バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

コペンハーゲン駅Ⅱ


何をやろうとしているのか。じっくりと考え直してみる必要がある。
 慌ただしい移動続きの毎日、決して流されることなく、忘れていたことを思い出す必要がある。
 汚れた身体に服、防寒着の乏しい冬のヨーロッパ、満足できない食事。列車をホテル代わりにしている現在。こんなにも苦労していると言うのに、どんどん消えていく軍資金。
 今の自分を包んでいるのは、惨めさだけなのか。
いやそうではない。望んだはずの旅ではなかったか。そんな問いかけが頭中をかすめること自体が、精神的に参っている証なのではないだろうか。
 弱音が見え隠れすること自体、この旅が終わりに近づいている証なのかもしれない。そう思うことで、最後の踏ん張りが生まれてくることを祈っている。

 今14時47分。
駅構内にあるカフェに居る。
ビール1本で、もう2時間半もねばっているわけだ。
一度駅から外へ出たものの、あまりの寒さで、有名な人魚の像近くまで行って、戻ってきてしまった。
 この時刻でも、街は薄暗く、イルミネーションによる時計や温度計がやたらと目立つ街だ。
そして、その中に「くだもの」、「両替所」と言う日本の文字も不自然に目立っている。
ベルリンで見た「替」よりはずっと良いかもね。なかなか街は清潔でストックホルムよりはずっと良い印象の街、コペンハーゲンだ。
              ※
 駅を出て、また左へ歩き出す。さっきと逆方向へ行ってみようと思ったのだ。レストラン「東京館」が見える。中国製のポルノ館と言う文字も見えてくる。
 ひょっとしてこれって、すべて日本のイメージなのかも知れないな。
 「ル・パリ」と言うカフェに入った。
コーヒーを頼んで、10dkrを渡し、お釣りを気にせず受け取ってしまい、後で気が付いた。釣りは2.5dkrしか受け取っていない。俺は確か、10dkr札を渡したはずだが?
あ~あ、後の祭り250円も損をしてしまった。なんとも情けなくなってしまう。チップのつもりで我慢我慢。
 イスタンブールで買ったバックもアフガニスタンで買った毛皮のコートも、相当ガタが来ている。そして、精神的にも少々・・・ガタが来ている今日この頃です。

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