スペイン旅行(13)



アラブの世界では水は貴重だったので、泉や噴水は権
力の象徴だったらしい。

殆どの部屋には、石像やブロンズ像は無く、床面にアラ
ベスク模様のタイルが貼ってあるか、大理石が敷き詰め
てあるだけである。 というのは、偶像崇拝を禁じたため
像は無く、床には絨毯を敷いていた。

一部の部屋だけ、泉があったり、暖炉があったりする。
例外は、ワシントン・アーヴィング(1783-1859)が1829年
に滞在した部屋で、彼が使用した木の机と椅子が残され
ている。彼が滞在した当時は、ここを訪れる人は希で、村
人や放浪者などが住んでいたという。

彼が、アルハンブラ宮殿に滞在した素晴らしい経験と、
そこにまつわる歴史・伝説を綴った紀行文の名作『アル
ハンブラ物語』が、この宮殿を世界に知らしめた功績
は極めて大きい。

さて、高い天井を主に眺めていたので、首が疲れた。と
いうことで、外に出て休憩する。 アルカサバ(城塞)の
塔があり、そこから眺める風景は誠に素晴らしい。

一応、これで宮殿の見学を終わり、次いで、ヘネラリー
フェ離宮に移動する。 宮殿を出たところに、フジの花
が咲いていた。 手入れはされていないようだが、当然
の事ながら、日本でみるフジの花と同じで嬉しくなる。

ヘネラリーフェ離宮

 宮殿の東に、少し離れて建つ「ヘネラリーフェ」は、王
 が政務から逃れて息抜きをしたり、王室の私的な楽し
 みのために1319年に造られた夏の離宮で、庭園の
 美しさで名高い。

すでに可成り疲れていたので、離宮への道は、すぐ傍
といわれても、結構遠かった。 ただ、途中面白い刈り
込みがあり、退屈することはない。

やっと、離宮の裏口に着き、中に入って行く。 辛抱して
来ただけのことはあった。 別世界に来たような安らぎ
を覚えた。 

アセキアのパティオ

 アーチを多用した回廊と、一面の花がよく調和して、見
 応えがある。 全長50mの噴水が展開している。ふん
 だんに使われている水音が、ギター曲『アルハンブラの
 思い出』の原点だろうか。

泉のある居間・アルハンブラ宮殿

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同上壁面

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同上天井

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パティオの噴水

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暖炉もある居間もある

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ワシントン・アーヴィングが滞在した部屋

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アーヴィングが使用した机と椅子

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