2001年宇宙の旅

















































2001年宇宙の旅

この映画、はっきり言って私が今まで観た映画の中で一番大好きな映画です。
たぶん、これからも私自身の中ではこの映画を越える作品は出てこないと思います。
この映画の中によけいな言葉は一切ありません。事実、152分の上映時間のうち台詞があるのはわずか46分のみです。言葉では言い表せないような圧倒的なイメージが突き刺さってくる、そういう感じでしょうか。

私が映画を好きになったのもこの映画を観たからかもしれません。「映画って、凄いことが出来るんだな。」と衝撃を受けたのを思い出します。
初公開されたのが1968年、人類の月面初着陸がその翌年。当時、リアルタイムでこの映画を観た人達は映像的にもかなり驚いたのではないでしょうか。

この作品がその後の映画やドラマ、小説などに与えた影響は少なくありません。もし、この映画をまだ観たこと無い人が初めて見たとしたら、何処かで見たシーンだなと感じる場面がきっといっぱい出てくるでしょう。それだけ、この映画で使われた演出やカメラアングル、音楽の使い方、特撮技術、テーマ性、などなど多くのモノが以降の作品達に流用されています。

最近では、「マトリックス」がそうですね。日本では、「機動戦士ガンダム(1st シリーズ)」などは、作品そのものが影響を受けています。この映画での有名な場面を一例上げると、映画の冒頭のシーンで人類の祖先である原人が長さ40センチほどの白い骨を空高く投げ上げます。その骨は、高く、高く、空を舞い上がり成層圏を突き抜け、宇宙を静かに優雅に進む白い宇宙船となって場面が切り替わります。このワンシーンで、原人から未来の宇宙船が飛び交う時代までの人の進化を表現したのです。しかも、この原人が投げ上げた骨は、縄張り争いをしている敵対するグループの猿を殴り殺した人類にとって初めての道具であり、武器であったのです。原人は勝利に喜びその骨を高々と投げ上げました。
今現在、人類の科学技術も多くの戦争のために開発された技術をベースにしている部分が多く、それらの皮肉な部分の怖さや、恐怖、文明の危うさみたいなものをこのワンシーンだけで表現して描ききってしまったキューブリックの演出にはただただ驚くほかありません。

この映画は、余分な言葉や説明が無い部分で、難解だとか、観る人によっては退屈だとか感じるかも知れません。しかし、観る人によって受け止め方や感じ方が全く違う結果になるということこそ恐らくキューブリックの狙いだったように思います。制作者側の押しつけがここまで排除された映画を私は知りません。それだけ、私にとっては大きな価値在る映画なのです。
(この文章は、2000年03月に管理人が書いたものです)
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