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2009.04.05
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カテゴリ: 洋画

 20世紀を代表する英国作家C.S.ルイスによる全7巻からなるファンタジー巨編「ナルニア国物語」シリーズの第1章を映画化。
 監督は『シュレック』シリーズのアンドリュー・アダムソン。


粗筋

20世紀半ば、第二次世界大戦の最中のイギリス。
 首都ロンドンの空襲を避ける為田舎に疎開したペベンシー家の4兄弟(ピーター、スーザン、エドモンド、ルーシー)。そんな中、末っ子のルーシーが疎開先の古い屋敷の空き部屋にあった衣装ダンスから、別世界の国ナルニアに引き込まれる。
 ナルニアでは魔法が活き、獣たちが喋り、神話的生き物や妖精が住んでいた。ルーシーは、そこで出会ったフォーン(神話的な生き物)から、偉大なる王アスランが作ったナルニアは冷酷な白い魔女により100年にもわたり冬の世界に閉ざされている、という事実を知らされる。
 ルーシーはいつの間にか元の世界に戻り、自分のナルニアでの体験を兄や姉に話すが、当然ながら信じてもらえない。
 そんな中、2番下のエドモンドもナルニアに迷い込んでしまう。エドモンドは、ナルニアの女王(ティルダ・スウィントン)を名乗る女性と会った。女王は、なぜか人間であるエドモンドにやけに興味を持っていた。
 エドモンドとルーシーはナルニアから元の世界に戻るが、エドモンドは自分の体験を信じられず、夢を見ていたんだろう、と勝手に思う。
 そんなところ、ふとしたことで今度は4兄弟全員がナルニアへ迷い込む。
 ルーシーは兄弟を連れ、前回訪れたフォーンのところへ行く。すると、フォーンは「人間と一緒にいた」という罪で女王直々の命令で逮捕されたことを知った。
 4兄弟はフォーンの友人のビーバー夫婦と会う。ビーバー夫婦は、ナルニアの真の王アスランが復活し、ナルニアを現在支配している白い魔女――女王――から解放する予定だ、と説明する。
 4兄弟は、なぜそんなことが分かるのか、と問うと、ビーバー夫婦は言う。予言通りにことが進んでいるからだ、と。
 予言によると、4人のイブとアダムの子供たち――つまり人間――が現れ、女王から王座を奪回し、ナルニアを支配する、となっていた。
 4兄弟がその予言通りに現れたのだ。
 残念ながら、エドモンドは白い魔女と会った際、魔法をかけられていた。兄弟を連れて来るように、と。
 エドモンドは白い魔女の元へ行き、捕まってしまう。ピーターらはエドモンドを追うところだったが、ビーバー夫婦に止められた為、白い魔女に捕まるのを免れた。もし4人が一緒に捕まっていたら、女王は予言が成立しないよう、4人を殺していたところだった。
 ビーバー夫婦は言う。今となっては、エドモンドを救えるのはアスランしかいない、と。
 3兄弟は、ビーバー夫妻によってアスラン――不思議なライオン――の元へ連れられていく。
 アスランは、エドモンドを救出する。
 そんなところ、白い魔女がアスランの元を訪れる。ナルニアの法律に基づいて、自分に裏切り者――エドモンド――を引き渡すように、と。アスランは白い魔女と二人きりで会合。会合の結果、白い魔女は裏切り者の所有権を放棄する。
 アスランは、エドモンドが引き渡されるのを阻止する為、自らを犠牲にし、身を差し出したのだった。白い魔女はアスランを処刑する。
 アスランという指導者を失った解放軍は、ナルニアの王となるピーターに委ねられた。
 ピーターは、不安を感じながらも、解放軍を率いて白い魔女が率いる軍と衝突する……。


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感想

 ナルニア国物語はこれまで何度かアニメ化されていたが、実写化されることはなかった。
 動物が人間のように喋って活躍する、というストーリーなので、CGや特撮技術が発展していなかった時代はそういったシーンを説得力ある形で映像化できなかったのである。

 ようやく実写化できたのは嬉しいのかも知れないが……。
 問題は、実写化されたものが現在の視聴に耐えられるかどうか。
 原作は1950年に発表されたもの。
 もはや古典である。
 ストーリーの時代設定は古いし、登場人物の言動も古いし、ストーリーの展開も古い(原作は文体も古い)。
 最近製作された映画にも拘らず、既に古臭くなってしまっている。

 現在では、幼い子供が親元を離れて遠い場所に疎開することは殆どないので(少なくとも先進国では)、そうした時代背景を理解するのは難しい。

 蘇ったアスランは、何でもないように白い魔女を始末。
 白い魔女が無慈悲で、冷酷で、始末されて当然の悪役だったが、だからといってアスランが無慈悲に、冷酷に始末するようでは、結局アスランも白い魔女と同じになってしまわないか。
 そこまで冷酷になれるなら、白い魔女と一対一で対面した際、さっさと始末すれば良かった。なぜ自分を犠牲にするという回りくどいことをしたのか。

 ストーリー展開もよく分からない。
 白い魔女が法律を振りかざして宿敵のアスランと普通に対面するのはおかしいし、アスランの取引条件に白い魔女が乗るのはおかしいし(予言では4兄弟が揃ったら白い魔女は破滅する、となっていたのだから、アスランを殺したところで予言が覆る訳ではないのは理解していた筈)。
 一度殺されたアスランが別の法律(らしい)で復活してしまうのはルール違反だろう。
 何でもありのファンタジーで細かい部分にケチを付けても意味ないのかも知れないが。

 原作が子供向けなので、映画も当然ながら子供向けに作られている。
 戦闘シーンはあるもの、血生臭さは省略されている。
 ただ、戦闘は戦闘。
 つまり暴力。
 子供に積極的にお勧めできる映画とは必ずしも言い難い。
 その一方で、大人からすると戦闘シーンに全くリアルさに欠ける為物足りない。そもそも子供が戦闘に加わっているシーンで大人が喜べるのか。
 結局どういった客層を狙っていたのか分からない。

 トールキンの「ロード・オブ・ザ・リング」は、同じファンタジーでも大人向けに書かれているが、本シリーズは子供用。
 したがって、教訓が盛り込まれているというか、説教臭い部分がある。
 邦画のようにあからさまに、白けるほどに説教臭くはないが。
 ただ、説教がキリスト教に基づいているので、キリスト教信者でない者からすると鼻に付く。

 本作は、子供用の本を大人が大真面目になって大金を投じて実写化したもの。
 大人の鑑賞には堪えられないし、現在の子供にも向いているとは言い難い。

 第2巻も、「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」として映画化されている。
 本来は、全巻がそれぞれ映画化される予定だったが、制作費が高く、第二弾が期待されたほどの興行収入を得られなかったことから(ロード・オブ・ザ・リングによって始まったファンタジー映画の人気が一段落した、の観測が強い)、第3巻と第4巻を1本にまとめて映画化し、三部作として打ち切りにする、という計画が濃厚である。
 やはりターゲットの客層が曖昧過ぎたか。


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Last updated  2009.04.05 20:53:15
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