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2009.04.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類


毎日、母と戸外を歩き回っています。
どこも春の花が咲き乱れて満開です。
080604_180210.jpg



でも母との話は夫の話ばかりです。

どこへでも3人一緒だったのでどこへ行っても夫の存在は消えることはありません。
どこでも寝転ぶところがあったら寝込んでいた夫。
座る場所を見つけては座り込んでいた夫。
家で待っててと言っても着いてくると聞かなかった夫。

ほんとにがんばり屋さんでした。

とくに思い出すのは
夫が最期に流した涙です。

人間とは・・・生死を彷徨っているとき・・・自分が死ぬことがわかるのでしょうか?

病院から呼び出しを受けて病室に駆けつけたとき
個室に移されて脳波計や血圧計に監視された夫を見て
「もうだめなんだ。いよいよ来るときが来た」
と観念した私は
それでも夫にがんばってとは言えませんでした。

かけた言葉は
「もうがんばらんでええよ。
ありがとう、幸せにしてくれて・・」

そして気になったのは夫を囲んでいる数波計でした。

刻々、めまぐるしく変わる数字

0になったらこの人の命が終わるんだ。

今、何かを伝えなければ・・。

私はありがとう!ありがとうと繰り返しながら
焦りました。
そしてさらに付け加えました。
「天国に行ったら・・・後からようこも行くから
そのときはようこを迎えに来てね」

その後でした。

夫は何かを言おうとあごを激しく動かしたんです。

そして
一瞬間でした。

夫の体中のすべてが止まりました。

血の気がさっと引いて明らかに死体となったんです。

その変化が今でも脳裏にこびりついています。


歩きながら考えるのは
あの時、夫は自分が死ぬのがわかったのだろうかと言う疑問でした。

父は私が感じた限りでは一週間前から死ぬのがわかっていたと思います。
それは目の奥から放つ強烈な光でした。
奥深いところの目で今生の別れと悟ったような目つきでこの世のすべてを食い入るように見定めていました。

もし夫が自分はもう死んでいくのだとわかっていなければ
家に帰りたかった夫のために「家に帰ろうね」とか・・・「元気なってまたもとの生活をしょうね」とか言ってあげればよかったと・・・。

夫に最期に・・・もう死ぬことを教えたみたいで
後悔にも似た感情を抱いてしまったり・・・複雑な気持ちが
次から次に襲ってくるのです。

人生の最期だったとしても・・・自分がもし、死んでいくことがわからなければ知らないまま息を引き取った方が幸せだったかなと・・・・
死ぬとかではなく「家に帰るんだ」
と思いながら知らぬ間に逝ったほうが幸せだったかなと毎日、歩きながら考えたりします。

ひめようこの脳裏には後悔だったり、夫の残した言葉だったり、私の相変わらずの独り言が続いています。

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連載小説 「裏庭の白百合」はこちらから


http://ameblo.jp/himeyouko/












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最終更新日  2009.05.01 22:02:07
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