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2006.04.02
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カテゴリ: 洋画
イーオン・フラックス

 アメリカの音楽専用チャンネルMTV人気アニメの実写化。メインキャラのイーオン・フラックスを演じるのは、『モンスター』でオスカーに輝いたシャーリーズ・セロン。カリン・クサマ監督は、女子ボクサーが男性ボクサーと一戦を交える、という内容の映画『ガールファイト』も監督した日系人女性。


粗筋

21世紀初頭。人類の99%がウィルスにより死滅。ウィルスの治療法を確立した科学者トレバー・グッドチャイルドにより、残った人類はある地域に隔離されることに。トレバーはその後人類の支配者として圧政を敷く。そのまま400年が経過した。
 2415年。圧政を善しと思わない反政府組織モニカンが台頭。モニカンは、代々「グッドチャイルド王朝」を継いできたトレバー・グッドチャイルドを暗殺することに。その暗殺者として選ばれたのが、女性戦士イーオン・フラックスだった。イーオンは、妹をグッドチャイルドの秘密警察に殺されたばかり。復讐に燃えるイーオンは、トレバー・グッドチャイルドがいる要塞に潜入した。
 イーオンは、トレバー・グッドチャイルドを殺す機会に恵まれる。しかし、不思議なことに、直接顔を合わせるのは初めての筈なのに、会った記憶がある。また、トレバー・グッドチャイルドも、イーオンを一目見て「キャサリン」と呼ぶ。トレバー・グッドチャイルドも、初めて会う筈のイーオンを知っていたのだ。
 訳が分からなくなったイーオンは暗殺を中止。その結果、グッドチャイルドから追われるのは勿論、モニカンからも裏切り者のレッテルを貼られ、追われることに……。


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感想

様々なサイトの評価は「難しくて分からん」が大勢を占めていた。
 そんな訳で、自分はかなり身構えて劇場に入ったのだが……。
 正直言って、あまりにも単純明快でびっくり。
 この程度を「難しい」と言っていたら、殆どの映画やテレビドラマや本も「難しい」ことになってしまわないか。

 評価する以上、ネタバレとして、作品中の「真相」をまとめてみる。
 作中で、人類の99%を死滅させたウィルスのことはあまり触れられていないが、科学者トレバー・グッドチャイルドが発見した治療法により人類は絶滅を免れた。ただ、トレバー・グッドチャイルドとその関係者以外には知られていなかったが、この治療には大きな副作用があった。
 不妊である。人類は今世代で終わりになってしまったのだ。
 そこでトレバー・グッドチャイルドは、ある応急措置を講じる。残った人類全体をクローンしてしまおう、と。人が死んだら、その人物のクローンが作られるように、と。ただ、それを公にする訳にはいかなかったので、次のような行動に出た:年頃の女性を偽妊娠させ、病院に来院させる。妊娠検査と称して、クローン細胞を胎内に埋め込み、実際に妊娠させる。女性は、産んだ子が自分の子でないことに気付かないままクローンベビーを出産……。
 応急の筈だったこの措置は、トレバー・グッドチャイルドが治療法を見付け出せなかった為、400年も続いてしまった。当然ながら、2415年のトレバー・グッドチャイルドは、400年前のトレバー・グッドチャイルドのクローンである。トレバー・グッドチャイルドは、クローンとして生まれ変わりながら代々治療法の研究を続けてきたのである。
 しかし、トレバー・グッドチャイルドの知らぬところで陰謀が進められていた。400年の間に、人類は不妊を自然完治していたのだ。殺されたイーオンの妹は、実は自然妊娠していた。殺されていなかったら、彼女は400年振りにクローンでない子を産む筈だったのである。
 ただ、トレバー・グッドチャイルドの弟オーレンは、人類がまた自然に子を作れるようになったら、400年にもわたって支配してきたグッドチャイルド王朝は崩壊する、と恐れた。そこで、オーレンはクローンでない子供を生めるようになった女性を秘密裏に抹殺。また、治療法をようやく発見した兄も始末し、自ら支配することを画策した。
 トレバーがモニカンに暗殺されるよう仕組んだのは、オーレンだった。オーレンは、モニカンを利用して、兄を亡き者にしようとした。完璧な計画の筈だったが、モニカンが送り込んだ暗殺者は、実は400年前の初代トレバー・グッドチャイルドの妻キャサリンのクローンだったのだ……。

 ……以上が自分なりにまとめたストーリー。
 書いてみるとちょっと複雑だが、映画を観ているとそう複雑には感じない。
 ただ、ストーリー的に穴は多い。
 クローンを出産していた、となると、子供は母親の子でも父親の子でもない、ということになる。未来の世界では血縁検査をすることはなかったのかね。
 クローンは、当然ながら外観はそっくりになる。400年にもわたって数百万人のクローニングを続けていたら、「なぜあの人とは血縁関係がないのに、死んだ親戚に似ているんだろう?」なんてことになると思うが。
 グッドチャイルド王朝が圧政を敷いている、という設定になっているが、その割にモニカンは簡単にグッドチャイルド王朝の中枢に簡単に忍び込んでしまう。この脇の甘さで400年も持ったとは驚き。
 本作は93分という、比較的短い作品。したがって、グッドチャイルド台頭の背景や、モニカンの背景は、必要最低限しか描かれていない。状況を把握することは可能だが、深みはなく、グッドチャイルド王朝がなぜ400年も支配できたのか、モニカンは結局どんな組織なのか、分からなかった。原作のアニメを観ろ、てことか?

「遺伝子操作による管理社会は絶対悪」で、「遺伝子を操作しない自由な社会は絶対善」という思想を押し付けるのもどうか。そりゃ、管理社会がいいとはいえない。が、現在の社会、というか歴史において社会は多かれ少なかれ管理されている(そもそも「管理社会」という表現は重複しているような)。「自由であれば全てよし」という訳ではなかろう。
 イーオンは「遺伝子操作されながら永遠に生き続けるより、たった一度の人生を精一杯に生きた方がいい」というが、一般人の中にもそう感じない人はいるだろう。自由を主張するイーオンは、本人の思想に反対する自由は与えたがらないらしい。

 本作品の舞台は2415年の未来。
 が、「人類は隔離された状態で400年過ごす羽目に」という設定からか、技術は現在と変わらない感じ(情報伝達法を除いて。薬を飲んで、脳から直接互いとコミュニケート)。93分なので、あまり詳しく描く余裕がなかったこともあるのだろうが。

 主役を演じたシャーリーズ・セロンは、アカデミー賞を受賞するくらいの演技派で、アクション女優ではない。そんな訳で、アクションはどうしても付け焼刃になってしまう。本作では、それをカット割でどうにかしようと試みたようだが、カットのし過ぎで逆に「シャーリーズ・セロン、て結局アクションシーンは一つもしていないのでは?」と感じてしまった。
 シャーリーズ・セロンは、スタイルの良さで抜擢されたらしく、そのスタイルを存分に見せ付ける衣装を身に纏う。それが故にますますアクションシーンに説得力がない。モデルみたいな体系では格闘技は無理なのである。

 本作品は、本国の米国では「マトリックスの女版を狙ったものの狙い通りに行かなかった失敗作」とされている。マトリックス、て世間で騒がれているほど凄い映画とは思えないので、どんぐりの背比べだろう。
 総括的に言うと、SFにしてはぬるく、アクション映画としてもぬるい。
 後に何も残らない、何も残したくない、典型的なハリウッド流娯楽映画。


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Last updated  2006.04.02 14:52:55
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