Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

2010年12月28日
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カテゴリ: 些末な日常


BGM





===








「フォッフォッ!いいおるのう!こりゃあ、こっちもビシバシ扱く必要がありそうじゃなぁ!」












「上等だ!そんくらい屁でもねーぜ!」











「貴方はどう致しますの?」








「……そうですね。俺としましては……」










「無理強いはしたくありませんのですけれど……もし、もし良かったら…………わたくし達のところへ来て欲しいですわ。きっと貴方はすぐに将校になれる器だと思いますの」









「……一介の百姓相手には勿体ない言葉です。ですが……」













「ちょっと待ちなさいなカリン。これに関しては譲れないわね。イスト君は私も欲しいわ」












「いえ……あの……妹の手術に必要な報奨金も貰いましたし、今後は実家に帰って農業を再開したいと思っています、はい」


















「姫様……嫌がる人を強制しても良い仕事はしてくれませんよ?

イストレット様と同僚になれない事は非常に残念ですが、私の事はいつでも頼って貰って構いませんからね?歓迎致しますので!

女の子同士でしか解らないこともあるので妹さんに関して何かあったらお姉ちゃんにドーンと任せなさい!
それに、私の方がお姉ちゃん歴が長いベテランですから絶対絶対力になれますから!うふふ……!」









「そんな……貴族の超エリートのフラン様を頼るだなんて恐れ多い限りですよ」











「いやいや、フランは平民の出身よ。エリートって点では間違ってないけどね。
一人で7人の弟妹達を養ってきたから私の配下に就くまでの貧乏レベルはアンタよりもず~っと上だった筈よ。

節約の方法とかその辺を色々と聞いておいて損は無いと思うわよ。未だに好物が駄菓子だし案外カワイイとこあんのよ、この子。普段はガッチガチの堅物なんだけどね~」









「そういう事ですから気兼ねなく訪ねて来て下さいね!お姉ちゃん頑張っちゃうんだから!」











「な、何だかいつもと雰囲気違いますね……」










「いやいや、こちらが本来のフランだよ。














「……なぁ。さっきから憎しみのあまり俺のゴーストが囁くんだ”バカップルなんて死ねばいいのに”ってな……」













「石ぶつけていいかのぅ?」












「おう。手加減すんなよ」












「満場一致みたいだし、とりあえず塩撒いとこうぜ」










よろっ……



















「あら?おはようナベちゃん」













「忠道!無事だったんだな!」










「はっはっはっ!本官!昔から頑丈さだけが取り柄だったであります!風邪も引いたことない事だけが自慢でありますよ!」












「それは単にお前がバカ過ぎるからだ!ばかもの!」











「あらあら……♪わたくしは死亡者を読み上げたときにナベちゃんの名前は挙げておりませんわよ?
勝手にワンダちゃんが勘違いしていただけじゃありませんの。こういうときくらいはずっと気がきじゃなかったって……きちんと自分の想いを伝えなければ届きませんわよ?」











「う、うううぅぅううう……!うるさいうるさい!だ、誰がこんなゴキブリみたいなヤツを心配なんてするもんか!

お前もお前だ!生きていたならボサッとしてないでとっとと戻ってこい!この馬鹿!バカバカバーカ!」







ゲシッゲシッ!











「いたっ!いたたっ!な、何で本官病み上がりにこんな蹴られてるんでありますか~!」











「ふふっ……ホント、騒がしい子達ですわ……」






===





――西暦2×××年。





こうして一つの大きな戦いは幕を閉じた。

長い様で短かったこの一年間は、今でも私の大切な思い出であり……同時に一番幸せだった頃の追憶であろう。




今になって思う。私が真に恐れていたものは……彼女……ソロモンでは無かった。


彼女は科学技術の発展の先に生まれた存在であったが、それとは真逆……文明が発展するほんの一昔前までは、怖いモノなんてそこらじゅうに転がっていた。




――暗闇を見れば、そこに幽霊がいた。風で揺れて葉が鳴れば、そこに精霊がいた。
帰り道、後ろから足音が聞こえればそれは妖怪の仕業だ。



文明が進めば進むほど、それらはいなくなっていった。
暗闇は街灯の明かりに飲み込まれ、風の音は騒音にかき消される
忙しく働く人は、後ろの気配なんかに気付きすらしない。
そうなると、一番恐ろしいのは何か?


――その通り。言うまでも無かったかな?

どんなに覗き込んでも、決して底の見えない”人の心”だ。
そしてもっとも身近であり……もっとも危険な代物さ。




――君は考えた事があるだろうか?

何故、大昔から世界中で平和を訴えている人間がいるにも関わらず、それが実現できていないのだろう。






答えはそう――誰も望んでいないから。





平和と綺麗事の裏では、常に争いごとを渇望している。
競わなければ種の繁栄は訪れない。故に、それは本能と言えるだろう。

平和な愛を謳う物語よりも、互いを化かし合い出し抜くコンゲーム。
他人の幸せを讃える歌よりも、他人のスキャンダルを報じるジャーナル。
生命の在り方を映すジオグラフよりも、他者の凄惨なる最期を魅せるシネマ。

大多数の人間は前者を退屈と評し、後者を暗澹に絶賛する。



それでも平和を求める声が聞こえてくるのは単なるノイジーマイノリティに過ぎない。






――諸君は、義賊ロビンフッドの最期を知っているだろうか?


貧乏な庶民のために貴族から金品や食糧奪っていた彼ら。
だが、その命運も尽きお縄を頂戴するとなった。

貧乏な庶民たちはそれを好機と踏み、一致団結してロビンフッドのアジトを襲い、残った財宝を奪いに行ったのさ。

しかし自分達のためには何も残していなかったロビンフッド一味のアジトには財宝も食料もなかった。

それに怒った庶民たちは、処刑台に立ったロビンフッドに一斉に石を投げつけて、ロビンフッドは憐れ涙の内に処刑される事となりましたとさ。



衣食足りて礼節を知る――彼らに責を求めるのはお門違いと評する輩もいるが、私はそんな綺麗事をのたまうつもりは無い。
それでこそ、人間の本質なのだ。自分さえ良ければ他人なぞどうなっても構わない。

個よりも種を優先する昆虫の方が人道的に見えてしまうのは我々人類にあてつけた皮肉なのかも知れない。




それに私は元々からロビンフッドや彼女たちの様な大義なんて持っていない。

――国や民衆なんてどうでも良かった。

皆がいれば、他には何も要らなかった。彼女たちと笑って過ごせればそれでよかった。

私にとっての真の恐怖とは、彼女たちを失ってしまうことだったのだ。





――誰も英雄なんかになりたくない。ただ結果としてそうなるだけなのだ。










……どうやら今宵は少々疲れているようだ。

ただ事実を淡々と書き綴るべきである墓守のオシャベリが少々過ぎてしまった。






~アラン・スミシー(書人知らず)の手記より~ 







===








「君は強い子だ。強い人間というものは辛い時や困難な状況でこそふてぶてしく笑って見せるものさ。

それを続けていけばいつかは本当にその笑顔の通りに運命を引き入れる事が出来るものだ。」








「そうそう!カリンには笑顔が一番似合うのですよー。ちょっとやそっとの事も笑い飛ばせるような人間になれば自ずと幸運はついてくるものなのです!」











「力技というか何というか……その強引に切り拓いて行くのが二人らしいわね。でも、そういうのは嫌いじゃないわ」








===















「ねぇ?ダイナンスティ?……私、今、きちんと笑えてるかなぁ?」










続く








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最終更新日  2010年12月28日 17時53分39秒
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