バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

≪Narvikの街上陸≫






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 我々の乗ってきた列車は、

しばし休憩してまた南下するUターン列車なのだ。
15:00出発と言う事なので、
暗くてわからないが、街中をぶらついて見る事にした。

さっきの日本人に荷物を見てもらう事にする。
(この頃、人を疑う事をすっかり忘れてしまっているようだ。)
荷物から、カメラを取り出して駅を出る。

ちょっとした坂道を登ると、
橋(列車が渡る)の方から、小学生ぐらいだろうか
急ぎ足で家路についている集団を見かけた。

カバンを背負い、白い息をはきながら、
楽しそうに笑っている。

きっと、日本の小学生達と同じ話をしているに違いない。
寒さで赤みをおびた、雪のような白い顔が、
北欧人らしい顔立ちを思わせた。

坂を上りきると、橋を渡って右へ行くか?
左へ行くか?迷っている。
下へ降りる道を選ぶ事にした。

この頃になると、だんだん冷気が厳しさを増してくる。
まるで、冷凍庫の中を歩いているようだ。
地元の人達は、みんな手袋をして皮の上着を着ていて
完全防備なのに比べて、俺と言ったら・・・・
夏服にマフラー、その上にアフガンコートだけと言う
いでたちなのだから、非常識と言わざるを得ない。

なんとも可愛そうな・・・・惨めな格好でいるのだ。
寒いと言う表現では伝わらない寒さ。
手袋や耳当てをしていないため、切れるような痛みが
襲ってくる。
熱を帯びた痛みが、露出している皮膚を襲ってくる。

カメラで街の風景を撮ろうと、シャッターをきるのだが、
寒さのためシャッターが動かないではないか。
暗さのせいか、寒さのせいか・・・用をなさない。

ここから見える山の斜面は、スキー場のように
平らな急勾配になって見える。
灯りが灯っていて、霞んで見える。
しかし、滑っている者は誰もいない。
スキー場ではないのだろうか?

港らしき所まで、降りていくことにした。
港らしき所には、大型の機械やクレーンが並び、
稼動しているようにも見える。
ここが港町だと言うことを教えてくれている。

Kirunaから、鉱物資源がここまで列車で運ばれて、
ここから船で南ヨーロッパへと運ばれていくのだろう。
列車は、Bodφが終点?
Narvikへは車で行くことになる。
もうすぐ北は、北極圏だ。

        *

港近くに下りて、近くのスーパーで食料を
調達することにした。
今の俺の装備では、一時間外に出ると言うことが
ちょっと無謀であると言うことが
少しづつわかってきた。

町の散策や食料の調達を30分ほどで切り上げる。
駅に戻ってホッとするのだ。
イタリアの駅で野宿した寒さとは
比べ物にならない寒さを体験できた。
こんあところで野宿することは、死を意味するのだ。
細胞が凍りつくのかと思うほどなのだ。

冬の装備をまったくしていない以上
ここに滞在することは、危険を感じて
14:40 列車で知り合った、柴田さんと一緒に
南へ下る列車に乗り込んだ。
ホームは一つしかない。

一緒になった柴田さんは、
もう二年も日本を離れていて
外国は何度も足を運んでいる常連さんなんだと言う。
驚くことに、ラップランド(北極圏)を
無謀にも、ヒッチハイクしているベテランで
雪上野宿もしていると言う猛者なのだ。

彼は、フリーのカメラマンで、
某テレビ局に勤めていたこともあったんです。
映画「トラトラトラ」のアシスタントもしたり
料理番組も手がけたり、女優の岡崎由紀さんも
知り合いだと話していた。

列車の旅の途中、いろんな芸能人の事を
語ってくれて、退屈しない面白い人なんです。
この五月に日本に戻り、三ヶ月働いて、
今年の10月またヨーロッパに戻ってくると言って
笑っていた。

柴田「30歳を過ぎないと一人前の仕事は
   出来ないよ。それまでは、日本を離れて
   いろんな国やいろんな人たちと交流を持つと言う
   経験を積む事が大事なんだよな!!」
これが、彼の口癖でした。

昨年の三月頃のラジオ番組のデモテープを持っていて
伊藤咲子とか山口百恵などの歌を、列車の中で
涙を流しながら聞いたことは、いつまでも
忘れないことだろう。
ソーセージとチーズを挟んだパンをすすめてくれた。
孤独な旅の途中、やさしく楽しい気の合う旅人に
出遭った事が最高の収穫でした。

柴田「これから、どうするの?」
俺 「イギリスへ渡るつもりです。」
柴田「イギリスね・・・。みんな一度は
   目指すんだね。」
俺 「柴田さんは、これからどうされるんですか?」
柴田「ベルリンに入って、東欧・中近東を回って
   日本だな!!」
俺 「私と逆コースですね。」

いろんな情報を手に入れながら、寝台車にて
いつのまにか、深い眠りについていた。


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