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2006.11.24
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カテゴリ: 邦画

 東宝による二本立て映画の一本。『リング』シリーズで味をしめたらしく、最近はこの時期になると二本立てのホラー映画(ホラー映画擬き)を公開している。『リング』シリーズは高校生に照準を合わせていたが、今年はもう少し上の層を狙ったようだ。


粗筋

四国の山奥にある町に男(渡部篤郎)が教師として赴任した。ふとしたことで和紙造りの女性職人(天海祐希)と出会い、恋してしまう。彼は付き合いを深めようとするが、その女性は拒否する。教師は相手の女性とその一家が町民から疎まれているのを知る。「狗神の血を引いている一族だ。不吉なことは奴らの仕業だ」と……。

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感想

現代日本を舞台にしているのか?
 ……と疑いたくなる内容。田舎の連中は未だにこの手の迷信を信じ、アホらしいしきたりを重んじて生活しているのだろうか(妻が赤ん坊の写真を撮ろうとすると、夫が「何のつもりだ! 魂を取られるじゃないか!」と怒ってカメラを投げ捨てる場面があった)。もしそうだとしたら相当のお人好しである。自民党が田舎の有権者を抱き込んで当選し続けられるのも当然である。
「狗神」による呪いも恐ろしいかも知れないが、迷信を常識として受け取り、それに沿って狂気の言動を繰り広げる連中の方がもっと恐ろしい。それが本作品が伝えたかったことか。
 いやに古臭い雰囲気の映画だなと思ったら、元は小説で、以前見た映画「死国」と同じ原作者(坂東眞砂子)だと知った。道理で四国が舞台な訳である(ロケ現場には岐阜県も使われたそうだが)。この原作者はこのような小説しか書けないのか。あるいは映画化されたのが偶々同様のテーマだったのか。
 天海祐希演じる主人公は、中年女性(四十代以上?)の役だったらしいが、全くそう見えなかった。三十代の女優の髪を部分的に白髪に染めたくらいで「中年女性、出来上がり!」とするのは無理がある。作品内の登場人物が彼女をオバサン扱いするが、違和感があった。というか、映画を観た後に書店で原作を部分的に立ち読みした時点で、主人公が中年女性という設定だったのを知ったのだ。本作品を観る前に「おしゃれカンケイ」で天海祐希を見ていたから尚更である。「おお、綺麗なネエチャン」というイメージが頭の中で出来上がってしまっていたのだ。
 本作品はR-15に指定された。なぜ指定されたのか分からない。過激的な性描写が原因だと聞いていたが、こんなのよりテレビの深夜番組「トゥナイト2」の方がずっと過激的である。
 まあ、出演女優が必要もないのにやたらと脱ぎまくっていた感がないでもないが(主役の妹役がなぜ上半身裸で会話するシーンを導入せねばならんのか分からん。服を着せろ、ての)、全て合わせて二、三分足らずに留まっている。「主演女優天海祐希が初めての大胆な濡れ場シーン!」なんてあちこちの映画紹介番組が騒いでいたが、どうってことなかった。映画全体に何かプラス影響を与えているとも思えず、むしろカットしてR-15指定が取り消されるようにし、より多くの観客に門戸を開いた方が興行的に成功したのではないか(『リング』シリーズも高校生向けに作られたからこそ成功したのである)。
 そもそもヌードシーン、て誰の為にあるのだろうか。鑑賞者の為でないのは確かである。
 以前「タイタニック」でケイト=ウィンズレットの脱ぎっぷりが話題になったが、所詮数十秒。しかし監督ジェームズ=キャメロンが雑誌のインタビューで「ケイトの裸体を一日中拝められた」とゲハゲハ笑っていたのを覚えている。
 鑑賞者は数十秒。監督および撮影スタッフは一日中。しかも鑑賞者の場合はアングルが制限され、場合によってはボカシが入るが、スタッフは無制限・無修正だ。これじゃ、女優が脱ぐのは撮影スタッフの目の保養の為だけではないか。
 つまり製作スタッフが女優に脱げ脱げと迫るのは何も映画の質を向上する為ではなく、自分らが見たいからである。「自分の演技を極める為」と女優が言って脱ぐのは無駄。変態映画スタッフの餌食になってるだけ。易々と脱ぐな、ての。後で後悔するんだから。
 こちらがR-15指定になってしまった為、PG-12指定に留まった二本立てのもう一本「弟切草」が被害を負った。12歳から14歳は「弟切草」は見られるが、本作は見られないので、二本立てにも関わらず一本観ただけで追い出されるのである。
 映画館のスタッフがそんな面倒なことを強制できる訳ない。例えば自分が入った映画館では「弟切草」もR-15指定同様の扱いで、中学生は入場禁止になっていた。
 あらゆる面で罪な作品である。

 原作者の坂東眞砂子は、後に「飼っている猫が子を産むと、その子猫を崖から放り投げて殺している。生まれた後に殺すのも避妊も同じようなものだから」と告白。批難されることに。


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Last updated  2006.11.24 09:53:09
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