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2010.06.07
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カテゴリ: 洋画


 ポール・ヴァーホーヴェンの出世作ロボコップの3作目。
 ヴァーホーヴェンは本作の制作には特に携わっていないらしい。
 ロボコップことマーフィを演じるのは、1作目と2作目のピーター・ウェラーに代わって、ロバート・バーク。よく観ても違いが分からない程顔付きが似ている。
 ナンシー・アレンは、1作目、2作目に引き継ぎ、相棒のルイスを演じている。


粗筋

近未来。
 デトロイト市の警察の運営を請け負う程の巨大企業だったオム二社も、不景気の波には耐えられず、日本の巨大企業カネミツに買収される。
 オムニ社は、前社長時代から進められていたデルタシティプロジェクト(デトロイトの再開発事業)を、より精力的に進める。これにより、多数の住民が再開発候補地から立ち退きを迫られる。反発する住民を、オムニ社は私設部隊リハッブを使って強制的に退去させる。一部の住民は立ち退きを拒否して地下に逃れ、ゲリラと化していった
 デトロイト市警は、オムニ社のやり方や、リハッブの活動を快く思っていなかったが、警察はオムニ社の傘下にあり、表立って抗議できない。ロボコップも、警察官としては住民に同情していたが、オムニ社の製品としてオムニ社に反発出来なかった。
 女性警官ルイスとロボコップは、ゲリラ化した住民の居所を掴み、そこを訪れる。
 その現場に、リハッブの部隊が到着。ゲリラを一掃しようとする。ルイスとロボコップは阻止に動くが、リハッブ指揮官によってルイスは射殺され、ロボコップは大ダメージを受けてしまう。ゲリラは、ロボコップを助ける事にし、修理を試みる。
 オムニ社は、オムニ社によって製作されたロボコップがオムニ社の活動を邪魔したと知って激怒。オムニ社の命令に背くロボコップを不要と見なし、排除に動く。
 一方、カネミツは、オムニ社の対応の悪さに業を煮やし、自社のロボット「オオトモ」を送り込む。オオトモは、ロボコップの居所を掴み、復旧したロボコップを始末しようとするが、逆に倒される。
 ロボコップは、ルイスを殺害したリハッブ指揮官を追う。居所を掴んで、対面したところ、倒した筈のオオトモが現れる。ロボコップが唖然としていると、オオトモがもう一人現れる。
 オオトモは既にシリーズ化されていたのだ。リハッブ指揮官は、二人のオオトモに守られ、「逮捕出来るならやってみろ」とロボコップに迫った……。


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感想

 ハード路線の映画も、シリーズ化され、シリーズの数を重ねると、角が取れていき、ソフトになる。
 007シリーズも、バットマンシリーズ(ティム・バートン監督作から)も、最初はダークで、ハードだったのに、いずれも回数を重ねると共にユーモラスな場面が増えていき、子供が観ても問題ないファミリー映画になってしまった。
 本作も例外ではなく、1作目はバイオレンス満載で、子供には見せられない内容だったのに、本作は人がバンバン撃たれているにも拘わらず、血糊はまるで見られない。
 1作目から続けて観ると、迫力に欠ける。

 本作ではナンシー・アレンがルイスを3つ度演じるが、ルイスは殉職し、早々と退場。
 これで、第1作で主役と準主役を演じた二人の俳優が完全に退場(ロボコップを1作目と2作目を演じたピーター・ウェラーは、本作には出演しなかった)。
 1作目と2作目では大活躍したキャラがあまりにも呆気なく退場するのを見ると、アレンは本作に特に出演したくなかったが、頼まれたので出演に同意。ただ、これ以上の出演を頼まれても困るので、自身が演じるキャラを殺させた様である(更なる続編は製作されなかったので、心配する必要はなかったが)。

 オムニ社を上回る悪徳企業として、日本のカネミツが登場。
 本作が制作された当時は、日本企業のアメリカ進出がアメリカ企業にとって脅威だったので、こういう設定になったのだろうが……。
 バブル崩壊後低迷し続ける日本の現状を見ると、アメリカ企業の心配は取り越し苦労だった、としか言いようがない。
 現在は、「アメリカにとって脅威の外国企業」は日本から中国に変わっている。ハリウッドは今後中国を悪者にする映画を作製するのか。アメリカは中国に頼り切っているし、昔のように一国を露骨に悪者に出来ないので、その可能性は低いか(ハリウッドはむしろ中国寄りの映画を連発し、世界を呆れさせている)。
 カネミツ社長を演じるのは、日本生まれのアメリカ在住俳優MAKO(岩松信、イワマツ・マコト)。若い時期にアメリカに移住したので、日本語の台詞がどことなく不自然。アメリカ人からすれば「日本人をリアルに演じている」とされるのだろうけど。
 カネミツが製作した「オオトモ」は、刀を自由自在に操る凄腕ロボット(ロボコップより動きがスムーズ)で、ロボコップは倒すのに相当てこずるのだろうと思いきや……。意外と簡単に倒されてしまう。何故こんなのが凄腕扱いされていたのか、理解に苦しむ。演じていたのはブルース・ロック(Bruce Locke)という東洋人。顔立ちがどことなく島田紳助を連想させ、本来なら手汗を握るアクションシーンも、苦笑いせずに観ていられなかった。

 本作では、ロボコップがジェットパックを背負って飛行するシーンも導入された。
 ただ、特撮の予算が低かったらしく、見るからにスーパーインポーズで迫力がない。何故こんなシーンを挿入したんだろう、と首を捻ってしまった。
 自由に空を飛びまわるロボコップは、ギクシャクした歩行からかけ離れていて、とにかく不自然だった。

 1作目では、「極端に良くはないが、極端に悪くもない、利益優先型のアメリカ企業」だったオムに社も、シリーズが進むと共に単なる悪徳企業へと変貌。
 こんな会社がよく存続出来るな、と不思議に思う。本作の最後で株価がゼロになったが。

 本作は、興行的には制作費すら回収出来ず、失敗に終わった。
 これにより、映画シリーズは終了する。
 が、映画界にとってロボコップは魅力的なキャラらしく、テレビシリーズ化されたり、ミニシリーズ化されたりしている。
 ただ、テレビシリーズは子供でも観られる様、バイオレンスがトーンダウン。ミニシリーズは低予算に悩まされる。
 したがって、いずれも評価は高くない。
 1作目を監督ヴァーホーヴェンは、ロボコップをリメークする構想を練っているらしい。特撮技術が発展した現在、どんなロボコップになるのか、観てみたい気がする一方で、下手にリメークするよりオリジナルをリマスターして公開した方が受け入れられるのでは、とも思う。


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Last updated  2010.06.07 10:02:38
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