非常に適当な本と映画のページ

非常に適当な本と映画のページ

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Category

カテゴリ未分類

(340)

洋画

(279)

邦画

(85)

邦書

(140)

洋書

(57)

ニュース

(735)

DVD

(8759)

Comments

Favorite Blog

まだ登録されていません
2010.08.23
XML
カテゴリ: 洋画

 古典的なホラー映画エクソシスト(原作はウィリアム・ピーター・ブラッティによる小説)の、前編的な存在の作品。
 エクソシストで悪魔祓いに携わったメリン神父の過去を描いている。
 当初はジョン・フランケンハイマーが監督する予定だったが、2002年に亡くなった為、ポール・シュレイダーによって撮られた。しかし、完成した作品が地味過ぎると製作会社が感じた為、新たに雇われたレニー・ハーリン(クリフハンガー、ダイ・ハード2)によって全面的に作り直された。
 ポール・シュレイダー版は、別作品としてDVDでリリースされている。
 ステラン・スカルスガルドが若きメリン神父、007ゴールデンアイでボンドガールを演じたイザベラ・スコルプコがサラ・ノヴァック医師を演じている。
 第25回ゴールデンラズベリー賞の最低監督賞と最低リメイク及び続編賞にノミネートされた。


粗筋

第二次世界大戦末期。
 ナチスの蛮行を目の当たりにして神を信じられなくなり、教会を辞した元神父のメリン。考古学者として世界を放浪していたところ、アフリカに流れ着いた。そこで、メリンは古美術収集家の男と知り合い、イギリスの考古学発掘隊に加わる事になった。
 その発掘現場とは、存在する筈のない教会だった。
 1500年前の遺跡で、キリスト教の教会であるのは間違いないのだが、時代的に見てキリスト教の勢力範囲から外れた場所にあるのだ。何故こんなところに教会が、とイギリスの発掘隊は勿論、バチカンも興味を抱いていた。
 教会は完成直後に埋められた様で、保存状態が非常に良かった。中に入ると、既に誰かが盗掘した痕跡が見られた。遺跡は、教会の形にはなっているものの、十字架が逆さになっている等、通常の教会では有り得ない状態にあった。
 メリンの脳裏に不吉な予感が過ぎるが、発掘調査を続ける。
 付近の原住民は、イギリスの発掘隊の存在を快く思っていなかった。何故なら、発掘が始まってから村は災難に苛まされていたからだ。
 発掘計画の本部として、近くの病院の一室を借用していた。メリンも、そこで寝泊りする事に。フランシス神父やサラ・ノヴァック女医と知り合う。
 教会を発見した考古学者について問い合わせると、教会を発見してから精神に異常を来たし、現在は別の病院にいるという。
 メリンは、その考古学者を訪れたところ、彼の目の前で自決。その一瞬前に口走った言葉は、「神なぞ存在しない」だった。メリンが教会を辞める羽目になったある事件の関係者が口走った言葉と瓜二つだった。
 発掘が進む教会では、猟奇的な事件が続発。
 原住民は、少年の一人が悪魔に取り憑かれた、と信じるようになり、少年を殺そうとする。
 少年と交流していたメリンは、彼を守る為に一緒に連れて脱出しようと試みるが、砂嵐により脱出は不可能。発掘現場の教会に隠れようと判断。そこなら迷信深い原住民は近付かないだろう、と。
 メリンは、フランシス神父に少年を預け、教会に向かう様指示した上で、サラ・ノヴァック女医を探し出す。が、彼女はどこにも見当たらなかった。
 サラの部屋に入った時点で、メリンはサラについてある重大な事実を知る。サラは、自分には夫がいるものの、彼女がナチスの強制収容所で虐待を受けていた過去があると知った途端に彼女と拘りを持つのを避ける様になった、と説明していた。メリンは、サラが自身の結婚生活についてあまり触れたくない様子だったので、深く追及しなかった。実は、サラの夫とは、メリンの目の前で自決した考古学者だったのだ。
 サラは夫と一緒に発見した教会の中に入っていた、とメリンは悟る。悪魔に取り憑かれているのは少年ではなく、サラだ、と。
 メリンは、直ちに教会へ向かう。
 教会では、先に送り出したフランシス神父は殺害され、少年の姿はなかった。
 メリンが必死に教会内を探し回っていると、悪魔に取り憑かれたサラがいた。
 メリンは、神父として、エクソシストして悪魔と対決。
 悪魔をサラから追い払う事に成功した。しかし、サラには生きる為の体力は既になく、絶命してしまう。
 悲しみに溢れるメリンは、この事件を機に、信仰を取り戻し、悪魔との対決に生涯を捧げる事を決意する。


楽天ブックス(large)

感想

 本作は、1974年に公開された映画エクソシスト(そして原作小説)の前編的な存在。
 エクソシストで一台詞だけでしか取り扱われなかった「アフリカでの事件」が、詳細に描かれている。
 また、メリンの過去についても詳細に描かれている。メリンは、ナチスによって占領された地域の教会で神父を勤めていた。そこへナチス親衛隊がやって来て、周辺のユダヤ人を掻き集め、メリンに「神なぞ存在しない」と言い切り、「殺す10人をお前が選べ。さもないと全員殺す」と言う。当然ながら拒むメリン。ナチス親衛隊は、側にいた少女を何の躊躇いもなく射殺。メリンは、死に追いやる10人を選ばざるを得なかった。ナチス親衛隊は、選ばれた10人を、淡々とメリンの前で射殺。これをきっかけに、メリンは信仰心を失い、元神父となるのである。
 この部分はエクソシストの映画や小説では触れていない。
 そういう意味では興味深い。

 本作は、1974年のオリジナルから30年後に制作された。当然ながら、特撮技術は上だし、予算もこちらの方が上。
 無論、特撮技術や予算があるからといって、良い作品が出来るのか、というとそうでもなく、やはりオリジナルの方が緊迫感がある。
 本作は、最初の監督(ポール・シュレイダー)が制作したものがあまりにも地味だった為アクションシーンを撮るのに長けたレニー・ハーリンによって全面的に作り直された、とされている。
 オリジナルは、作風的には地味で、派手なアクションシーンは一切なく、それこそが作品にあの緊迫感をもたらした、というのを製作会社の幹部はどの程度理解していたのか、と疑ってしまう。
 謎解き的な部分、どんでん返し、アフリカのという舞台等は非常に良く作られているのに、下手にアクションシーンを入れてしまった為、単なるスプラッターホラーに成り下がっている。
 せっかく俳優らの演技が良いのに、勿体ない。
 ポール・シュレイダーが監督したものが公開されていたらどうなっていただろうか、と思う(事実、シュレイダー版の方が評価が高いらしい)。

 その一方で、ゴールデンラズベリー賞の最低監督賞と最低リメイク及び続編賞にノミネートされる程酷い作品か、と言われるとそうでもなく、ゴールデンラズベリーの評価基準を疑わざるを得ない。

 メリン神父を演じるスウェーデン人俳優ステラン・スカルスガルドは、オリジナルのメリン神父を演じるマックス・フォン・シドーの若い頃に顔立ちと背丈(190センチ以上あるとか)が似ている、という理由で選ばれたらしく、当時は無名の俳優。本作を機に他のハリウッド映画にも出演するようになったらしい。

 イザベラ・スコルプコは、007ゴールデンアイからすると流石に老けたな、と思わせる。
 充分綺麗だが(悪魔メイクのシーンを覗いて)。
 ゴールデンアイでは訛りバリバリだったが、本作では訛りは殆どない。ゴールデンアイでの訛りは、完全に演技だったのか、それともゴールデンアイから本作までの間に修正したのか。
 下の名は比較的発音し易いのに、苗字は一般とは言い難い。もう少し発音し易い芸名に変更していたら、今より大成していたのに、と思わないでもない。

 本作は、オリジナルの前編的な存在ではあるが、原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティがどこまで関与していたのかは不明。
 全く関与していない可能性もある(というか、その可能性が高い)。


人気blogランキングへ


エクソシスト: ビギニング(DVD) ◆20%OFF!

エクソシスト: ビギニング(DVD) ◆20%OFF!

価格:3,192円(税込、送料別)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.08.23 20:22:59
コメント(0) | コメントを書く
[洋画] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: