「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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教育・子育て
『十歳のきみへー九十五歳のわたしから』日野原重明
『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子
『できる人の教え方』安河内哲也
『日本語はなぜ美しいのか』黒川伊保子
『友だちいないと不安だ症候群につける薬』齋藤孝
『大人が子どもを壊すとき』今一生
『「死」を子どもに教える』宇都宮直子
かげ山英男『奇跡の学力 土堂小メソッド』 文藝春秋
百ます計算でおなじみのかげ山先生(かげの漢字が出ません)の本、昨日たまたま行った本屋さんで見つけて思わず買ってしまいました。そして昨日今日と子どもが寝ている合間をぬって一気読み。
けっこう大部でしたが読みやすくて、早かったです。
土堂小では校長という立場で、しかも文部科学省の指定校ということで、今までのものにとらわれない、自由な実践をされていること、いいなあと思いつつ、とても勉強になりました。
百ます計算、辞書引き、漢字前倒し、歴史プリント、また3人の先生による寄稿、実践に裏打ちされた勢いというか、力強さを感じ、なんだかこちらも力をもらうといった感じでした。
今は障害児学級の担任なので、うちの子達にはどんなことができそうかな・・・と考えながら読みました。
第4章で書かれていたことが考えさせられました。
(不登校、校内暴力、学力の低下などの)
そうした問題が表面にでてくる以前に、それにつながるもっと大きな問題が水面下で生まれていたのです。
それは子どもたちの生命力の低下です。言い換えると子どもたちの「元気さ」、生きる力そのものの低下です。不登校や校内暴力の増加も、学力の低下も、それだけが単独で存在するのではなくて、子どもたちの底力というか、生命力そのものが衰えてきた結果であると、私は感じています。
そして子どもたちの体力が下がり続けていることについてのデータから、何か関係がないかと危惧しています。
体力の低下。食事、遊び、運動の変質。
生命力。生きる力をつける。
最終的に行き着くところは、そこですよね・・・。(2004.5.16)
『子どもたちはなぜ、9歳で成長が止まるのか』
この本の著者・三沢直子さんが、NHKの子どもの問題に関するスペシャルなどで、描画テストの分析をしているのを見て、興味を持って買った本です。
テレビでも紹介されていた描画テスト(家と木と人を入れて一枚の絵を描く)のことが、よりくわしく説明されていました。
1981年の調査と1997~99年の調査を比較して、
「統合性」という面において、発達が9歳(小学3年生)でとどまっている子が増えていること。
ゲームをする時間が多い子は、非現実的な描写が多いこと。
棒人間は実在感の希薄さの表れであること。
サイズが小さく、生活感のない機械的な絵が増えていること。
破壊的、衝動的な絵が増えていること。
などの、描画テストに表れている、今の子どもたちの心の問題について説明されていました。テレビでの説明よりくわしいのでよくわかりました。
もちろん、描画テストで子どもたちの心が確実に見えるわけではないですが、一面を見せてもらった気がしました。
確かに子どもたちの絵が稚拙になっている感じは否めないですね・・・それが今の図工指導の影響があるのかどうかも考えたいですが。
子どもたちに影響を与えてきた社会のありようや、男女分業でなく男女協業への呼びかけなど、これからどう考えていけばいいかということも述べられていました。
でも描画テストに表れたような問題を抱えている子どもたちに対して、今どうしていったらいいかということについてははっきりしなかったような気がしました。それぞれの分野で手を打っているだろうなとは思うのですが。
働いているお母さんがうれしくなるようなデータがのせられていたのは励みになりました。
さすがワーキングマザー経験者だけあるなあ、どんどん書いて!とそこはうれしくなりました。(2004.9.30)
『Q&Aこころの子育て』 河合隼雄
子育てについての本ですが、著者もおっしゃっているように、ハウツーものではありません。どちらかというと、心構えをどう持っておくべきかという部分で、なるほど~と思います。
印象に残った部分を少し・・・。(読みやすいように、改行は私がやりました)
子どもはお父さんのことが知りたいんですよ。
おもしろいもので、人間というのは、相手がまるごと見えていれば、その人がちょっと失敗しても、「まあ、ええか」と思えるわけです。
だからまるごとを見せてこなかったお父さんに対して、思春期の子どもが突きつけてくるものは厳しいです。
親父にとっては革命みたいなことです。
「お父さんはどう思う?」と言われて「うーん、そうだなあ、みんなはどう思ってる?」とか言うから、ガーンと殴られたりする。
子どもは「まるごとのお父さん」を知りたいんです。
そのときに「子どもの意志も尊重しなければ」と逃げてしまう人も多いです。
でも民主主義というのは、「子どもも言うてよろしい、ぼくも言いますから」というものでしょう。
それぞれの持っている自由意志を尊重するということです。
それだったら、子どもの自由意志だけじゃなくて、お父さんの自由意志も、お母さんの自由意志も、尊重しなければダメでしょう。
子どもの自由意志を尊重するために、お父さんとお母さんはじっと辛抱する民主主義なんて、聞いたことありませんよ。
だから、言ったことがあります。
「今は民主主義の時代だから、子どもの言うとおりにします」という父親に、「そんなことは全然民主主義ではありません。民主主義から外れている人はあなたです」って。
父親は、自分自身の意見を全然言ってない。「まるごとのお父さん」をやっていない。
別に「お父さん」の部分を協調するのではないのですが、「子どもの意志」を尊重するなら、「自分の意志」も尊重しないとダメだ、それが民主主義だ、というところにはげしく共感しました。
対等であるということの意味・・・大人として、しっかり考えておくべきことだと思いました。(2004.11.30)
『12歳からのマナー集』 多湖輝
12歳からということで、中学生・高校生向けと思いますが、自分が読んでも、なるほどすっきりした説明でわかりやすいなあとおもいました。1ページに1項目なので、さらに読みやすいし。
特にインターネットのマナーについて、詳しく書かれているのはとてもありがたいです。
また「なぜ人を殺してはいけないか」についても書かれています。
いろいろ腑に落ちた文章がありましたが、その中からひとつ抜きます。
相手の悪いところはすぐに目につきます。理由がいくつかあります。
ひとつは、誰でも欠点の一つや二つもっているからです。そうです、キミにもあります。もう一つの理由は、キミが相手にやさしい気持ちをもっていないからです。
キミには大好きな人がいますね。その人の欠点はなかなか見つからない。相手に対してやさしい気持ちをもっているときは欠点が気にならないのです。つまり、人の欠点が見えてしまうときは、その人に対してやさしい気持ちを失っているときなのです。
相手のいやなところが目に付きだしたら、自分のこころがマイナスに動いている証拠だと思って自戒しないといけませんね。
こころを映す鏡かなあ。(2004.12.1)
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