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2008.12.11
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カテゴリ: 邦画

 2003年7月にテレビ朝日系で放映された人気ドラマの劇場版。
 柳沢きみおの同名コミックが原作。
 昼間はさえない窓際係長、夜は特命を受け悪を倒す無敵のヒーローとして活躍する男の物語。
 主人公の只野仁を演じるのはテレビシリーズ同様、高橋克典。
 櫻井淳子、永井大、三浦理恵子、蛯原友里、田山涼成、梅宮辰夫などのレギュラーキャストも登場する。


粗筋

 黒川会長(梅宮辰夫)に呼び出された只野(高橋克典)は、電王堂が手掛ける“フラワー・アース・フェスタ2008”のメインキャラクターを務めるグラビアアイドル、シルビア(秋山莉奈)の護衛と身辺調査を頼まれる。
「暗黒王子」と名乗る謎の人物から脅迫を受けている彼女は、只野の活躍により、大怪我を負いそうになる危機を間一髪で回避。事なきを得た。ただ、シルビアは、世間では清純派アイドルだったが、実はアバズレで、彼女を利用する者、利用したがる者、そして彼女が利用している者が混在状態。誰に狙われていても不思議ではない状態にあった。
 そんなところ、シルビアはナイフを操る謎の男に浚われそうになる。只野はこれを未然に防げたが、今度は謎の巨人が目の前に現れ、シルビアはさらわれてしまった。
 シルビアのマネージャーと、シルビアが以前所属していた芸能事務所が一枚噛んでいる、と悟った只野は、その事務所に向かう。そこで、マネージャーの死体を発見した……。


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感想

本作は、テレビドラマの映画化。
 最近はテレビドラマを同じキャストで映画化、テレビドラマを映画でオールニューのキャストでリメーク、映画でヒットしたものをテレビドラマとしてオールニューのキャストでリメーク……、などが多い。
 テレビと映画が密接に繋がっている。
 こうした傾向は、ヒットを生み易い、という利点はあるものの、映画が「テレビドラマの延長」となってしまい、映画の陳腐化が問題視されている。
 また、「テレビドラマを観ていないので映画版を観れない」「テレビドラマでやっていたのをわざわざ映画館で観る気がしない」「テレビドラマの特別版を金を取って観させている」など、映画離れも招いている。
 確かに、こちらが観てもいないテレビドラマを勝手に映画化して、その宣伝を様々なテレビ番組でガンガン流されても、観る気が全く起きない。公共電波の有効活用とは言い難い。
 本作品においては、幸か不幸かテレビ番組を観ていて、それなりに楽しませてもらっていたので、観ることに。

 観た感想は……。
 中途半端だな、である。
 テレビドラマ版は、荒唐無稽で、おふざけシーンやお馬鹿なシーンを満載していて、エンターテインメントに徹していた。
 普通のテレビドラマにありがちな「教訓の押し付け」「感動の押し付け」が少なく、純粋に楽しめるものになっていた。
 更に、深夜帯に放送されるとあって、最近のテレビドラマには珍しくお色気シーンも。
 だからこそヒットした。
 残念ながら、製作者はその良さを理解できていないようで(製作を直接担当している者は理解しているのかも知れないが、局の上層部が理解しておらず、いらぬ口出しをしている可能性がある)、ゴールデンタイムに放送される特別版では、普通のテレビドラマと同様、「教訓の押し付け」「感動の押し付け」があり、面白さが帳消し状態になっていた。
 そんなこともあり、今回の劇場版も心配していたが……。
 心配は見事的中。

 日本映画は、テレビドラマ以上に「教訓の押し付け」「感動の押し付け」が多い。
 それが日本映画低迷の最大の原因なのだが、製作者(というよりスポンサーか?)はなぜかそれを理解しない。というか、理解するのを避けようとしている。
「特命係長 只野仁 最後の劇場版」も、「日本映画」の例に漏れず、「教訓の押し付け」「感動の押し付け」を盛り込むことに。
 その結果、せっかくのエンターテインメント性が損なわれ、しめぼったくて後味の悪い作品に仕上がってしまっている。
「教訓の押し付け」「感動の押し付け」があっても、それをメインとし、完全にシリアスな映画にしていれば、テレビ版とはまた違う「特命係長 只野仁」として売り出せたかも知れない。
 残念ながら、「テレビドラマで受けに受けた荒唐無稽ぶりやおふざけを全て排除するのは流石にまずい」という意見が上がったらしく、そういったシーンも満載。
「荒唐無稽でおふざけもある一方で教訓満載で感動もできるエンターテインメント作品」を目指した結果、特に楽しめる訳でもなく、感動もできない中途半端なものに。
 脚本の段階で「この手の映画はもっとスカッと楽しめるものにした方が受けるんじゃない? このままだとまずい」と誰も指摘しなかったのかね。

 また、日本映画の悪い慣習として、事務所や関係者のごり押しと思われる「特別出演」「友情出演」が多い(梅宮辰夫の娘梅宮アンナなど)。
 こうした「特別出演」「友情出演」も、それなりの著名人や、事務所が売り出したい所属タレントが登場するので、それらに見合ったシーンを用意する必要がある。そんな訳で、「こんなシーンいらないだろ」「なぜこいつをわざわざ登場させるの?」という部分が多い。
 そういう部分はストーリーの流れを止めてしまう。
「特別出演」「友情出演」が終わってやっとメインのストーリーに戻っても、観ている側が付いていけない。
 こういったものを全て排除してくれれば、もっとシンプルで分かり易い作品になっていただろうに。

 せっかくの劇場版なのに、スケールがテレビ版と全く変わらないのも問題といえる。
 結局、黒幕は電王堂の会長の椅子を狙う幹部の一人だった、というものだから。
 それにしても、電王堂、て悪の巣窟状態。逮捕者が続出している。
 これで大手広告代理店をやっていられるのだから、不思議としかいいようがない。大抵の企業は、こんな会社に広告を代理させないと思うが……。
 会長は、只野がいなかったら、とうの昔に失脚していただろう。

 主人公を演じる高橋克典だが……。
 身体付きは、四〇代であることを全く感じさせない立派なもの。
 ただ、背はあまり高くなく、「後輩」を演じる永井大と横に並ぶシーンでは、永井大が長身なこともあって、只野が物凄く頼りなく見えてしまう。
 これは、テレビ版でも感じられたことだが、なぜか今回の映画版では特に顕著。
 永井大が成長したのか、と首を捻ってしまった。永井大は三〇代なので、それは有り得ないのだが……。

 シルビアのマネージャー役を演じた西川史子は、本業はタレントでも女優でもなく女医となっている。
 ただ、こうしたものに出演できるということは、医者業は廃業していると見ても良さそう。
 医師不足が叫ばれている現在、現役の医師が芸能界に顔出しできるとは思えない。

 アイドルのシルビアを演じていたのは秋山莉奈。
 仮面ライダーシリーズに登場したことがきっかけでブレークし、「美尻」のお陰で「オシリーナ」と称されるアイドルになっているが……。
 顔立ちは、仮面ライダーに出演していた時はそれなりに良かったが、今となっては普通。
 単なるOL役を演じている蛯原友里(いわゆるエビちゃん。三十路に近い)より見劣りする。
 もっと他の女優を使えなかったのかね、と思ってしまう。

 本作は、成人コミックに連載されていた作品を原作としている。
 ただ、原作コミックとテレビ・映画版は設定や雰囲気がかなり異なる。
 そんな訳で、原作からテレビ・映画版に入る分には違和感なく入れるかも知れないが、逆だと違和感を抱きまくることになる。
 原作は、成人コミック特有のタッチで、非常に荒い。そういう画風を好む者はともかく、そうでない者には「汚い絵のコミック」としか映らず、全然楽しめない。
 コミックのテレビドラマにおいて「原作をはるかに下回る」の意見がもはや定例化しているが、本作においてはテレビドラマが原作を上回っている。

 本作は、初の劇場版。
 にも拘らず、「最後の劇場版」となっている。
 これでシリーズは打ち止め、ということか。
 それとも、テレビに専念する、ということなのか。


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Last updated  2008.12.11 23:39:23
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