・G.I.ジョーという組織の存在自体も分からない。G.I.ジョーのアニメが放送されていたのは1980年代。本作は2009年。20年ほどの開きがある。1980年代、ハリウッド映画はアメリカ市場が主力市場で、他はおまけみたいなものだったが、制作費が数億ドル(数百億円)となってしまった現在は世界公開が大前提。アメリカ人だけに受けさえすればいい、というものではなくなってしまっている。その為か、設定にかなりの変更が。G.I.ジョーのアニメ版のアニメソングは「G.I.JOE, A REAL AMERICAN HERO!」という歌詞が入っていた。つまり、アメリカの特殊部隊だった。本作のG.I.ジョーは、国際特殊部隊、という設定になっている。その為か、部隊員も国籍豊か。時代に合わせているのは悪くないのだが……。中途半端。基地で使われている言語は英語だけ。アメリカ大統領と頻繁にコンタクトを取っているところを見ると、結局はアメリカ主導の特殊部隊のよう。そんな特殊部隊に世界各国の政府が部隊員を派遣するかね。そもそも国連にもまともに参加していないアメリカが(国連予算の分担金の負担を拒否し続けている。にも拘らず常任理事国)、国際特殊部隊に参加するのか。無理矢理国際特殊部隊にするより、アメリカの特殊部隊という設定のままの方がよかったような。