「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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3度の飯より音楽好き♪
その24
1 Oleo
2 Dearly Beloved
3 Doxy
Sonny Rollins(ts)
Don Cherry(cor)
Bob Cranshaw(b)
Billy Higgins(ds) 1962.7.27-30
あぁ・・・とうとうここまで来てしまいました。
60年代、もっとも語るのが難しいと思っていた
最初の難関です。(^^;
奇しくも、このアルバムに収録されているナンバーはすべて、
ロリンズが50年代に演奏を残しているものです。
それらと聴き比べつつ、書いていきたいと思います。
Oleo
ご存じ、ロリンズのオリジナルです。
演奏時間、じつに25分半!
ソロアルバムを別として、ロリンズにして(おそらく)空前絶後の長さです。
オープニングは何かを感じさせるような、予感のような音から始まり
演奏がスタートすると、ドラムスの音から疾走感が感じられ
はじけるように、吹きまくるロリンズ・・・。
迷走するような音も、しばしばありますが、
今までの枠という枠を全部取っ払ってしまうかのように吹いて吹いて吹きまくる・・・。
Bag’s Groove での演奏は、影も形もありません。
(出だしを聴かなければ Oleo だとわからないでしょう。)
チェリーもロリンズのソロに刺激されるかのように
(ほんとはおそらく、逆でしょう ^^;)吹きまくり、まさに一騎打ちです。
そのあと、低く流れるクランショウのソロ。かすかにホーンの音も流れますが、
ここが、この演奏中、唯一くつろげる瞬間かもしれません。
続いて、ビリー・ヒギンスのソロもありますが、
これは何となくふらふらした感じがします。
(う~ん、正直言ってこのソロは・・・あまり好きではありません。)
どことなく長く感じるドラムソロの後、
ロリンズがまた吹き始めますが、これは最初よりも押さえたテンポで
ブルース寄りの演奏で、ゴールを迎え、
最後は聞き覚えのあるテーマで締めくくられます。
Bag’s Groove の Oleo も聴いてみましたが
それぞれのパートが、どことなく優しげに響きます。
ほっとするような・・・懐かしいような・・・
ホレス・シルバーのピアノが印象的です。
ずっとピアノレスを聴き続けてきたせいでしょうか。
それだけに Our Man ~ での緊張感がますます際だってくるような。
Dearly Beloved
ファンファーレ風のオープニングから
疾走したり、止まったりしつつ、エンディングまで聴かせてくれます。
ロリンズの音数が増えたなぁ・・・と感じる1曲です。
途中きこえる低めの音色が、どことなく迷路に迷い込んだという感じがして、
それがどこまで続くのか、少々不安をかき立てられるような気がします。
そんな中、ボブ・クランショウのベースのソロが印象的です。
更に、疾走したり止まったり、の迷路が続くのですが・・・。
後半は少し耳が慣れてきて、音の起伏をちょっぴり楽しむ余裕もできました。
アルバム中最も短い8分のなかに、ドラマティックな要素が盛り込まれている演奏です。
さて、ここでは The Sound Of Sonny の演奏にも耳を傾けてみましょう。
私の中では印象の薄かった演奏ですが(「粋な小品」と書いて終わった記憶が・・・)
Our Man ~ での演奏と比べるとゆるやかな雰囲気で、
ゆったりと聴けるスタンダードですね。
ピアノはソニー・クラーク。
ロリンズは終始ゆったりと吹いています。
Doxy
これが3曲中もっとも、違和感なく聴けるかもしれません。
ロリンズのオリジナルです。
ちょっと不協和音に近い、チェリーとのかけ合いから始まりますが、
そんなに違和感を感じずに聴けます。
Oleo でちょっと苦手かも、と思ったヒギンスのドラムスも
ここでは、よく演奏にとけ込んでいます。
途中ロリンズは「我が道をいく」といわんばかりに延々とソロを吹きまくります。
50年代のものより、やや堅めの音という感じですが。
延々と続くソロの後、ここでもクランショウのベースソロが一服の安心感をくれます。
エンディングがとても印象的です。
Oleo と同じく、Bag’s Groove での演奏も聴いてみましたが、
これも、優しくのんびりした雰囲気に感じます。
ピアノの音色がそう感じさせるのでしょうか。
Our Man ~ のそれよりゆったりとしたテンポです。
マイルスのトランペットも、シルバーのピアノもいいですね。
年代を追って聴いてきたせいか、
最初聴いたほどには、不思議と違和感を感じませんが
やはり、ドン・チェリーとの共演を消化するには、いささか時間がかかるかもしれません。(^^;)
このアルバム全体を通して、特に印象に残ったのは
ボブ・クランショウのベースです。
意識して初めて聴いたのは、一昨年のライブだったのですが
そのときはエレクトリックベースで、なんだか正直言って
うなり声を発していたりして、よくわからなかったのですが、
このアルバムを聴いて、ロリンズが40年もの間盟友として起用していた
その理由がわかるような気がしました。
ロリンズとクランショウは The Bridge からの共演になるのですが、
こんなに安心感を持って彼のベースを聴けたのはこれが初めてのような気がします。
フリーに接近しているロリンズをサポートしつつ
自分の音を聴かせている・・・その存在感がたまりません。
これらはすべて私見ですが。(^^)
ある種のとまどい感はぬぐえないものの、
聞き込んでいくうちに、少しずつ好きになれそうな気がします。
そして、ますますロリンズにはまりそうな気がしてきました。
これも新しい発見です。
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