ぽんたこ@ むにょ~な日々

ぽんたこ@ むにょ~な日々

注文の多い料理店

注文の多い料理店   宮沢賢治/作  ポプラ文庫 1978年初版





賢治代表作の一つ。賢治ワールドを楽しめます。

 都会の2人の紳士が猟に来て道に迷ってしまいます。上流社会の軽薄な会話。自分たちの猟犬が死んでしまったときでさえ,「僕は2800円の損害だ」などと,お金に換算してしまういやらしさ。なんとも,こんな人間にはなりたくないと思ってしまいます。その2人が,山中で「山猫軒」に入ります。経営者から,次々に普通ではありえないような注文をされます。それにもかかわらず,「偉い人が着ているようだ」「貴族とちかづきになれるかもしれない」などと,ずうずうしい考えの成金根性には,腹が立ちます。
 とうとう山猫の罠にはまり,必死の思いで逃げ出し命ばかりは助かりますが,最後は「2人の顔はかみくずのようになり,元にかえることはなかった」
と痛烈な仕返しを受けてしまいます。
 この結末に賢治が何を伝えたかったのか,なんとなくわかる気がします。

 収録されている中で印象に残っているもの
・どんぐりと山ねこ
・からすの北斗星
・鹿踊りのはじまり 


☆「からすの北斗星」が一番心に残っています。からすの少佐が「マジエル様,どうかにくむことのできない敵を殺さないでいいように早くこの世界がなりますように。そのためならば,わたくしのからだなどは,なんべん引きさかれてもかまいません。」と祈る言葉は,本当に心に染み渡りました。
 平和な世界が早く来ることを私も祈ります。


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