バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

<シンタグマ広場の金太郎>


  小学生の賑やかな話し声が窓の下から聞こえてくる。
 よく言う集団登校なんだろう。
 今の今までこうした声に夢を破られる事など無かったのに、何か落ち着いた気分になっている。
 ベッドの上で一時間ほどボンヤリとして過ごす。
                                                       *

  昨日はほとんど部屋に缶詰状態だったもんで、今日は早速シンタグマ広場へ出向いてみることにした。
 十一月とはいえ陽射しがきつい。
 こんなに太陽がギラギラしているのは何日振りだろうか。
 風もなく、ジッとしているだけで汗が吹き出てきそうだ。

  広場のカフェのイスに座るとすぐウエイターがやってきた。
     「何にしますか?」
     「アイスティ-!」
 ノートとペンをテーブルに置く。
 カフェテラスに座り、広場の前の通りを行き交う車の流れや人の往来をボンヤリと眺めることが日課となっているのだが、今日ばかりは目の焦点がグッと近くになった。
 一つ前のテーブルになかなかの美人が座っているのに気がついた。
 カフェの人たちの目が集まる。旅行者だろうか、一人で日光浴を楽しんでいるからか、入れ替わり立ち代り男達が声を掛けていく。
 そのたびに女は、手を小さく上げて左右に振る。

  目につくのは美人のせいばかりではなさそうだ。
 彼女の服装が・・・・なんとも奇抜なのだ。
 青地に白いストライプが入っていて、前だけを被う金太郎すたいるではないか。
ノーブラで背中は細い紐で軽く結んでいるだけの格好。
 なんとも大胆な服装ではないか。

  ブルーの目が美しく輝き、金髪の長い髪が風になびいている。
 健康的な肌が、太陽の陽射しを一身に浴びている。
 太陽も目が釘付けなのか、動こうとしない。
 俺のテーブルには、ペンとノートがそのまま置かれたまま。
 運ばれてきたティ-もすっかり色あせてしまったようだ。

                        *

  この野外カフェを飛び回っているのは、ハエなど虫達ばかりではなさそうだ。
 初めてギリシャ本土のピレウスに足を踏み入れた時出遭ったあの少女達が今、このカフェテラスのテーブルの間を飛び回っている。

  大きな少女は10歳くらいだろうか。小さい子供達は3~6歳で3人。
 彼女達のせいではないのだが、乞食のような汚い服装でカフェテラスにいる観光客達に近づき、手を差し出して”何か食べるもの頂戴!”と言って歩き回っている。
 ”NO!”と言うと、”何だ、ケチ!”とでも言いたそうな顔をしてまた次のテーブルに向かう。
 誰も相手にしてくれそうもないとわかると、大きな少女が小さい少女達を集めて別な場所へと移っていくのである。

                        *

  その他、この広場にはいろんな人たちが居る。
 この広場の隅っこには公衆便所があり、(大便はいくらかお金を徴収される。)夕方入ると実に多くのホモ達に逢える。
 いつ行っても、それらしいおじさん達が数人居て、○○○を出したままウロウロしていて、一向にトイレを出ようとしないのには参ってしまう。
 それどころか、中に入って用を足そうとするとおじさん達の目線が集まり、一人のおじさんが擦り寄ってきて、何に手を出してくるのだ。
     「何すんねん!」
 日本語で怒鳴ると、変な目をして今度は隣の毛唐のほうへ行く始末。
なんとも気味の悪い便所である。

                        *

                    ~~ATHENS NEWS~~

       *シンタグマ近くで、日本語の講習会が始まった。

       *”日本の街に炎の大惨劇!”
          東京の北西にあるSAKATA CITYとか書かれていた。

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