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2006.12.04
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カテゴリ: 邦書

 第13回メフィスト受賞作家による第三作。
 前作の美農牛MINOTAURで初登場した名探偵石動戯作と助手のアントニオが再登場する。


粗筋

ある会社社長が、石動を雇いたいという。寺の中に隠されている筈の仏像を探してほしいと。石動は依頼を受けることにした。二人は寺のある福岡へ向かう。
 一方、福岡では奇妙な殺人事件が発生した。死体が身元不明で、現場には指紋一つ残されていないのだ。死体が発見された部屋には生活感がまるでなかった。例外は、黒い数珠……。
 石動は気付いていなかったが、彼の依頼と、この殺人事件は、裏で繋がっていた……。


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解説

背の部分に「本格ミステリ新時代の幕開け」と記されていたので、てっきり本格ミステリだと思って読んだ。
 しかし、本作品はダーク・ファンタジーだった。
 真犯人が妖怪だったのだ。時間を遡って殺人を犯し、石動が犯人だと指摘した人物に罪を着せるのである。
 あまりの馬鹿馬鹿しい展開に本を投げ出したくなったが、その頃には最後辺りだったので、結局読み通した。
 名探偵石動は一見主人公のようだが、実は脇役で、くせ者はアントニオ。妖怪と対決できるほどの力を持っている。が、彼はそんな戦いに関わりたくないと言い、去ってしまう。そこで本作品は終わるのだ。
 最近、この手の「現実的」なキャラが多い。トラブルに直面すると尻尾を巻いて逃走する。現実世界ではそれで当たり前だろうが、フィクションにまでそれを持ち込んだらおしまいである。
「逃げたい! 関わりたくない!」と思っているキャラが、自分の意思に反して事件に引きずり戻される。キャラは逃げたいという衝動と戦いながら事態をどう打開するか四苦八苦する……。
 これがフィクションの醍醐味というか、面白さではないか。
 キャラが「逃げます!」といって著者が「はい、どうぞ!」と応じていては、ストーリーにならない。
 無責任だ。
 それとも次回作で解決が見られるのか? 妖怪が相手だと普通の解決法は有り得ないから、ミステリではなくなっているだろう。読む気がしない。
 本作品で唯一感心できる点が仏教に関する蘊蓄だろう。どうやって調べたんだと思ってしまう。
 時間を遡って既に起こった犯罪に手を加える、という下りは1995年に出版されたコミック「アウターゾーン」のノベライズに収録されていた「DNAの逆襲」でも見られる。オリジナルなアイデアとはいえない。



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Last updated  2006.12.04 17:49:54
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