◆ラテン旦那と大和撫子妻◆

Part5


Drinkを使ってup,outを書きますね。

前回のおさらいですが、「素早く、どちらの方向へも」がOffの離れ方,離し方でした。

*Upはどうでしょうか?

Upは日本語では「上に」と訳しますよね。そう捉えてしまうから英語の使い方が解らなくなってきちゃうんです。

Upの本来の意味は、「完全な状態になるまで、その不足を縮める」と言う事です。

Outは「外へ」と言う意味もありますが、大事なのは
「完了した、完結した」と言う語彙です。

Drink up は「残っている液体をすっかり飲み干す」事で、

Drink out は「全部、飲み終える」という風になります。

試しに、fillとfinishを使ってやってみましょう。

今、貴方は何かの紙を渡されました。
Blank(余白になっている部分)に、必要事項を書き入れなさいと言われました。

その時は、「Fill in those blanks.」

暫く経って、「Have you finished?」(もう終わりましたか?)
と聞くので、「Not yet.」(未だです。)と答えました。

相手は「Well,fill that up quickly.」(早く余白を埋めてください。)と催促します。

又暫くして、「You have finished it up by now.」(もう、出来ただろう)

そこで貴方は、「Yes, I've filled out all the blanks.」
(はい、全て書き終えました)となります。

書類の場合だと、
fill in、 fill up, fill out 
「記入する、残りの余白を埋める、全部書き入れる」
という順番になりました。


次に、drink down,drink away,drink at に行きましょう。

drink down は「飲み下す」ですが、drink down sorrowとなると、比喩的になって「悲しみを飲み下す」即ち、「悲しみを酒で紛らす」になります。
これを、“drink off sorrow”と比べてみると、

“drink down sorow.”の方は、「しみじみと、一人酒をチビチビやりながら、失恋か何か、悲しい胸の内を紛らわせて居る、ネクラな感じ」。

ところが、“drink off”は、ネアカというか、気持ちの切り替えが早いというか、ともかく「悲しみなんか、一杯やって、吹き飛ばせ」と、元気が良い感じ。

又、“drink down” の目的語に人が来ると、
「その人を飲みつぶす」という意味になります。

“drink myself down"(自分で飲みつぶれる)

drink him down のように、彼に酒を飲ませておいて、下へ落とす、即ち飲みつぶすという表現からも、英語の持つ一般的な性格が浮き彫りにされます。

動詞で先ず大雑把な行為や状態を示しておき、

次に、前置詞を使って既に前で表された行為や状態の方向、速さ、結果、継続など、より詳細な情報を捕捉させている点です。

勿論これに、副詞の補足的働きが加わって、いっそう明確なメッセージを与える事が出来るわけです。

「drink him down accidentally on purpose」という文章で分析すると

drink himで、drinkという動詞の働きで、奴に酒を飲ますという意味が最初に形成されます。

そして、downで、じわりと(downはoffよりスピードは落ちます)方向としては下へ、しかも結果としては落とす事で、速度と、方向、結果を前置詞が指示しました。

最後にどのような狙いで行ったかを、副詞句の“accidentally on purpopse"(偶然を装って、実はわざと)が、説明につとめています。

という事でこの文章は、

「そ知らぬふりをしてジャンジャン相手に飲ませ、飲みつぶれさす」という意味になります。

これに似た形でイディオムの
“drink someone under the table”を見てみます。

先ほどの様に、誰かに酒をジャンジャン飲ませて、最後にはテーブルの下へ落とす、という事だから、やはり「飲みつぶす」という意味になります。

ちなみに酒を飲ませて誰かを酔っ払わせるのは、
“drink someone drunk ”となりますが、このdrunkも結果を示しています。

“drink away one's reason"はどうでしょうか?

意味は「酒を飲んで理性を失う」という事ですが、もんだいはこの“away”です。

awayは、速度としてはoffより遅く、距離としてはoffより遠い感じがあります。
「自分の見えないところに行ってしまう」というニュアンスがあります。

だから、「余り飲みすぎ、ついに理性を失ってしまう」という事で、これがもし、“drink off one's reason"だとしたら

「一杯ひっかけてすぐに、理性を吹き飛ばす」という感じになってくるわけです。
でも、相当に特殊な強い酒じゃないと、ちょっと不自然ですよね(笑)


Part6 に続く!




NEXT

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: