バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

Captisanという食堂



   月曜日。

       ミー「あらっ、今日は早いじゃない。」

   居間に行くと、皆ティーを飲みながら、ストーブを囲んでいた。
 窓には、厚いカーテンが引かれている為、昼なお暗く、タバコの煙が立ちこめメゾン?へでも入った錯覚を覚える。

       俺 「大丈夫かな?ティーは?」
       ミー「まだ、早いもの・・・・大丈夫よ!」
       俺 「早いって・・・・今、何時?」
       ミー「12:30よ。」
       俺 「えっ?まだそんな時間・・・・。今日は、珍しく早く起きたな。」

   昨日?、眠ったのがAM3:30まえだから、9~10時間ほど眠っていた事になる。

                         *

   Bankが午後二時までという事で、Cambioへ行く事にした。
 富士銀行のトラベラーズ・チェックという事で、両替のレートが高いデパートでは換金できず、仕方なく大きなCambioへ出向いた。
 日本円で5000円を二枚ほど両替する。
 手数料が高く、手元に残ったのが2298pts。

   マドリッドに来て、大きな出費と言えば、フラメンコの500ptsとマフラーの200ptsぐらいなものなのに、気が付いてみるとptsが不足気味。
 ”Barに通っているせいなのかな?”
 ”でも、ビールぐらい、安いもんだしな・・・・。”
 日本の友人がまわりにたくさんいることで、付き合いも増えてくる。
 そうすると、お金の管理がだんだんと、ずさんになってくるのが良く分る。

   アマディオに戻ると、皆買い物に出かけたとかで、一人しかいなかった。
 そうしているうちに、長谷川さんが戻ってきて、二人で午後二時過ぎ、Captisanと言うレストランへ昼食に出かける。
 アマディオの正面に、DANOKというBar(いつも、日本人がたむろしている店)があり、そこから道を下って、次の十字路を左に折れると、次の角に我々が目指すレストランがある。

   昼食は、午後2:00~3:00。
   夕食は、午後8:30~9:30頃。

   日本人が多く、店の半分を日本人がしめる事がほとんど。
 大衆レストランらしく、庶民的な雰囲気が漂っている店だ。
 外気をシャットアウトする為に、玄関ドアは二重扉になっているところなんざ・・・・たいしたもんだ。
 日本人客で儲けているのだろう。

   入ってすぐ左が、調理場になっていて、中では中年のスペイン女性らしく、豊満な肉体を持った、美人(昔)顔の奥さんが、忙しそうに立ち働き、ポルトガルの女性を動かしている。
 テーブルは、15~16席しかなく、50人も入れば一杯になるレストラン。

   入り口を入ってすぐ右のテーブルの向こうに、小さなガス・ストーブが置かれているが、火は1/3しかつけていないようだ。
 テーブルは、調理場に向かって二列に並べられていて、奥にも二つのテーブルが見ることが出来る。

   テーブル・サービスは、二人の若い男が片手に注文を書き留めるメモ、片手に鉛筆が握られていて、忙しそうに注文を取ってまわっている。
 一人は、ここの息子で、もう一人は、従業員のポルトガルの青年。
 テーブルを、一列づつ受け持っているようで、座ったテーブルによって、声を掛けられたり知らん顔されたりする。

                    *

   従業員の多くは、隣国ポルトガル人。
 昔は、逆だったのに。
 お金は全て、主人が管理している。
 レジはなく、勘定は全て主人がテーブルまで出向いて済ませる。
 さしずめ、主人は歩くレジとでも言おうか。

   親父がテーブルに来ると、食べたものを申告する。
 親父が料金を計算して、客から料金を集め、親父のポケットに滑り込んでいく。
 つり銭も、親父のポケットから出てくる。
 いつも、白い割ぽう着を着て、常にお金を滑り込ませたり、出したりする為か、ポケットの周辺はいつも黒ずんでいる。

   テーブルに着席すると、まずテーブルクロスを交換してくれる。
 白い紙製のテーブルクロスだ。
 使い捨てなんだろう。
 テーブルの上に、赤いクロス、その上に白い紙のテーブルクロスを敷く。
 そしてまず、スプーン・フォーク・ナイフにナプキン(紙製)、そして小さなパンがいくつか載せられた籠が運ばれてくる。

   目の前に置かれたパンをかじりながら、スープ(スパ類、スパ・デ・コリコス他)を注文。
 スープの次は、メイン・ディッシュ。
 第一から第十まであって、パエリャ(海の幸が入った焼き飯、黄色っぽい色をした長い米)やトリティ-ジャ・エスパニョーラ(オムレツ)、サラダなどが美味い。

   スープが15~20pts(≒72~96円)。
   メインが30~50pts(≒145~240円)。
   パンが6pts(≒30円)。

   二品以上注文しても、60~80pts(≒288~385円)で食事が出来る。
 慣れてくると、食事が終ると、白いテーブルクロスに、自分で料金を計算して書き込むと、親父がやってきて現金を支払っていく。
 親父の計算する手間を省くのである。
 親父は信用して、再確認はしないから、我々との信頼関係が成り立ったと言う事だ。
 日本人旅行者は金持ちが多いので、親父も信頼しているようだ。

   テーブルクロスに書かれた金額を、そのまま信用しテーブルに置いたお金を拾い上げると、ニッコリ微笑むのだ。
 身体が大きいのに、笑顔が可愛い親父。
 一週間も通うと、注文する料理名と運ばれてくる料理が、一致するようになり、食事につては文句のない、マドリッドの生活になってくる。
 このマドリッドに来た当事は、スープ一杯で満腹感を覚えていたものだが、今ではスープにメインを必ず取るようになってしまった。
 それだけ、贅沢になってしまっているのだろう。
 貧乏旅行と言うのに。

                           *

   食事を終えると、Barに入って、カフェ・コン・レチェ(コーヒー・ミルク)13~15pts(63~72円)とかビール9~12pts(43~58円)を飲んで、「チンチン」(我々はそう呼んでいる)と言うゲームで時間をつぶすのだ。

   昨日の夜は、長谷川さんも石川君も、グラナダへ向けて出発していった。
 お母さんもケンさんと一足先にグラナダへ。
 池田夫妻もピソへ引越し。
 2~3人、新しい人も入ってきたけど、昔のようにテーブルを囲んで、夜更けまで騒ぐと言う事も出来なくなった。
 薫さん、充子さん、そしてイギリスからスペイン語を勉強する為にやって来たと言う、二十歳の(旭川市出身)娘さんと言う女性軍ばかりが残ってしまった。

   夜も、ゲームは行わず、女性達三人と雑談して過ごす事が日課となった。
 午前1時半頃にはベッドに入ると言う、健全な生活に戻っていったのだ。

                     *

         ≪家計簿≫

            夕食代101pts(≒485円)
            宿泊費125pts(≒600円)
            絵葉書10枚60pts(≒288円)
            切手2枚48pts(≒230円)
            昼食代71pts(≒340円) 

                     計 1943円也   

                     *

                       ≪一月十一日≫    -壱-


                ≪家計簿≫

           切手代19枚    190pts(≒912円)
           薬(コルゲート) 25pts (≒120円)
           替え芯15本    30pts (≒145円)
           スライド20枚   215pts(≒1030円)
           チケットの予約  30pts (≒145円)

                     計  2352円也

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