バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

バックパッカーの旅Ⅱ(欧州~北アフリカ~欧州~日本)

クリスとドゥ-シュン!



  部屋に戻る。
 ショーンの声が聞こえてきた。
 ショーン「ハロー!ヒガシワ!ハワーユー!」
    俺   「ハロー!I’m fine!Outside very cold!」
    ショーン「Oh!Yes!」

  キッチンに下りて、グリーンティ-を入れていると、マスターが顔を見せた。
 マスター「ハロー!Mrヒガシワ!How are you!」
 マスターのニコニコした顔である。
 停電中で、キッチンの中もガスの青白い炎がゆらゆら揺れている。
    俺   「ファイン!」
    マスター「ヒガシワはいつまでここに居ますか?契約は28日までですが・・・延長しますか?」
    俺   「30日に発ちます!ですから29日まで置いてください。」
    マスター「OK!OK!」
 鉄臣から貰った日本茶もなかなか活躍を見せている。

  部屋に戻って、リッチとショーンにジャパニーズ・グリーンティ-を勧めると、リッチが白ワインを買ってきた。
 そうしているうちに、ドゥ-シュンが帰って来て、全員が部屋に揃った。
 日本から持ってきたラジオ(パルサー)は、電池を交換してやっと快調に音楽を流し続けている。

  やっと電気に灯りがついた。

  夕方、ドゥ-シュンが起き出してきて、ニコニコしながら・・・・・。
    ドゥ  「Tea-Timeにしよう!」
 ショーンもアラビックも下のキッチンへ。
 まだ雨が降り続いていて、夜の冷え込みも一段と激しさを増しているようだ。

  キッチンに下りると先客が居た。
 オーストリア人のクリスだ。
 正確には”クリスチーナ”と言う、若く愛らしい女性で、ドイツ語と英語を自由に操る才女。
    俺  「ハーイ!クリス!」
    クリス「ハーイ!」
    俺「クリスはいつまでここに・」
    クリス「まだ決めてないの!ウィ-ンに戻るつもりだけど。」

  冬になると、こういう目的をもった学生達が、随分とここギリシャに流れてくるのだとか。
 ドゥ-シュンの通っている、語学学校にも日本女性達が五人ほど通っていて、ギリシャ語を勉強に来ているのだと言う。
    ドゥ 「ヒガシワもどうだ?」
    俺  「I have no money!」

  ショーンも史科専攻の学生で、勉強を兼ねてのギリシャだと言う。
    ショーン 「カナダに帰るのは、来年の四月かな!」
 ユーゴスラビアのドゥ-シュンとオーストリアのクリスはドイツ語・・・・俺にはトンと解らない。
    俺    「ショーン!今度はいつ出かけるの?」
    ショーン 「日曜日に再度イスラエルのキブツへ行く予定だけど。」
 今日は寒い中にも暖かいココアの”Tea-Time”でした。

  夕食の為、トーストを買いに外へ出る。
 ”Toast屋”には、二人のギリシャ娘に替わって、おっさんが一人で店番をしていて、「Very cold!」と店に入るなり英語で話し掛けてきた。
    おっさん 「ユーは、空手かカンフーをやっているのか?」
    俺    「日本人だから当然、・・・・・・空手をやってるさ!??」
    おっさん 「アテネには、たくさん道場があるんだぞ!」
 そういって、おっさんは笑った。

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