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2006.11.22
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カテゴリ: 洋画

 鬼才と名高いティム・バートンの監督作品。
 1968年に公開された映画のリメーク。制作者側は「リ・イマジネーション(再創造)だ」と言っているが。
 原題は「Planet of the Apes」。


粗筋

宇宙飛行士が、猿を乗せた偵察ポッドを追跡中、ワームホールのような現象に巻き込まれ、別の惑星に不時着する。そこは猿が人間を支配している惑星だった……。

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感想

前回観たティム=バートン作品は「スリーピー・ホロウ」。面白かったので、今回も期待していたのだが……。
 考えてみると、バートンはダーク・ファンタジー系の作品を得意とする(バットマンやスリーピー・ホロウやシザーハンズなど)。SF映画の監督ではない。いや、SF作品もあるのかも知れないが、印象が薄い。
 本作品は、どちらかというとSF。バートンの手には負えなかったらしい。
 ストーリーにまとまり感がなく、中ダレする。アクションも金がかかっていそうな割には迫力がない。最後のオチも読めてしまい、「結局これかよ」とウンザリした。
 猿の特殊メイクは凄かったが、あまりにもリアル(?)過ぎて気味悪かった。
 最大の問題点は、不要なキャラクターが多過ぎたことだろう。「せっかく登場させるんだから、そいつらが出るシーンも入れなければならない」ということで、無駄なシーンが挿入される。それが中ダレと、ストーリーのまとまり感のなさの原因だ。不要なキャラクターを整理して、上映時間を主要キャラクターに割いていたら、もっとテンポのよい作品に仕上がっていた筈。
 最大の不要キャラは、スーパーモデルのエステラ・ウォーレンが演じる金髪のネエちゃん。何の為に彼女を登場させたのか全く分からない。彼女が出るシーンを省いても、映画の流れに支障はない。それどころか泥だらけで汚らしい人間ばかりの中で、彼女だけが非常に綺麗で美しく、場違いだった。何の為に出てたんだか。
 もう一人の不要なキャラが、金髪のガキ。ハムナプトラ2でもそうだったが、ガキを入れても作品の出来には貢献しない。むしろ苛立ちを募らせる。だから入れるな、ての。今回のガキも「俺も一緒に戦う!」など生意気な口を効きながら、主人公の宇宙飛行士を危機に陥れるのである。「勝手に死んでろ」と画面に向かって叫ぶところだった。
 完全に不要ではないが、何の為に最後まで登場してるのか、と思うのが、「人買い」の猿人。途中からは登場の必要がまるでないのに、登場しているから、そのシーンが映画の流れを乱している。有名な俳優さんかどうかは知らないが、不要になったキャラは不要になった時点でどんどん切り捨てろ。
 その他にもおかしなところが多い。たとえば、主人公の宇宙飛行士は、小型宇宙船を二度着陸させる機会に恵まれるが、いずれもクラッシュ・ランディングで、宇宙船を全損させている。
 奇妙なことに、宇宙開発局によって宇宙船を操れるよう仕込まれたチンパンジーは、小型宇宙船を問題なく着陸させているのである。
 主人公は「人間の仕事を猿なんかにやらせるな」とほざいていたが、そういうお前は宇宙船をちゃんと着陸させられないのだから、猿以下ではないか、と突っ込みたくなった。
 また、何千年前の機器がまるで何事もなかったかのように使用できるのもおかしい。AIでもそうだったが、アメリカ人は現在の電子機器が数千年後もそのまま利用できると本気で思っているのだろうか。
 宇宙ステーションが大気突入できるほどの耐熱処置がしてあるのも不自然に感じた。
 ラスト近くで、猿人と人間の軍が衝突するが、まあ、その人間どもときたら。猿に支配されて当然だと思うほど間抜けで、無反応である。猿に奴隷にされて気の毒、という考えはこの時点で吹っ飛び、その後の壮絶な戦いの行方なんかどうでもよくなっていた。
 ちなみに、衝撃のラストとは……。
 隠さなくても、終わる前に読めてしまうので、言ってもいいだろう。宇宙飛行士は猿の惑星から脱出し、地球へ帰ることができた。
 しかし、そこは彼が知っている地球ではなく、猿が現在の人間のレベルにまで進化していた社会だった……。
「全て夢でした」というのと同じくらいアホらしい、使い古された感のあるラスト。
 この程度しか捻り出せないなら、もっとまともな、素直な終わらせた方がいい。
 オチになっていないオチほど悲しいオチはない。
 本作の出来を、全てバートンのせいにしてしまうのも酷かもしれない。なんせ、この作品、マーケティング・リサーチの産物、という臭いがプンプンするのだ。そうでなきゃ、あれほどまで対立していた猿と人間が、ラスト辺りで「お互い、仲良くしよう!」なんて終わり方になる訳ない。
 映画会社らの幹部(自動車会社の幹部や、出版業の幹部にも当てはまる)は、いい加減に気付いてほしい。マーケティング・リサーチとは、商品を成功に導く数多くの鍵の一つに過ぎず、唯一の鍵ではない。「リサーチではこのようにした方が観客の反応がいいという結果が出ているから、そうしろ」と制作に口を出すのは間違いである。そんなだから、最近のハリウッド大作(そして自動車や本も)は、どんな作品も最終的には金太郎飴みたいに同じもののようになってしまい、味気がなく、期待を良い意味で裏切ることができなくなっているのである。
 この映画のキャンペーンも凄い。コカコーラの猿の惑星ボトルキャップや、スポーツニッポンによる「猿の惑星緊急速報」等々。
 映画が成功するかしないかなんて、ふたを開けてみないと分からないのに、制作者側が「凄い映画なんだ! 必ず成功するよ!」とヒットを確信して大騒ぎしているのを見ると、ウンザリする。
「映画がヒットかどうか決めるのは、公開が終わってからにしないと、後で馬鹿を見るぜ」
 本作品を観てそう思った。


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Last updated  2006.11.22 14:14:59
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