vol.6【チンチョン・セゴビア】



本日は本来は終日フリータイム。
のんびりスペインの街歩きでも。。。なんて考えてたけど
なにしろヨーロッパイチとも言われる治安の悪いマドリッド。
そんなところでウロウロ歩き回って襲われるのもイヤだし。
と、いう事でそんなアナタにはしっかり「オプショナルツアー」なんてものが用意
されているのだ。
出発前に午前の部も午後の部も申し込んでおいたので結果的には今日も一日
まるまる観光ツアー。

昨日からマドリッドのローカルガイドとして登場したオオモリさんと共に、今日は
バスが変わり、革張りシート、サロンルーム付のVERA BUSがやってきた。
どれくらいの人がオプションツアーに来るのかと思ってたらやっぱり7,8割の人が
バスに乗ってきた。自由行動を求める人はもともとこんなフルツアーには来ないかな。

今日の第一の目的地はチンチョン。マドリッドから南へ1時間ほど走ったあたりの
ちいさな町。というよりも「村」
大森さんが「とってもカワイイ村ですよ」なんて言っていたけど、着いてみると
ほんとうに小さな町。
観光名所って程でもなく特に見るべきところもなく、観光客相手まるだしのお土産屋も
なく、素直に素朴に小さな町として静かに素朴に空気が流れている。
今まで訪れた有名な都市や街ではどこもニホンジンだらけでおみやげ物屋だらけで
建物や見るべき所はあったけど、そんな有様に少々食傷気味だったので
ここに来て初めて静かなスペインの時代を流れる空気感じることができたような気がして
とても嬉しかった。

チンチョン

円形のマヨール広場(マヨール=大きい)を囲うように3階建てのレストランや商店の
建物が並ぶ。広場では一年に一度闘牛も開かれるんだそうだ。
闘牛の代わりに車がたくさん並べられている広場を抜けて狭い坂道を登ると古い教会が
静かにたたずみ、高台から広場やその周りの町並みが見渡せて、家々にはパティオと
呼ばれる中庭があってそれぞれ花瓶で飾られている。
スペインの集落の基本のカタチなんだろうな。観光客の波に押し寄せられず静かに
その姿を残している素朴なステキな村。
バルではクリスマス休みの続きなのかオッサンがいっぱい朝から酒を飲んでいる。

しばらく自由行動というコトで集合場所となってるパラドール(国営ホテル)に
一足先に着いた。ここは古い修道院の建物を改装してホテルにしているところで、
とても赴き深い。用もないのに堂々とフロント前を横切り、中に入って勝手に写真を
撮ったりソファに座って中庭を眺めてみたり、タバコを吸ってみたり。
とっても静かにゆっくり時間が流れているような空気。

フロントマンの視線を少しだけ感じつつ外に出ると空気が冷たい。

チンチョンから今度はアランフェスの街へ。ここでは王宮を見学。
王宮に入るのに手荷物検査があり、空港にあるようなレントゲンマシンに荷物を通す。
帽子まで乗っけたら中でひっかかってなかなか出てこなくて焦っていたら
後ろの人の荷物に押されて出てきた。ほっ

王宮の専属ガイドのオバチャンはちょっと怖そう。さらに後ろからは警備員の服装の
これまたちょっと怖そうなオネーサンがついてくる。我々がそんなに怪しいのか、
見学者全グループがそうなのかなぁと思っていろいろ見学してゆく。
なにかのアトラクションのように部屋ごとにテーマが違う装飾で、いろんな財宝が
展示されてる。しかも露出で。。そりゃ警備員も必要ですな。納得。

ガイドの大森さんは王宮ガイドのオバチャンのいうコトを通訳しながら、その歴史や
日本の歴史との関係まで交えて実にわかりやすく解説してくれる。
しかしいろんな派手な部屋がありすぎて訳分からなくなりそうだし、途中から食傷気味。

広場から庭を眺めて、冬の立ち枯れの林の木の葉を踏みしめると「カサリ」と鳴った。
まっすぐな立ち木が続く道と冬の空と冷たい風が哀愁を帯びた風情を感じさせる。
そんなさりげない風景がさりげなく素敵に思える。

アランフェス王宮

いったんマドリッドのホテルコロンへ戻ってホテルのレストランで昼食。赤ワインを
頂いて心地よい時に、突然「バシン」って音と共に停電。部屋の電気だと思ったら
どうやらホテル全体が停電したらしい。
昨夜のエアコンの「がたんごとんがたんごとん」の音を今朝、ガイドのサイトーさんに
訴えて、部屋を変えてもらうことにしていて、食後に荷物の引越しをしようと言って
いたのに、どうやらホテル全体停電ってことは。。エレベータも止まっている模様。。
昨日の部屋は6F(しかもスペインの6Fは日本で言うと7Fにあたる)から新しい部屋は
8F(これもくどいけど日本で言うと9F)

昼からワインを飲み赤ら顔の二人、サイトーさんと共に必死に階段を上り、重い荷物を
3階分持って上がり、また必死で階段を下りる。階段の踊り場から外を見てみると
道路の信号まで消えている。街全体が停電しているのだろうか。
しかしホテルのフロントマンどもは別段慌てる様子もなく平然としている。
よくあることなんだろうかどうなんだろうかはよくわからないが酔いが一気に回り
ようやくロビーにたどりつくと午後のツアーのバスはもう全員集合していた。

トラブルも旅の思い出。。とは言えないけどそう考えるしか仕方がない。

午後はマドリッドからさらに北へ。酔っ払い二人はしばらく眠っていたら、バスの
窓の外にはいつしか雪景色に変わっている。
日本も出発前まではやたらと暖かい日が続く暖冬だったがスペインもやっぱり暖冬で
なかなか雪も降らなかったらしいがここ2,3日で少し冷えてきた。ということと
やっぱり緯度で言うと日本の東北から北海道あたりと同じくらいのスペイン北部。
北の方はやっぱり寒いのだ。

セゴビアはローマ水道橋という有名な古代遺跡があるところ。スペインでは
日本の歴史では想像もつかない程古くからいろんな民族間の争いがあって、それらの
遺跡が今も残っている。また改めてじっくりとスペイン史を勉強してみたいと思いつつ
今に至っている。
とにかくこのセゴビアのローマ水道橋。その名の通りローマ人が支配していた頃の
水道を通すための橋。全長728メートル、高さ28メートル。石をブロック状に切り
それを積みあげて組んであるだけ。らしい。建造は紀元1世紀。さて何年前?
しかも接着剤なんかは全然使ってなくて、本当に石を積み上げただけなんだそうだ。
今は水は流れていないが、それでもつい何年か前までは上水用に使われていて、
普通に市民の生活のために使われていたんだそうだ。全体も完璧に残っていて、これが
紀元1世紀の遺跡だとは思えない。
その技術の高さとそのスケールの壮大さに感嘆するばかり。雪が積もる石段を登り
水道橋の脇を抜けてガイドの大森さんに着いて行く一行。

このガイドの大森さん、40代なかばと思われる女性なのだが、本当に凄いのだ。
歴史の流れはもちろん、その年代、年号、人物名などなど、全てアタマに入っていて
手を胸の前に組みながら空を見上げてすらすらと話す様はまさしくプロである。
しかも話がとっても順序だてられていて素人にも分かりやすく、日本の歴史なんかにも
うまく関連付けてくれるので興味もひきつけられる。
ガイドさんにもやっぱりいろんな人がいるものだ。

セゴビア水道橋

セゴビアの旧市街を歩くとマヨール広場に出る。チンチョンでもマヨール広場が
あったけどこれは「大きい」という意味。大きい広場にの真ん中にはパーゴラがあり
(円形の舞台のようなの)四方には建物が並ぶ。冷たい雨が降り出しそうな
灰色の空も古い街にはよく似合う。
広場の脇にはおっきな古いカテドラル(大聖堂)があり、それを横切り、一行は
アルカサル(王宮)へ向かう。たくさんカッコ書きが出てきたから他にもカッコ書き
いっぱい使っちゃおうかなって気になってきた。
アルカサル(王宮)はなんともメルヘンチック(幻想的)な建物で、あの有名な
ウォルトディズニー氏(ディズニーの創始者ね)がここを訪ね、あの白雪姫(あの
有名なお姫様の話。。もういい?)のお城のモデルにしたと言う。
円形のトンガリ屋根や砦の形は確かにそんな感じがプンプンとしてくる。

セゴビアアルカサル

街から行くとそうでもないけど実はこの王宮、すごく断崖のはじっこに建っていて
中に入るのに深い堀にかかった石橋を渡る。
内部は意外に質素な調度品がならんでいた。が、銀色の鎧兜やなんかを見るとやっぱり
ヨーロッパの雰囲気なんだな。
ここでもガイドの大森さんの解説が光っていた。内容はもう忘れちゃったけど。

急な雪の積もった坂道を転びそうになりながら下って、バスに乗り込み、アルカサルが
きれいに見上げることのできる広場へ。遠目に見るアルカサルも曇天の空との対比が
おもしろい。 ヒトリ参加の学校の先生とカメラを交換して写真撮影。

今日は一日本当に寒かった。バスに戻ると体中の血液がワサワサと動き出している。
つい何日か前のスペイン南部の地中海側ではすごくあったかかったのに、今日は厳寒の
土地。やっぱりスペイン広い。

マドリッドの町は大渋滞だった。ホテルへようやくたどりつき、またホテルの
レストランで夕食。牛肉のステーキが出てきた。この旅初めて柔らかい牛肉だった。
後で聞いたところによるとスペインは肉は堅いのが当たり前らしく、したがって
アゴのソシャクがたいへんだから健康なんだそうだ。なるほど。
にしても、久しぶりに満足感のある食事だった。

ワインを飲んでいい気分のままロビーに座って相方が「早く部屋かえろー」と言うのも
軽くかわしつつタバコをふかしくつろいでいたら、スーツ姿のピアノマンが現れ
ロビーのグランドピアノを弾き始めた。他に誰もいない広いロビーで聞く生演奏は
とっても贅沢な気分だ。
せっかくだから、と観光客丸出しで「Can I take your picture?」と聞くと笑顔で
頷いてくれたので相方を呼び写真を撮らせてもらった。
彼が「Japanese?」と聞くので「Yes. From japan.」
どうやら「キミたちのためになにか弾いてあげる、なんかリクエストはある?」
みたいな事を言うので、「星に願いを」を聞きたかったが曲名が分からず、歌って
みたりしたけど結局伝わらずに、彼はおもむろに「いいよ、じゃぁこの曲は
知ってるか?」と「さくらさくら」の曲を弾いてくれた。
ニッポンのウタ、結構やるじゃぁありませんか。スペインで聞くピアノに感動。

昼休みに引越しした806号室(何度も言うけど日本で言うと9F)はバルコニーも
ついて、景色も昨日よりも随分良くなった。昨日はバルコニー無し、駐車場を
はさんで向こうはマンションだかなんだかで景色もバツだったから、エアコン
壊れていて良かった。

マドリッド夜景

今夜はマドリッドの黄色い街灯の夜景を眺めながらバルコニーで一服。
夜中にどこからか「ドカーン」ってすごい大きな音が時折聞こえてくる。
少し恐怖に怯えながら就寝。

←前の日へ Home 次の日へ→


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: