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2008.10.14
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カテゴリ: 洋画

 大手アメコミ会社マーベルが自らスタジオを立ち上げて製作。
 自ら開発したハイテクの鎧を身にまとい、「アイアンマン」として悪と闘う男の活躍を描く。
 出演者はロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロー、サミュエル・L・ジャクソン(最後にちょい役で出るだけ)。
 原題は「IRONMAN」。


粗筋

億万長者で発明家の軍需産業会社社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、視察に訪れた軍のキャンプでテロリストの奇襲に遭い、囚われの身となった。テロリストは、スタークの会社が作る様々な兵器を保有していた。これを使って新たな兵器を我々の為に作れ、と命令。スタークは、そんな要求に応じたくはなかったが、拒否したら殺されると判断し、応じることに。といっても、応じる振りをしただけで、スタークは有り合わせの器具で強力なロボットスーツを作り、テロリストを倒し、脱出に成功。
 スタークは、自分の会社が製造した兵器がテロリストらの手に渡っていることに衝撃を受け、兵器製造の中止を宣言。
 スタークの会社は大混乱に陥る。
 スタークは、そんなことにお構いなく、ロボットスーツの改良版の製作に着手。スタークは、このロボットスーツを身に着け、「アイアンマン」として悪と戦うことを決意した。
 しかし、最大の悪はスタークの会社内部にいた。
 長年スタークの右腕として働いていた幹部(ジェフ・ブリッジス)が、スタークに何も知らせることなくテロリストなどに不正に兵器を売り渡していたのだ。スタークをテロリストに殺させようとしたのも、その幹部だった。スタークを邪魔だと思うようになっていたのだ。テロリストらは自分らが狙ったのがスタークだと知らされていなかったが、知ってから捕虜として利用しようとしていたのだった。
 スタークは、右腕だった幹部の悪行を告発しようと動く。が、その幹部は、スタークがテロリストらから脱出した際に利用したロボットスーツの設計図を手に入れ、改良し、新たなロボットスーツを製作していた。
 スタークは、アイアンマンとして、ロボットスーツを身に着けた元幹部と戦う羽目に……。


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感想

 日本ではアイアンマンは新しいアメコミのヒーローと捉われているようだが……。
 アイアンマンの初登場は1960年代だから、40年以上前のキャラということになる。
 個人的には、新たなヒーローというより、懐かしさを感じた。

 本作は、典型的な娯楽大作。
 理念やメッセージは何もない。
 あったとしても、少なくとも製作者が意図したものではないと思われる。
 そもそも、中年のオッサンがロボットスーツを着て悪と戦う、なんて設定は、少年向けコミック以外何でもない。

 ……そう考えてしまうと、様々な疑問や問題点も、許せてしまう。
 億万長者が軍需産業を経営しながら、自らハンダを握ってこつこつと作業して様々な装置を自作する、というのは設定としてはおかしい。
 スタークは、ある賞の授賞式で賞を授与されながらも式をすっぽかし、カジノで遊んでいた。非常に無責任。ここまで無責任な人間が会社を経営していたら、会社が傾くのは確実と予想されるが、その様子はない。
 兵器を作りまくればその兵器がいずれテロリストなど不正分子に手に渡るのは、馬鹿でも想像できそうなものだが(旧ソ連軍の自動小銃AK-47なんて典型的な例)、スタークは知らなかったようで、自分の会社の社名が入った兵器をテロリストらが当たり前のように使っているのを見て愕然とする。軍需産業のトップであるにも拘らず、現実というものをまるで理解していない。
 その現実を思い知らされたスタークは、復帰すると直ちに兵器開発の中止を宣言。自身の会社の株価を暴落させる。これも現実を直視していない証。
 ここまでの無責任振りや無知も、20代だったら理解できるが、スタークは少なく見積もっても40代。無責任や無知が許される年齢ではない。
 どんなに手が器用でも、兵器のスクラップからロボットスーツを数ヶ月で製作してしまう、というのも無理があり過ぎる。
 ただ、上述したように、コミックがベースだから、何となく許せてしまう。というか、許さざるを得ない。
 ストーリーはガンガン進んでいるのだから。

 荒唐無稽な設定だが、映像的にはリアリティを盛り込み、説得力を持たせている。
 アイアンマンのメカスーツは、冷静になって考えてみれば現実性はあまりないものの、細かなディテールのお陰で、映画を観ている間は「実現可能なのでは?」と思ってしまう。
 主人公も、20代程度の若者だと「お子様映画」になってしまうのだが(日本の特撮物はその典型。薄っぺらになっている)、主人公は中年男性。一応「人間らしさ」を演出し、それなりの厚みを持たせている。
 大人の鑑賞にも充分堪えられるものに仕上がっている。

 ただ、ベースは少年向けのコミック。
 子供の鑑賞にも堪えられるようでなければならない。
 アイアンマンは人を多数の人間をぶっ飛ばしているものの、特に誰も殺してはいない。殺していたとしても、かなりぼかされており、血は殆ど見られない。アクションは派手だが、残虐性は感じられないのである。
 一部の「いい人」は死んでしまうが、納得がいくようになっていて、胸糞悪くなっていない。
 後味のいいものに仕上がっている。
 ひたすら「大人のスーパーヒーロー映画」を目指したダークナイト(バットマン)とは対照的。
 これは、出版社マーベルコミックス(他にスパイダーマンもある)と、バットマンシリーズのDCコミックス(他にスーパーマンなど)との方針の違いがそのまま出ている感じ。マーベルは「少年の為の健全なコミックス」を出版する一方、DCコミックスは「少年は勿論だが、大人になっても読めるもの」を方針としている。
 こういうこともあって、個人的にはつい先月観たダークナイトより、本作の方が楽しめた。ダークナイトは、「人間性」「作品性」を追求した結果、無駄にシリアスなものになってしまい、「いい年こいた大人がなぜ蝙蝠の格好をして飛び回ってるんだ?」と疑問を抱いてしまった。こちらは「人間性」も「作品性」も無視している為、いい年こいた大人がメカスーツを纏って飛び回っていても、特に疑問を抱かず、目の前の映像を純粋に楽しめる。
 やはりコミックスはコミックスに徹するべきなのである。

 アイアンマンのメカスーツは、格好いいな、と思える部分がある一方、イマイチに感じる部分もある(顔の部分など)。
 これは、アメリカ人のセンスだろう。
 日本人だったらもう少し格好良くできたかも。

 本作は、クレジット終了後にもう一シーンある。
 アイアンマンは、今後ある組織の為に働くことを示唆しているが……。
 続編製作を前提として本作は制作されたことになる。このみなぎる自信はどこから来ていたのか。コケていたらとんでもないことになっていただろうに。

 本作は、上述したように、娯楽作品。
 日本の特撮シリーズを今も楽しめる者は楽しめるだろう。
 が、「そんなのは当の昔に卒業した」という者は、観ても馬鹿馬鹿しく感じるだけ。


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Last updated  2008.10.15 16:06:50
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