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2010.11.15
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カテゴリ: 洋画

 国家の情報機関からエージェント「トリプルX」として迎え入れられた元囚人が、政府転覆を狙う男を食い止めるべく立ち上がる。
 第1作はヴィン・ディーゼルが主演した。本作も彼に役がオファーされた様だが、断られたらしい。
 本作でトリプルXとなる男を演じるのは、ラップ歌手アイス・キューブ。
 監督は007ダイ・アナザー・デイを手掛けたリー・タマホリ。
 原題は「XXX: STATE OF THE UNION」。


粗筋

 ギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)が指揮するアメリカの対テロ組織NSAの秘密基地がハイテク装備の部隊に襲撃され、16人のエージェントが殺害されてしまった。
 命辛々難を逃れたギボンズは、服役中の昔の部下ダリウス(アイス・キューブ)を新たなエージェント・トリプルXとして選定。ダリウスは乗り気でなかったが、ギボンズは自分が狙われているという事は、元部下のお前も狙われている、と言い出す。
 ダリウスは渋々ながらも受け入れざるを得なかった。ギボンズの手助けにより脱獄し、捜査を開始する。
 NSAを襲撃したのは、実は国外のテロ組織ではなく、国防長官デッカート(ウィレム・デフォー)だった。デッカードの陰謀で、ギボンズの自宅は爆発され、ギボンズは死亡したと発表される。参謀会議副議長ペティボーンが暗殺され、ダリウスはその罪を着せられてしまった。逃亡しながら捜査を続けるダリウスは、国防長官の企みを知る。
 デッカードは、軍縮政策を発表しようとする大統領および副大統領、上院議長の暗殺を企んでいたのだ。ペティボーンの葬儀を口実に部下をワシントンに集めて大統領らを暗殺。暗殺の罪はギボンズに着せ、デッカート自身は国防長官から公式に大統領の座に着くというものだった。いわゆるクーデターである。
 ダリウスは昔馴染みの自動車窃盗団を率い、NSA工作員カイル・スティールと共に暗殺現場である国会議事堂を襲撃、大統領を奪還し、デッカートを殺害する。
 自由の身となったダリウスは、匿名の兵士として名誉勲章を受けるが、昔馴染みに見送られてワシントンを去る。
 一方、NSAでは、組織の建て直しに奔走するギボンズ(デッカードは大統領暗殺の罪を彼に着せるつもりだったので、殺されず生かされていた)は、次のトリプルXとなるエージェントを探し出していた。


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感想

 前作のトリプルXでは、「トリプルX」というのはザンダー・ケージ(前作の主人公)のニックネームだったが(エクストリーム・スポーツ(Xtreme Sports)のカリスマ的存在)、本作では何故かNSAが外部から雇う凄腕エージェントを指していた。
 では、このザンダー・ケージはどうなったのかというと、冒頭である任務の最中に死亡した、と告げられるだけで、一瞬ですら登場しない。前作の大活躍は何だったのだ、と思ってしまう。
 本作のトリプルXのダリウスは、ギボンズの元部下で、元海軍特殊部隊員。9年前、軍司令官だったデッカードの命令に背いた上、暴行を働いた罪で20年の実刑を受けていた。ザンダー・ケージも悪だったが、こちらはそれ以上の悪。経歴上は、こちらの方がエージェントとして相応しい(ザンダー・ケージは、当初は銃の扱い方も知らなかった)。ただ、軍に所属する前は自動車窃盗団と繋がりを持つ等、必ずしも誇れる過去の人物ではない。軍に入るまでには散々法を破っていたにも拘わらず、デッカードの命令(民家を焼き尽くせ)を背いて軍法会議にかけられるのだから、訳が分からない。意外と小心者。
 前作はヘビメタっぽいサウンドトラックだったが、本作は黒人の俳優が多く登場(主人公も黒人)とあって、ラップ調のサウンドトラック。前作以上に耳障り。
 前作は、主人公が「俺は格好良いんだぜ。クールなんだぜ。すげえだろう」と言わんばかりの言動が鼻に突いたが(頭の悪い坊さんにしか見えなかったのも起因している)、本作は一応軍籍があるので、その手の言動は抑制されている。ただ、元軍人にはありまじきチンピラっぽい言動が多く(取り巻きもそんな感じ)、別の意味で鼻に突いた。
 ダリウスを演じたラップ歌手アイス・キューブがどういう基準で採用が決まったのかは分からないが、やけにポチャッとした髭面の黒人のオッサン、としか映らず、迫力不足。事実、アクションシーンはスピード感に欠けた。

 ストーリーには、やけに無茶な部分が(トリプルXシリーズの共通点といえる)。
 アメリカの国防長官が、大統領の政策に反発していたからといって、閣僚を抹殺し自ら実権を握ろうと画策するとは、現実性に乏しい。どこかの発展途上国ならともかく。
 優秀な筈のNSAが、国内の動き(デッカードの企み)を全く察知出来ず、秘密基地を襲撃されてしまうのも、おかしい。そのNSA長官が、命辛々逃げ出して、服役中の元部下を頼るという発想も、よく分からない。NSAはかなり無能で、かなり人材に乏しいらしい。こんな組織がよくアメリカの安全を保障出来るな、と感嘆。

 本作では、非常時に大統領を国会議事堂から逃す為にブリットトレイン(超高速列車)が建設されている、という設定になっているが……。
 実際の国会議事堂にこんな豪華な設備があるとは信じ難い。
 秘密の設備の筈なのに、その高速列車は地上に出て走行。意味がないのでは、と思ってしまう。

 無茶な部分は多いものの、アクションシーンは最近ありがちな細切れシーンの連続ではなく、分かり易い。
 アイス・キューブが黒人とあって、見た目は迫力があるので、そういった事をする必要がなかったのか。

 本作は、ヴィン・ディーゼルが登場せず、アクションスターとは程遠い者を主人公にしてしまった為、興行的には失敗。
 ただ、純粋にアクション映画としてみると、ぶっ飛ぶ程悪くはない。正直、エクスペンダブルズより楽しめた。

 本作でよく分からないのは、本シリーズの製作の経緯と、007への影響。
 第1作はソニーピクチャーズが手掛けた。ソニーは、007の権利を持つ者(ケブン・マクローリー)と協力し、イオン・プロダクションとは別の007シリーズを立ち上げようとした。無論イオン・プロダクションが許す訳がなく、裁判沙汰に。結局ソニーは新007シリーズの立ち上げを断念する。
 007が駄目なら全く新しいのを、として製作されたのがトリプルX(らしい)。
 主役を演じたヴィン・ディーゼルの人気もあり(少なくとも当時は人気があった)、それなりに成功。これで、ソニーは007とは別のスパイアクションシリーズを手掛けるのか、と思われていたが……。
 ソニーがイオン・プロダクションの配給会社であるMGMを買収。ソニーは、正式に007シリーズの参加に加わる事になった。スパイアクションシリーズを2つも抱える必要はないので、トリプルXシリーズは自然消滅。
 これで007に集中するのか、と思われていたが、ソニーはMGMから手を徐々に引き、事実上MGMから手を引くことに(株は保有しているが、発言権はない)。MGMは結局破産し、製作が計画されていた007の新作も延期になった。
 トリプルXシリーズの新作もなく、007シリーズの新作もない。
 ソニーが結局勝手に引っ掻き回して、手を引いただけの感がある。
 ソニーが素直にトリプルXシリーズに専念していたら、トリプルXや007シリーズはどうなっていただろう、と思わざるを得ない。


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Last updated  2010.11.15 16:13:35
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