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2006.11.23
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カテゴリ: 洋書

 傑作ハードボイルドシリーズ(と謳われる)のマイク・ハマーの生みの親による中編集。Killer MineとMan Aloneの二作が収録されている。


粗筋

Killer Mine:四件の殺人事件が発生する。銃弾から同じ犯人によるものだと断定される。ニューヨーク市警は捜査を開始するが、スラム街での事件なので住民の協力が得られず、捜査は進まない。そこで上層部はそのスラム街出身のジョー・スキャンロン刑事に捜査に当たれと命じる。殺された4人は、偶然にもジョーの子供時代からの知人だった。ジョーは同じスラム街出身の女性刑事マルタと共に捜査を開始するが……。

 Man Alone:犯罪組織の大物マーカスが殺害された。犯人として逮捕されたのがジェリー・リーガン刑事。賄賂を受け取っていたのがばれるのを恐れて殺した、というのだ。リーガンは法廷で無罪判決を勝ち取ったが、誰もが彼を犯人だと白い目で見る。上手い弁護士を雇えたから無罪を勝ち取れたのだ、と。リーガンは真犯人を突き止める為、証人の女性を自分で捜し出すことを決めた。が、その女性は死体で発見された……。


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解説

この本は数年前に手に入れた。その時点で読み始めたのだが、つまらなかったので読むのをやめ、ほったらかしにしてあった。つい先日旅行中に読む本が必要となり、新たに買うのが面倒臭かったので、ほったらかしにしてあった本書をまた手に取ってみることにしたのだ。
 感想は……。
 なぜ最初に読むのをやめたのか分かった。
 退屈だったからだ。
 いずれも設定そのものは悪くない。書き方次第では非常に面白い作品に仕上がっていただろう。
 ただ、背景が時代遅れな感があるし、キャラクターにものめり込めないし、文章そのものも気にくわない。表紙にはスピレーンの作品は世界で5500万部も売れていると自慢しているが、
 信じられない。
 発表された1965年当時はともかく、今だとこんなのは売れないだろう。といっても現在では1億3000万部にも達しているそうだが……。
 スキャンロンもリーガンも、捜査手法は図体を活かして人をぶん殴ったり、威圧したりして情報を絞り出すこと。絵に描いたようなタフガイで、優秀な刑事とは思えない。
 二人を手助けする女も美人で胸がでかくて世話好きで主人公と恋に陥り……といったステレオタイプ。ジョークならともかく、今はこんな女を登場させる物書きは三流でもいない。
 とにかく古さを感じさせる。
 また、裏表紙で約束されている「どんでん返し」もありふれたもの。
 最初のではベトナムで死んでいたと思ったスキャンロンの兄が、凶悪犯としてニューヨークに戻ってきた。警察に追われていたので子供時代からの知人を頼ろうとしたが、知人はどれもチンピラになっていた。裏切ろうとするので次々殺した。
 次のでは、リーガンに殺されていたと思われていたマーカスは、実は生きていた。マーカスの遺体と思われていたのは替え玉だった……。
 同じじゃないか
 スピレーンのどんでん返し、てどれもこうなのか?
 別のアメリカミステリ作家ローレンス・ブロックは、作家作法の本で、スピレーン小説を誉めていた。特に初期の作品ではシーンの展開が速い、と。ただ、もう一つ付け加えていた:作品そのものはウスターソースの原材料のラベルを読むよりつまらない、と。
 自分は、ブロックの意見は間違っていると言わざるをえない。ウスターソースの原材料を読むよりつまらない上、展開ものろい。
 発表当時は傑作・前進的として賞賛されるミステリも、35年後に読むと古臭いだけの駄作になるようだ。現在売れているミステリで、35年後に読んでも面白いと思われるのはどれくらいだろうか。
 Man Aloneではジョージ・ルーカスという人物が登場する。1965年の作品だから、スターウォーズの製作者とは無関係だろう。登場人物の名も気を付けて命名しないと後に笑い話になってしまう。作家は大変である。



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Last updated  2006.11.23 09:17:59
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