、書き込んでみた。
返事が書き込まれた。
「我慢しないで、泣きたいだけ泣いて下さい・・・」
涙が、止め処なく流れた。
私は、自分が我慢している事を始めて知った。
泣きたいのを我慢している事を知った。
泣いていいんだ・・・私は、泣きたかったんだ・・・
私は、悲しいんだ・・・私は、辛いんだ・・・我慢しないでいいんだ・・・
ＰＣの前で、声が出る程、激しく泣いた。

1週間後、手術をした。
毎回、手術の後は、麻酔の切れが悪く体がきついので、
今回は、手術後に1泊入院をお願いした。

手術が終わり、朦朧とした中で、病室（個室）に移された。
が、点滴を外した後、看護士が止血を確認しなかったのだろう、
夫が、30分程？して、病室に来た時に、
私の右手の下のシーツは、40ｃｍ直径程真っ赤になっていた。
夫のナースコールの大きな声で、私も気が付いた。
まだ、麻酔が完全に切れていない為、何が起っているのか分からなかった。
夫は、私が手首でも切ったかと思った様だった。

1週間後の術後検診の時、生命保険会社に提出する書類の記入を頼んだ。
その書類の疾病名の欄に「不育症」と書き込まれていた。
頭の中が真っ白になり、絶望的な気持ちになった。

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