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2012.01.15
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カテゴリ: 洋画

 往年のヒットTVシリーズ「MISSION: IMPOSSIBLE(スパイ大作戦)」の映画化の権利をトム・クルーズが獲得してからスタートした映画シリーズも、本作で4作目になる。
 トム・クルーズ演じるIMF諜報員イーサン・ハントがまたまた大活躍。
 邦題は「MISSION: IMPOSSIBLE - GHOST PROTOCOL」。
「ミッションインポッシブル4」とは、邦題でも原題でも呼ばれていない。クルーズの意向でそうなったという。


粗筋

IMF諜報員トレヴァー・ハナウェイはブダペストで「コバルト」のコードネームを与えられた人物に渡る筈の秘密ファイルを奪う任務に就いていた。簡単な任務と思われたが、そのファイルを狙う別組織が乱入し、追跡・銃撃戦となる。ハナウェイは女殺し屋のサビーヌ・モロー(レア・セドゥー)によって殺され、ファイルも横取りされてしまう。
 IMF諜報員ジェーン・カーター(ポーラ・パットン)と、ベンジー・ダンが、イーサン・ハントとその情報屋であるボグダンをモスクワの刑務所から脱出させる。イーサンは、IMFの指令によってコバルトの正体を探る為、ダンとカーターを率いてクレムリンに侵入する。だが、IMFの周波数を使う別組織に先手を打たれて爆破テロに巻き込まれ、イーサンは気を失う。
 病院で目覚めたイーサンは、ロシア諜報員のアナトリー・シディロフに爆破テロの首謀者だと決め付けられる。イーサンはその場から逃亡し、IMFに救助を求める。
 イーサンを迎えに来たのはIMF長官本人だった。長官によると、ロシア政府は爆破テロをアメリカ合衆国によるものと信じ込んでいるという。しかも、合衆国大統領は関与を否定する為に「ゴースト・プロトコル」を発動させていた。つまり、IMFは表向きは解体され、イーサンのチームは「幽霊部隊」として活動しなければならない。無論、IMFも合衆国政府も表立った行動を取れないので、イーサンらはテロリストとして追われる身になる。
 IMF長官は、コバルト追跡任務続行の為にイーサンを逃がそうとする。だが、彼らが乗る車がシディロフ率いる部隊に銃撃され、長官は射殺されてしまう。ハントは長官に同行していた分析官のウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)と共に脱出し、カーターとダンと合流する。
 クレムリンを爆破したのは、実はカート・ヘンドリクスという核兵器戦略家で、彼こそがコバルトの正体だった。ヘンドリクスは、人類が進化するには核兵器による浄化が必要であると信じ切っていた。核兵器発射制御装置を盗む為にクレムリンに潜入し、証拠隠滅の目的でクレムリンそのものを爆破したのだった。
 モローがハナウェイから奪ったファイルには、ヘンドリクスの装置を機動する為の暗号が記されていた。イーサンたちは、モローとヘンドリクスの部下が取引する手筈になっているドバイの超高層ビルに先行し、仕掛けを施す。2つの異なる階で、ジェーンがモローに成りすまし、イーサンとブラント(実は単なる分析官ではなく、優秀なIMF諜報員)がヘンドリクスの部下に成りすます事により、お互いに取引が成立したと思わせ、ヘンドリクスに偽暗号を掴ませるという作戦である。
 作戦結構直前に、ヘンドリクス本人は取引に現れず、代理人を向かわせていて、しかもその代理人は暗号を本物か否かをその場で確認出来る人物を同行させている事を知る。当初の計画では偽暗号で誤魔化すつもりだったが、誤魔化しが利かないと知ると、ハントは他のメンバーの反対を押し切って本物の暗号を利用する事にする。暗号を一時的に敵に渡しても、ヘンドリクスの居所が掴めば良い、と。
 しかし、計画は思いにもよらない展開で失敗。本物の暗号はそのままヘンドリクスの手に渡ってしまう。
 ハントのチームは、ヘンドリクスがインドの事業家が購入した人工衛星を使って核兵器を発射させる計画を立てている、という事実を掴み、インドへ向かう……。


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感想

 元のテレビシリーズは、チームの活動を中心に描かれていて、「レギュラーメンバー全員が主人公」という状態だったが、トム・クルーズにより映画化されてからは、一応チームで行動するものの、主人公は間違いなくクルーズ演じるイーサン・ハントで、他のチームメンバーは端役扱いだった。
 本作では、クルーズ本人も自身だけでは映画を引っ張り切れない事、そして流石に40代後半に差し掛かり体力の衰えもある事を自覚した為か(相変わらず若々しくはあるが)、チームの活動が多い。当然ながらクルーズが最も派手に活躍するが、他のチームメンバーもかなりの活躍を見せる。クルーズ本人がどう思っているのかは知りようがないが、四作目でやっとミッションインポッシブル本来の姿になってくれた感じで、有難い。

 ストーリー内容は、イーサン率いるチームが核テロを阻止する為綿密な計画を立てるものの、ふとした事で破綻し、失敗。残された僅かな手がかりを元に敵の行動を読んで先回りし、また新たな計画を立てる……、の繰り替えし。
 その度に舞台はヨーロッパ、ドバイ、インドと変わる。
 ある意味旅行ムービーである(製作者は相当楽しんだだろう)。
 完成当時世界最高(828メートル)のビルとされたドバイのブルジェ・ハリーファで撮影をするところは、流石ハリウッド。
 一方で、「今ホットなエキゾチックスポットはどこだ? ふむふむ、ヨーロッパ、ドバイ、インドか。じゃ、ここをロケ地にしよう。はてさて、どんなストーリーにしたらいいものやら」と捻り出された感じが見え見えで、大きく広げた風呂敷を上手く畳み切れていない。
 ヘンドリクスは、ヨーロッパやドバイでは全く隙がなく、ハントらより一枚も二枚も上手だったのに、ラストのインドではまるで別人の様につまらない凡ミスを犯し、そこをハントらに突かれ、核テロの野望を絶たれてしまう。
 インドでの展開は不要だったといえる。

 キャラの展開にも疑問点が。
 本作では、サビーヌ・モローという凄腕の女殺し屋が登場。個人的には面白いキャラで、最後までハントらを苦しめてくれるのか、と期待していたが、ドバイで呆気なく退場。それまでの凄腕振りが信じられなかった。
 本作がドバイで終わってしまった感があるのも、最も魅力的な悪役が消えてしまった事が大きい(ハリウッド映画では、魅力的な悪役を登場させながら、早々と退場させ、あまり魅力的でない悪役を最後まで残す傾向が多い。スターウォーズ新3部作のダース・モールもその例)。
 ヘンドリクスは、本作において一番の悪役だが、結局は単なる中年男で、人的魅力はなかった。
 モローが最後まで絡むストーリー運びになっていたら良かったのに、と思う。その意味でも、本作はドバイで終わるべきだった。

 IMFの運営方針にも首を傾げざるを得ない。
 ハントがロシアの監獄にいたのは、ロシア側の諜報員を殺したからだった。
 何故ハントがそんな凶行に及んだのかというと、ブラントの語りで明らかにされる。
 ブラントはある夫婦を護衛の為に監視する任務を与えられていた。夫婦は、監視については知らされていなかった。少しの間目を放した隙に、妻の方が何者かに拉致され、数日後死体となって発見された。ブラントはこの任務失敗を真に受けて現場を離れ、分析官として勤務する事になった。
 ブラントが監視していた夫婦こそ、イーサン・ハントとその妻。
 ハントは、妻を殺したロシア側の諜報員を、報復として殺害し、その罪で監獄に入れられたのだった。
 ……というのが表向きの理由だが、実はこれは全てハントとIMF上層部が仕組んだ事。
 実はハントの妻は殺されていなかった、という真相がラストで明らかにされる。ハントは、彼女を守る為に別れる事を決意。が、ただ別れるだけでは狙われるので、殺された事にした。ブラントの任務失敗はわざと仕組まれたもので、「敵を欺くにはまず味方を」の捨て駒にされたのだった。
 ブラントは、自分の任務失敗は失敗でなかったことをラストで知り、現場復帰を決め、ハントと握手して別れるのだが……。
 IMF上層部にここまで利用されながら、またIMFの為に働くブラントの心理が分からない。「諜報なんてそんなもんだ」と割り切っているなら、そもそも任務を一つ失敗したくらいで落ち込んで、現場任務から離れる、なんて事はしないと思うのだが。
 IMFは、「万が一任務遂行中に君が捕まったり殺されたりしても当局は感知しない」が名言だが、何故IMFメンバーらはこんな非情な組織の為に命をかけて働くのか、不思議に思う。

 前作(3作目)では、イーサンは何の前触れもなく結婚している事になっていて、この妻が予想以上に大活躍する。
 次の作品では夫婦で大活躍するのか、と思いきや、本作では妻の姿が全く見えない。結局別れた、という事を最初知らされ、後に殺された、という事実を知らされる。
 これは、「エイリアンシリーズでエイリアン3を先に観てしまうとエイリアン2を後に観てもむなしくなるだけ、というのと同じパターンか」と嘆きながら本作を観ていた。
 上述した様に、ラストで実は妻は健在で、エイリアンシリーズと同じパターンではない、と知る。ハッピーエンドなのだ、と。ハリウッド的な展開で、最終的には納得出来るのだが……。
「休暇中のハント夫妻の元に急遽IMFから連絡が入る。新たな任務だ、と。ハントは止むを得ず休暇を中断。妻は『まあ、仕方ないわね』という顔で送り出す……」というベタながらも安心感あるスタートにしていた方が、全編を気持ち良く観れたのに、と思う。本作のやり方では、全体的に暗過ぎ(妻役の女優ミシェル・モナハンのスケジュールを確保出来ず、ラストでの一瞬の登場しか可能でなかった、という事情もあったのかも知れない)。

 全体的には、クルーズのスタントマンを可能な限り使わないアクション(ブルジェ・ハリーファの外側を駆け上がるシーンは、クルーズ本人が演じたという)を楽しむ映画。
 ストーリーはアクションシーンの隙間を埋める為の物に過ぎない。
 そういう風に割り切れるなら、充分以上に楽しめる作品である。


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Last updated  2012.01.16 17:20:54
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