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2011.01.13
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カテゴリ: 洋画

 世界で初めて全面的にコンピュータグラフィックスを導入したとして話題を集めた映画。
 コンピュータの内部世界やプログラムを、特徴的な映像やプログラムの擬人化という手法で表現している。
 若き頃のティム・バートンがアニメーターとして参加している。
 また、シド・ミードも仮想世界シーンのコンセプトデザインで参加している。
 意欲的な作品ではあったものの、コンピュータそのものがまだ一般家庭に普及していなかった時代であり、鑑賞者にとってはチンプンカンプンな部分が多過ぎたらしく、興行的には失敗。
 だが、コンピュータが一般家庭に普及し、CG映画もごく普通になると、本作はカルト的なステータスを得る。
 その結果、2010年にはTRON: LEGACYという続編が製作された。


粗筋

ソフトウェアメーカー・エンコム社に在籍するフリンは「スペースパラノイド」というゲームを開発したものの、その全データを同僚のデリンジャーに盗まれてしまう。デリンジャーが自身の作として発表された「スペースパラノイド」は大ヒット。その功績でたちまちデリンジャーはエンコムの社長に上り詰める。一方、フリンはエンコム社から離れ、ゲームセンターのマスターへと追いやられてしまう。
 フリンは、「スペースパラノイド」がデリンジャーの盗作である証拠を掴むべく、エンコムへのハッキングを始める。だが証拠データはデリンジャーが製作したマスター・コントロール・プログラム(MCP)によって厳重に隠蔽されていて、発見は不可能だった。
 ある日、フリンのハッキングの事実を知ったエンコムの社員アランがフリンの元を訪ねる。これをチャンスと考えたフリンはエンコム社内のコンピュータから直接、アクセスさせてもらえるよう頼み込む。アランはフリンをエンコムへと導き、またアランも不正調査と MCP破壊のために、開発途中の監視プログラム・トロンを起動することを決意する。
 残念ながら、フリンの侵入は既にMCPによって察知されていた。MCPは、、フリンをエンコム社が開発していた物質転送機によって、MCPが支配するコンピュータの内部世界へと送り込まれてしまう。そこはMCPによって集められた様々なプログラムが奴隷のように扱われていた。
 そんな中、フリンはアランそっくりの1人のプログラムと出会う。彼こそが、MCP破壊の任を帯びてアランが送り込んだプログラム・トロンだった。
 2人はデリンジャーの不正を暴き、コンピュータ世界におけるMCPの圧政を打ち砕くため、MCPに戦いを挑む事を決める。


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感想

 コンピュータの内部世界のマシンをほぼ全てCGにする等、当時としては革新的な映像だったが、現在の視点ではビデオゲームの映像より陳腐で、時代を感じさせる。
 その一方で、コンピュータの内部世界なんてどうとでも映像化出来るので(実在しないのだから)、むしろこうした陳腐なCGの方が「現実味」がある。
 俳優を使ったシーンは、白黒で撮影したものに部分的に着色していく、という手間のかかる手法が採用された。その結果、実際の俳優が登場しているにも拘わらず、非現実的な映像になっている(最近はCG技術が向上しているので、実際の俳優を使って撮影したと思われたシーンが実は全てCGだった、という本作とは逆の現象が起こっている)。
 黎明期のCG、非現実的な映像のライブアクションが相まって、全編が後にも先にもない雰囲気をかもし出している。
 製作者らがどこまで意識して製作したのかは不明だが、現在見ると新鮮に映る。

 映像美とは対照的に、ストーリー自体は単調で、面白味に欠ける。
 フリンもトロンもこれといった活躍をしないにも拘わらず、MCPがやけに呆気なく倒されてしまうのだ。
 フリンは、どういう経緯か分からないが、あっという間に現実世界に戻っていて、目的の不正に関する書類を掴んでデリンジャーを失脚に追い込み、アランとも再会してめでたしめでたしで終わっている。

 人物描写がない、と下手な映画評論家の様に批判すべきではないが(登場人物の多くはコンピュータの内部世界のプログラム、という設定なのだから、人間味溢れていたら不自然)、独特の映像美も相まって偶に登場人物の見分けが付かなくなってしまうのはどうかと思う。

 現在観ると、パソコンやネットの知識が多少あるので「ここはこういう事を表現していたのか」と感心出来るが、当時の者にとっては理解不能な部分ばかりだっただろう。
 同時期に公開されたE.T.の方が好評を得てしまったのも理解出来る(現在観ると、E.T.こそレベルの低い、見所のない作品と映ってしまう)。
 トロンは登場が早過ぎた、と言ってしまえばそれまでだが、「では、いつ公開されていたら受け入れられていたのか?」と問われると返事に窮する。
 あまりにも遅く公開されていたら(パソコンが既に普及している時代等)、「コンピュータの内部世界はこんな陳腐なもんじゃないだろう」と冷笑されていただろうし。
 続編が製作されるに至るまでになっているのだから、本作を失敗作、と単純に片付けるのが間違いであるのは確かである。


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Last updated  2011.01.13 22:24:49
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