バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

読書に飢えている!



  大使館にて、小包を受け取った。
 小包を受け取る所は、別にあるのだが、この小包はどういう訳か大使館宛てに来ていた。
 受け取る時、「ノー・タックス!」と言いながら、20Dr(160円)徴収されてしまった。

  小包を見てみると、封が切られている。
    「小包は、渡す前に封を切って中身を確認するんですか?」
 と、俺が問い詰めると。
    「開封は、郵便局でやったんじゃないですか。」
 との返事。
    「そんなことある訳ないじゃないか!郵便局のせいにするつもりですか?」
    「ええ?」
    「確認しますよ!」
    「どうぞ!」

  小包は田舎からだった。
 中には、井上靖著の本が4~5冊、北杜夫著の本が2冊、そしてどういうわけかドストエフスキーの”白痴”の下巻だけが一冊紛れ込んでいる。
 その他に英和と和英の辞書も入っている。
 その他に石鹸が四箱。
    「石鹸より、歯磨き粉の方が良かったかな。」
 井上著の”敦煌”は残念ながら入っていなかった。

  これら全て、自分が手紙で送って欲しいと言ったものばかり。
 冬服と一緒に入っていた。

  そして今日から、イビキノの凄いギリシャ人が同じ部屋の住人になった。


             ≪十一月十四日≫

  日曜日、久しぶりの快晴で初夏のような暖かさで、人通りも多く、オリンピック競技場ではマラソン大会が行なわれているようだ。
 シンタグマ広場では、日本の新婚さんと中国服を身に纏ったツアーに出会った。

             ≪十一月十五日≫


  「白痴」、「奇病連盟」を読み終え、「幽霊」を読みはじめる。

             ≪十一月十六日≫

  井上靖著の「ある偽作家の生涯」・「蒼き狼」を読みきった。

             ≪十一月十七日≫

  夕方よりシンタグマ広場にて、何やら集会があったようで、ギリシャ国旗を持った集団がわけの解らない言葉を連呼して練り歩いている。
 取り巻く野次馬の数も増えるばかり。
 道路は閉鎖され、歩行者天国の様相で警官の数もおびただしい。

  映画館に入る。
 映画は、ロシア映画で、字幕がギリシャ語。
 聞こえてくるのはロシア語でかいもくわけのわからない映画を観てしまった。

  そして今日、オランダ人がまた一人この部屋の住人になった。


             ≪十一月十八日≫

  井上靖著「額田女王」、「憂愁平野」を読みきる。

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