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2012.09.02
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カテゴリ: 洋画

 リドリー・スコット監督によるSF映画。
 日本のCMでは「人類の起源に迫る!」というテーマが前面に押し出されているが……。
 実際には「人類の起源に迫る」というのは登場人物らがわざわざ地球から遠く離れた惑星に向かう目的であって、映画そのものはスコット監督の出世作となった「エイリアン」の前日譚となっている。
 何故日本のCMでは、「エイリアン」のエの字にも触れていないのかが不明。製作者側から「『エイリアン』との関連性はサプライズにしたいので伏せてくれ」という要望があったからか。もしそうだとしたら、プロモーション的には失敗したと言える。寧ろ最初から「リドリー・スコットが原点回帰! 第1作の監督による前日譚!」と大々的にCMを打っていた方が、「エイリアン」シリーズファンから支持されていただろうに、と思ってしまう。


粗筋

2089年。
 考古学者であるエリザベス•ショウとチャーリー•ホロウェイは、地球で発見された古代遺跡から異なる古代文明に共通する星図を発見。人類の起源の謎の答えとなりうる未知の惑星の存在が浮かび上がる。ウェイランド・コーポレーション選抜の科学者たちを中心に編成された調査チームは、宇宙船『プロメテウス』で星図の示す太陽系を目指して出発する。
 2093年、衛星に到着したプロメテウスは地表の建造物近くに着陸し、調査チームは宇宙服をつけて建造物に入る。
 そこで、無数の異星人たちの死体が見つかる。続いて円筒系の入れ物が無数に置かれた部屋が発見され、アンドロイドのデイヴィッドがその一つをこっそり持ち帰る。急な嵐が接近し、調査隊は一時撤退を余儀なくされるが、生物学者と地質学者ら二人が構造物の中に取り残される。
 プロメテウスに戻ったショウは、持ち帰ったエンジニアの頭部からDNA型を分析し、人間と一致していることを発見して歓喜する。これで、自分らが「エンジニア」と呼んできた人類の創造主と接触出来た、と
 一方、デイヴィッドは円筒の中から黒い液体を採取し、その正体を確かめる為ホロウェイの飲み物に混入する。
 構造体に取り残された二人の科学者は黒い液体から飛び出した生物に殺害される。翌日、彼らの行方を探す為に構造体内部に戻った調査隊は生物学者の死体を発見し、その間にデイヴィッドは単独でエンジニアの宇宙船の操縦室を発見する。調査隊は黒い液体によって急速に体調が悪化したホロウェイをベースに連れ戻そうとするが、感染を恐れた船員により焼き殺される。ショウがパートナーであるホロウェイを失ったショックから目覚めると、デイヴィッドによって体内スキャンにかけられ、謎の幼体に寄生されていることを理由に隔離されそうになる。
 ショウはぎりぎりのところで隔離から脱出し、全自動手術装置を使って自らに帝王切開術を施す。
 ショウは、死んだ筈のウェイランド・コーポレーション総帥が生きていて、『プロメテウス』に搭乗していた事を知る。そもそもウェイランド・コーポレーションが今回の調査を支援する事にしたのは、異星人と会い、不老不死の力を得る為だった。
 総帥は、ショウの反対を押し切り、デイヴィッドが発見した冬眠状態の異星人を目覚めさせ、接触。しかし異星人は人間に対し友好的ではないどころか、人類を絶滅させるつもりだった。目覚めた異星人は、冬眠状態に入る前のミッションを遂行する。つまり、惑星で開発した生物兵器――エイリアン――を地球に送り込むプログラムを始動。
 元々この惑星は異星人の母星ではなく、兵器開発の場だったが、開発した生物兵器エイリアンの暴走により異星人は一人を残して殺されてしまっていたのだった。異星人は人類を生み出した何らかの理由で誕生させたものの、どういう訳か今度は絶滅させる計画を立てていたのだった。
 ショウは、その計画を阻止するが、『プロメテウス』は全損し、惑星に一人で残されてしまう。
 が、デイヴィッドは異星人の宇宙船を発見していた。ショウは、その宇宙船を使って地球に帰るのではなく、異星人の母星へと旅立つ。


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感想

 CMでは、「リドリー・スコットが人類の起源を探る大作を製作した!」として売り込まれていたが……。
 実際にはリドリー・スコット監督本人の起源(要するに、出世作の「エイリアン」(1979年公開))を探る作品となっている。
 したがって、CM通りのハードSFを期待して観に行くと、「エイリアン」と同等のスプラッターホラーを観る羽目になるので、肩透かしを食らう。
 スコット監督からすれば、自分が世に送り出したエイリアンが、その後自分の手から離れてシリーズ化され、別の映画シリーズとタイアップされ(プレデター)、自分が意図していなかった設定がガンガン加えられた事が面白くなかった、という事らしい。
 本作を製作する事で、「本当の『エイリアン』自分が30年前に製作した第1作(当時は別にシリーズ化されるとは想定していなかったらしいが)と、本作だけ。他のは他人が勝手にやってきた事」と宣言したかったのかも知れない。
 そんな事もあり、本作で描かれているエイリアンは、シリーズ化されたエイリアンとの設定と微妙に異なる。

 また、「エイリアン」は、スコット監督の出世作であった為、キャストは比較的無名な俳優が占めていたが、今回はそれなりの著名度がある俳優を召集出来た。
 ただ、それが故にそれぞれの「出番」を用意せねばならず、無駄と思われる場面が多い。登場人物をもう少し絞れなかったのか。

「エイリアン」の前日譚なので、「人類の起源とは?!」というテーマは早々と捨てられ、ストーリーは登場人物らとエイリアンとの対決に終始する。
 その意味では、「エイリアン」のリメークとも言える。
 アンドロイドに裏切られ、登場人物は次々と殺され、乗っている宇宙船は破壊され、最終的には女性一人が生き残る、というのも全く同じだし。
 本作では、人類(そしてエイリアン)を生み出した「エンジニア」と呼ばれる異星人が登場するが(DNA状は人類と同じだが、見た目は異なる)、結局この異星人は何者で、人類とどう関わっているのかは作中では解明されない。
 デイヴィッドが、ホロウェイを「感染」させた理由も不明。
 そもそもウェイランド・コーポレーションが何故ショウやホロウェイ等部外者を引き連れてこの惑星にやって来たのかも不明。デイヴィッドというかなり優秀なアンドロイドがいるところを見ると、ウェイランド・コーポレーション単独で今回の探査を実施出来ただろうに。
 その意味では謎だらけ・穴だらけの映画といえる。
 そんな事もあり、事前知識無しで映画を観てしまった者からは「CMは詐欺じゃないか!」という声も挙がっているが……。
 事前知識を持っていれば、十二分に楽しめる作品といえる。

 くどいが、本作を「『エイリアン』の前日譚!」として売り出していた方が、一般に受け入れられたと思う。


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Last updated  2012.09.02 19:44:41
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