バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

アテネの売り子



  曇りがちにて部屋で旅行記を執筆中。
 15:30、ショーン、リッチ等三人がアテネを発った。
 またこの部屋も三人になってしまった。

  アテネの街を歩いていると、いろんな変わった売り場に出合うことがある。
 歩道の脇に日本で言えばキヨスクのような売店がいたるところで店を開いている。
 土産物や食料品、書籍、新聞、絵葉書・・・・とありとあらゆる小物が所構わず並べられている。

  そして移動パン屋さん。
 一つ3Drの丸い輪の形をしたごまパンを腕に通して、歩きながら売っている。
 焼き栗とならんでアテネの名物売り場と言っていいだろう。
 これがなかなか美味で、少々硬めのお菓子のような?パンで、ゴマの風味がなんと言っても香ばしく、毎日と言っていいほど食していて飽きがこない。
 美しいギリシャ娘が一つのゴマパンを腕に通して、もうひとつのゴマパンをかじりながら歩くさまは決まっている。

  どこかの国のように、「歩きながら食べるとは何ですか!」と言う躾はこの国には似合わないようだ。
 それどころかゴマパンや焼き栗を歩きながら食べるのが一つのファッションになっているのだ。

  もうひとつ忘れてならないのが、宝くじ。
 これも至る所で売られている。
 売店形式のものや竹のような棒切れに宝くじの紙を挟みこんで売り歩いている。
 日本のように売り出されると、店の前にならんで買うという光景ではなく、ストリートセールスよろしく歩きながら二三枚ずつ根気よく売りさばいている。
 宝くじを束にして売っている人、洗濯バサミで一枚ずつ挟みこんで売る人、様々な工夫をしながら売り歩いている姿をあっちこっちで見かける。

  プラカ地区では、運がよければ昔ながらの手動式のレコードを回しながら歩いているおばさんに出会うこともある。
 その他にも、天気がよければ休日の広場などで、力自慢のおじさんが54枚のトランプを重ねたまま四つに引きちぎって見せたり、鉄棒を曲げて見せたりして商売にしている。
 要するに大道芸人たちが集まってくる街でもあるのだ。

  そんな大道芸人を見て歩きながら、いつの間にか黄色く色づいた木の葉が散っているさまを見、落ち葉の絨毯が敷き詰められた歩道を歩くと、300日が晴天と言われるアテネにも何の知らせも無く冬のヨーロッパが忍び寄ってきている事に気づかされる。

  これから冬を迎えるヨーロッパ。
 夏服しか持っていない俺にとって、日本からの数枚の冬服が届くのを待っている次第なのです。
    「買えばいいじゃないか!」
 などと言う人もいらっしゃるでしょうが、そのお金も持ち合わせていないのが現実なのです。これからのヨーロッパ厳しそうです。


         (牛乳7Dr、ビスケット13Dr、サンドイッチ15Dr)

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