君ならできる3


“私達には共通の趣味がなかった”
という理由が多くあげられると本で読んだことがある。

結婚した後も子どもたちのママとパパの関係だけじゃなくて
男と女としての関係を大切にするアメリカ人らしい離婚の理由だ。

夫婦の寝室に子供は寝せない、とか
子供をベビーシッターに定期的に預けて夫婦だけの時間を
恋人の時と同じ様に共有する。

そういった事をとても大切にするアメリカ人の夫婦達。

アメリカの習慣の一つ。
両親の愛情表現の仕方を見て、
またその子ども達も同じように愛を学んでいくのだろう。

アメリカ人は子どもの前でも、
公共の場所でも堂々とキスを交わし、
愛してると言い合う。

そんな習慣の薄い日本人の私からすると
ステキだなと思ったりした。

しかし、実際はアメリカ人全員がそうだとは
限らなかった。

家の旦那は限りなく日本人に近い愛情表現を見せる。
「愛情は口から出るものじゃない。
行動に現れるものだ。」

「僕の行動や君にしている事を見れば、
口で言わなくてもどれだけ愛しているか
わかるだろう?」

確かにおっしゃるとおり、
愛情を態度や行動で示してくれているとは思う。

でも、多少の不満はある。
私達ってロマンチックに欠けてる?って。

大体、私の前回の結婚記念日のプレゼントはなんだったと思う?
山奥キャンプ3日間の旅。
信じられる?

私は虫に刺されそうな山奥では眠れないタイプ。
テントなんて、未知の世界。
シャワーとドライヤーがないと生きた心地がしない。

オアフ島の反対側の山奥にテントを張って眠るプレゼント
なんて喜ぶどころか泣きたくなる。

私の為に400ドルのテントを新調した彼。
あぁ、そんなお金があるなら、
レストランでお食事と小さなプレゼントの包みが欲しかった。

私の持ちたい共通の趣味っていうのは
山奥ツアーやダイビングじゃなくって、
もっと落ち着いた大人の趣味。
例えば、ホテルのプールサイドで一緒に読書をするとか、
景色のいいところを一緒に散歩するとか。

ハワイには素敵なホテルが沢山ある。
泊まらずともいつでも遊びにいける絶好の場所。
なのに、

“ホテルのプールなんて面白くない!”
“ハワイはやっぱり海だよ、海!美しい海に潜るんだよ!!”
とくる。

へーへー、わかりやした。(-"-メ)ということで
一応、努力した私のダイビング体験の続きです。


てっきり先生に受講を断ってくれたと思ったらなんと、
日本語の本はあるかと尋ねただんな。

確かに“やめたい”とハッキリ言えばよかった。
でも私だって本当は彼と何か趣味を共有したいと思った。
そんな気持ちが仇になったのだ。

そして、あっという間に次の受講の日がやってきた。
日本語の教科書ならなんとかなるかもしれない。


最終話へ

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